キャピタリズム マネーは踊るのレビュー・感想・評価
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アメリカの現在は良くなった訳では無い。今も同じ様に格差はひらいてい...
アメリカの現在は良くなった訳では無い。今も同じ様に格差はひらいている。しかし、日本と比べると良い。
つまり、日本はアメリカよりもひどいと理解せねばならない。
どうしてか?
2011年のあの災害の影響と確信を持って言える。
民主党大統領として、ルーズベルト大統領を英雄として、締めくくっているが、彼と彼の後釜大統領が取った処置は決して褒められるものではない。オッペンハイマーを悪者にするだけで良いのだろうか?
キャピタリズムを悪く言っても、この映画はキャピタリズムがないと、配信もされないだろう。
ムーア選手の入魂
アメリカの矛盾を何としても伝えたいとうムーア選手の熱意が伝わってきます。 相変わらずドキュメンタリーの中にエンタメ要素を入れるのが上手い、だから面白い。 しかし、反保守、反共和党のムーア選手なのに、図らずも何故トランプがあんなに支持されるのかを明示してしまったところが逆説的で興味深いですね。
ある一方から見たアメリカの仕組み
リーマンショックをメインの題材にしてると思いきや、政治、金融を中心としたある一方からみたアメリカの金満政治がわかる。曰く、富裕層、ゴールドマンがアメリカ(政治家)をコントロールしている、と。 アメリカは自由、民主主義と思って当時学生の頃に憧れたものだが、上記のようであれば何も自由ではなく、社会主義より酷いものと感じた。 リーマンショックすら仕組まれた、ものとするマイケルムーア節は面白いがほんとの事は何も無いし、現実が全て。
ムーア節は健在
ご存知マイケル・ムーア監督の最新作。 よく考えると、ムーア監督の映画は結構映画館行って見てる。「ボーリング・フォー・コロンバイン」「華氏911」「シッコ」等々。。 そんな監督の最新作。今回扱うテーマは、大変シンプル。 「キャピタリズム」=「資本主義」。 かなり直球。 一昨年末のサブプライムローン破綻に端を発したアメリカ経済の崩壊、その後リーマン・ブラザーズ倒産にもつながり、現在の世界同時不況の引き金にもなった。昔からある考え方なのでその「元凶」とは言えないのだが、世界中(特にアメリカが)「資本主義」を突き詰めた結果が現在の状況につながった、と捉えられなくも無い。 この映画はそういう前提で作られている。 サブプライムローンで家を失った人々、不況で職を失った人々、反比例するように利益を稼いだ大手企業のCEOや政治家達。その人達へのインタビューや解説を通して、「資本主義」がどのように暴走した結果、現在の非道い状況に至ったかを説明している。 まぁ、事象自体は知ってることが多かったので目新しいことはあまり無かった。しかし、アメリカ政界(ブッシュ政権)にここまでゴールドマン・サックスの連中が入り込んでたってのが正直びっくり!!議会なんか全く機能してないじゃんか。。 「資本主義」の対立軸として「民主主義」がかなり持ち上げられてたけど、その「民主主義」もかなり怪しいもんだ。そもそも「民主主義」も扱い方を間違えるとかなり危険な思想なんだよな。。 一度は世論に反対されて否決されたが、結局アメリカ政府は民間企業に占領された議会により、大手銀行への9000億ドル(90兆円)の公的資金導入を決定した。国民が家を無くして生活も出来ない状況なのにも関わらず…だ。また、資金導入された大手銀行は、預金者に対して何か救済措置をした様子はない(…この辺りはバブル崩壊後の日本のメガバンクも同じ。。)。だからこそ、ムーア監督の怒りが良くわかる。その感情が映画鑑賞者にも伝わり共感も生まれる。最後の大手銀行への「市民逮捕」のパフォーマンスも胸がすく想いだったわけだし。 しかし、「資本主義」=「お金」を悪者にするのは何か違うように感じる。 「消費」を通した投票行動という「資本主義」の考え方自体は私は健全だと考えている。 「民主主義」も同じだが、「資本主義」も所詮は「考え方」でしかないので、使い方次第でどんな結果にでも転ぶ可能性がある。 結局「欲望」の問題なんだろうと思う。 人間の果てしない「欲望」。 そもそも、アメリカの大手企業のCEOは、年間10億円も給料もらってどうするんだ?1年間でそんなに使いきれるわけがない。使えないお金を稼いでどうするんだろう?? つまり、「足るを知る」という精神を持てるかどうか、そこが問題の本質ではないだろうか?「資本主義」や「社会主義」などの「主義/思想」の問題ではない。欲望に歯止めがかけられなければ、人間が考え得る最も理想的な政治体制だったとしても同じ問題は起こるだろう。 この辺り「資本主義」=悪(evil)、「民主主義」=善、という単純な二項対立(というか、「資本主義」は経済原理、「民主主義」は政治体制なので、そもそも対立軸にすらなってないんだけど。。)で問題設定する辺り、善悪二元論が大好きなアメリカ人だなーと感じたりはしたが、全体的にムーア節は健在で、楽しめて映画観れた。 今回、今までTOHOシネマズで映画観て貯めたポイント使ってタダで観たんだけど、レイトショー料金1200円なら、お金払っても満足出来る内容の映画だったと思う(そういえば、この数年1800円払って映画観たこと無いわ(笑))。
☆☆☆★★ ※ 鑑賞直後のメモから 始めは「ほら!僕が言った通りで...
☆☆☆★★ ※ 鑑賞直後のメモから 始めは「ほら!僕が言った通りでしよ!」的なところが見え隠れして、若干苦笑する場面も。 それでも中盤辺りは、色々な例えを駆使しては。「実はこういった仕組みになっているんだ!」と言った問題提示がなされていて、感心する場面も多々。 良作だとは思うのですが、映画を観終わって数時間。もうはやくも、数多くは忘れ去ってしまっている💧 その要因として、やっぱり地が出るのか?マイケル・ムーアのパフォーマンスが記憶の中で強調され、脳の中に擦り込まれてしまうからなのだろうか? 例えドキュメンタリーで有っても。観客が観やすい様に、エンターテイメントとして提示したい…って想いがもたらす弊害なんでしようかね〜。 基本的には、忘れ去ってしまうこちら側が悪いんですけどね(^^;) 2009年12月24日 TOHOシネマズ/シャンテシネ3
資本主義の対義語は民主主義ではありません
資本主義だろうが、共産主義だろうが、メリットデメリットはあるものである。
この映画は資本主義の、デメリットを指摘している。確かに資本主義であるが故に起こりやすい問題もあるし、その象徴はサブプライムローンだろう。しかし、資本主義だから、必然的にこういった問題が起こるというわけではない。あくまでも、資本主義社会の上に立つ者のモラルである。それに、ムーア監督はだって資本主義の恩恵を、全く受けていないわけでないだろう。彼の体型が資本主義の象徴であろう。仮に、共産主義になったらなったで彼は文句を言うのだろう。「なぜ、人より働いているのに腹いっぱい食えないのか」「共産主義は悪」だと
最初の警告は言うほどでもないし、最後の自然災害はもはや資本主義と関係ない。色々と的外れなところが多い。
特にムーア監督の馬鹿さ加減を如実にあらわしているのが、資本主義の対義語がまるで民主主義であるかのように、語り演出されていとろである。資本主義の対義語は、共産主義か社会主義である。
問題が複雑すぎて?
マイケル・ムーア、なんだかどんどん勢いを失っていく気がする。彼の映画の面白いところは、それがドキュメンタリーとして公平か、良いことか悪いことかは別として、明確な突撃取材の対象となる敵がいて、彼らがマイケル・ムーアのアポなし取材に対して苦い顔をしたり、痛いところをつかれて困った顔をするところにあると思うのだけど、『シッコ』あたりからそういうのがなくなっている気がします。 問題提起の鋭さは変わらないけど、そういうところがなくなると、ただの真面目なドキュメンタリーになってしまう……。『シッコ』を見た時はマイケル・ムーアも丸くなったな、ただ悪者を作って攻撃するだけでなく、被害者側に寄り添う優しさも身につけたのだなと思い、それはそれでよかったのだけど。 今回はウォール街に突撃…といって本当にウォール街に乗り込んでいるけど、ウォール街全体を敵にしても漠然としすぎた感。問題が複雑すぎて、なかなか分かりやすくまとめることは難しいんだろうけど……。切れ味が鈍った刀のような印象。これならアカデミー賞ノミネートされなくても仕方ない。
ムーアは痩せる?
やっと今作がシネコンにきた。(爆)
日比谷まで出掛けても良かったんだけど^^;
座り心地から近所のシネコンを選び、待ってしまった。
まぁもっと待てば、いずれ名画座にくることも必至…?
早く観るか遅く観るかは構わないとして、
この人の突撃アポなし取材!もすでに方々で知れ渡り、
数々の妨害や攻撃に遭ったせいか?やつれて見えた。
前半はほとんど回想フィルム映像の繋ぎ合せが多く、
彼が意気揚々と動き回ってくれたのは、中盤過ぎである。
いわば彼の映画で、彼の見せ場が削られているに等しく、
マネーと共に彼が躍ることを期待した観客はアレ?となる。
だが、言っていることは面白い。
リーマンショックに端を発した米国の経済危機は、すでに
世界中に否応なく不況の津波を引き起こしてくれており、
「信用」とは、いとも簡単に崩落することを証明してくれた
日本の某証券会社の経営破綻を思い起こさせてくれる。
その何年か後に当時勤めていた保険会社が破綻した私、
彼が友人だったらなぁ~なんて
(それでどうなったもんでもないが)今さらながら思える^^;
しかし、どうにもならないのは国民性?という。
資本主義云々の前にこの米国という国は徹底個人主義。
そんな価値観の元で富裕層に助け合いの精神を求める
なんてことは国民皆保険に賛成させるのと同じ位難しい。
(オバマさん、頑張れ!)
前作「シッコ」で描かれていた国民性は今作まで進歩なく、
低所得者がサブプライムローンに苦しみ、家を空け渡すか
占拠するべきかというリアルなシーンを見せつけられても、
制度下の羊・日本人には今ひとつ胸に迫りくるものがない。
しまいには「神」だ。神父さまが資本主義を批判されてるぞ。
そうか、困ったときの…ってこれをいうんだな。
彼が突っつく箇所は唐突で面白いが、突っ込み所も多い。
その裏側ってどうなってるの?と思う部分の説明が、ない。
例えば前作で、
優れた福祉体制の裏側に高額な税金システムがあることを
いちいち説明していては、きっと彼の身がもたないのだ^^;
では徹底個人主義民族を納得させるのは至難の業なのか。
そこでラストの本音。
「私ひとりではもう無理だ」。「あなたの力が必要だ」。
ごもっともです、監督。
(断食デモなど如何ですか?きっと身体にもいいと思いますよ。)
こんな資本主義なら......
格差社会を生む資本主義.....こんことなら....改めて考えさせられる作品です。 リーマン・ブラザーズの経営破綻によって引き起こされた大規模な金融危機....これによって、住宅市場の大暴落と企業や銀行の倒産......で、税金が投入されるも、経営人の懐に消え、末端の人々の手には届かないばかりか、職も失い、自宅を追い出される人々が続出.....今でも、路上生活やその日も食べていけない市民が大勢いる....それなのに、追い出した家を二束三文で手に入れ転売で大儲けしている連中も.....。 日本と違って、ひとつ救いなのは、警察や大統領が大きな味方になっている点....。 家追い出された人が多い街は、その街自体も活気がなくなり、残された市民も困り、路上生活者を支援して元の家に住まわせる....颯爽と銀行マンが出て行けとばかりにやってくるも、その後駆けつける警察に説得され住んでも良いことに.....。 また、日本でもあったが、リストラされた社員が工場を占拠し補償金を要望....断固強気だった企業側も大統領の一言で和解へ....。 一部の投資家がいいようにお金を転がし大儲け....まじめにやっている製造工場は破滅に.....本当に、資本主義は幸せなのか?
政治家と金融・経済関係者は全員必見!!
これ、すごい!! おもしろーーーい!!!
絶対、政治家と金融関係、経済界の人は全員観たほうがいいっっっ…というより、観てくれっっ!!!
一時期「グリーンスパンのやってることだから大丈夫」とかしたり顔で言ってた
親米派のエセ経済通も絶対見たほうがいいな、うん。
それにしても…
アメリカの資本主義(というより拝金主義)の真実にびっくり、、、
たった数パーセントが90%以上の富を独占していて、「貴族階級」と堂々と銀行からの手紙で呼ばれてるなんて、、、
これじゃあまったく、ジェーン・オースティンの映画で描かれていた19世紀のイギリスとおんなじ。
法律や政治は、「一部の金持ちの資産を貧乏人から守るためにある」という論理ですね。
あー、サイアク・・・
さらに今、日本でもJALの再建問題が話題になっているけれど、
まだ甘いかもと思わず思ってしまうほどの、アメリカ航空業界の厳しさ、、、
だって、パイロットの年収が2万ドル??
だからみんなバイトしなくちゃいけなくて疲れきってしまい、それが事故の原因ってどうゆうこと???
そして、そういった元凶=銀行やら証券会社やら政治家やらに
アポなしでがんがん取材に行ってくれるマイケル・ムーア、あっぱれです。
しかも、こんなテーマながらちっとも説教臭くならず
ちゃんとエンターテインメントになってる!!
と「アメリカ(の資本主義)最悪!」と思いながらも、
「こんな映画を撮って無事に公開できるだけ、まだマシになったのかも…」という思いもふとよぎりったり。
おそらく「くーーーっ、マイケル・ムーア殺してえぇぇぇ!!」と苦々しく思ってるアメリカの政財人はゴマンといるはず。
なのでCIAやらFBIやらには、当然ばっちりマークされているでしょうけれども、
ひとまず今は、「赤」のレッテルのもとに上映禁止にもなってないし、
かつてのチャップリンのように国外追放もされてないし、まして暗殺もされてないのですから。
まあ、アーロン・ルッソの例もあるので、不安はぬぐいきれませんが、、、
でも「不安」とばかり言って、ことなかれ主義でいるのが一番よくない!というのがこの映画で言っていることだと思うので、
まずは石川啄木や蟹工船あたりを読んで、意識を高めたいと思いますー
マイケル・ムーアが贈るザ・マネーショー!!
好き嫌いが
ハッキリ出そうな作品だなぁ。
私は“好き”派だけど・・・。
直近作品
『シッコ』がダメだった人は
鑑賞しないほうが懸命でしょう。
そのとき以上にマイケル・ムーア監督が出演しまくっていますし、
資本主義、社会主義などの用語を用い自論も展開しまくっていますから。
一応括りは
ドキュメンタリーになるのでしょうが、
切り取り対象に監督色が非常に濃くでています。
“限りなくドキュメンタリーに近しい映画”
この表現が一番シックリ来るような気がしました。
◇ ◇
〈 人生は思い通りにならないとのすり込み 〉
「世界の金融は米国の財閥が牛耳っている」
某日本人の著書に、このような文章が書かれていました。
日本のバブル崩壊、イラクとの戦争。
すべて米国の財閥が書いたシナリオ通りだと。
あとからこじつけなんていくらでもできるわい!と
読み終わったあとブックオフに叩き売ってしまいましたが、
今作を鑑賞してみると、あながちウソにも思えなくなってしまいました。
「米国金融機関救済のため国民の税金を投入」
しかし、その後はニュースで報じられている通り、
一般市民と比べるとありえない高額報酬を得ていたことがわかり非難轟々。
オバマ大統領立候補の際も金融機関は保身のため裏側から妨害国策。
だが、米国民はCHANGEを願いオバマさんを大統領に選んだのです
(その後の迷走ぶりは一旦おいておきましょう。みなさん結果を急ぎすぎです。
初めて尽くしなんですから、多少は多めに見てあげましょう。日本も同じかな)。
すると、国会議員が金融機関に反旗を翻す、
「金融機関に住居を差し押さえられたみなさん。立ち退かないで下さい」
続いて、住民に立ち退きを迫っていた
ある地域の保安官も立ち上がりはじめた
「本日より住民への立ち退き業務を一切中止する」
極めつけが、契約解除を通達された工場従業員
工場へ立てこもり、正当な賃金を要求。なんと
それは全国メディアにもとりあげられ、ついには
オバマ大統領までもが「従業員の主張が正しい」と擁護。従業員側が全面勝利。
〈 富裕層が怖がるのは民衆が立ち上がったとき。
なぜなら貧富に差があっても選挙の1票に差はないから 〉
オバマ大統領が誕生したその瞬間に、それは芽吹き始めていたのです。
◇ ◇
最後に戦慄が走ったのは
会社が自社で雇用した従業員に
受取人を会社にし、死亡保険をかけていた、その事実。
つまり、会社社員の死亡率が高くなれば高くなるほど儲かるということ。
ありえないでしょう。
裁判社会の米国ですが、
裁判には持ち込めないのでしょうか。
☆彡 ☆彡
他にもお金にまつわる
日本では考えられない出来事が紹介されます。
キリストを使った風刺コントには
声を出して、笑ってしまいました。
「米国失業率が改善した」
それを材料に、このところの日本の株価は上昇しています。
「日本もアメリカの真似をすると大変なことになるよ」と
マイケル・ムーア監督は警鐘を鳴らしていますが、真似する
以前に世界に類を見ないデフレ中の日本に、それだけの体力があるのかどうか。
政治上の関係もギクシャクしています。
今度は是非
日本のデフレについてのドキュメンタリーを作ってください。
う~~ん、かなり陰鬱な映画になりそうだな(苦笑)
天敵退場の結果(?)、切込みが甘く感じます。
常にシニカルな見方でアメリカの問題点を抉る、マイケル・ムーア監督の最新作。2007年の前作『シッコ』では、アメリカの医療問題について深く切り込んでいましたが、今回は、アメリカの資本主義について深く切り込んでいます。 『シッコ』から、まだ2年しか経っていないんですが、“Yes, we can!”のフレーズを原動力にして当選したオバマ大統領による医療保険改革により、アメリカは変革を始めようとしています。しかし、そのオバマ大統領誕生の背景には、この資本主義の問題が垣間見えます。つまり、アメリカ国民は、歪んだ資本主義を変えると言う願いも込めて、オバマ大統領を誕生させたと言っても良いような気がします。就任一年目が過ぎようとしていますが、のこり3年の人気で、どこまで成果が出せるでしょうね? そして、その後の再選は叶うんでしょうか? それにしても、酷いね。ニュースで公的資金が投入された金融機関が、高額ボーナスを支払っているという事を聞き、理不尽な出来事に憤慨しましたが、それにしても酷い。取立てを警官・保安官が行うというのもアメリカ独特ですが、何だかなぁと言う気になりました。 それと、社員に勝手に生命保険をかけて、社員が死んだら保険金を貰うという会社。いやぁ、怖いね。一例として名前が挙がった会社は、日本人も知っている大企業ばっかりだからなぁ。逆に、そう言う企業だから、利益至上主義なのか? P&Gの日本法人は、そう言うことしてないだろうなぁ。それと、ま・さ・か、業績が悪くなったら、社員を暗殺したりしないよね? でも、今回は、何となくスッキリしません。なんか切り込み感が足りないんだよなぁ。マイケル・ムーアは、これを最後に、ドキュメンタリーは終わりと言う意向を示しているらしいのですが、最後の作品なら、もっと捻って、切り込んで欲しかった。『華氏911』や『シッコ』で見られた鋭さが、何か感じませんでしたね。って言うか、彼の天敵ジョージ・W・ブッシュ氏が大統領を退いたからなのでしょうかね? さて、プロモーションで来日したマイケル・ムーアが、“日本は日本の良いところがある。アメリカの様にならなくて良い”と言うような趣旨の事を言っていたと思いますが、まさにその通りですね。医療崩壊、格差拡大と、まさにアメリカの後を追うような事態になっている日本。アメリカを他山の石として、良い日本を取り戻したいですね。
資本主義、好きですか?嫌いですか?
「華氏911」以来、マイケル・ムーアという人は大のブッシュ嫌いであり共和党嫌い、というのを声高に叫びたがることはわかってはいたが、この新作ではそれがさらにストレートに表現してみせている。レーガンやブッシュがやってきた経済政策がここにきて一気に崩壊し、リーマン・ショックが起こり、現在のアメリカの経済破綻が生じた、と映画全編にわたって主張していたのには、「よくひここまで噛み付くなあ」と感心させられてしまった。 しかし、この作品のムーアの主張は、半分は的をえていない。と、いうのは、民主党政権のときだってレーガンの経済政策を踏襲していたこともあるし、ムーアが映画の中でしきりに問題にしていた、政府内にはびこる証券系や銀行系の連中に関しても、アメリカの政府は政権政党が変わってもそういった人間、組織と手が切れないほどに企業との癒着が蜜であることは世界中がわかりきっていることだ。それに言及しないで、民主党系が良くて共和党系が悪い、というのはムチャクチャな論点だと思う。 それと、この作品で致命的なのはムーアが経済オンチであることだ。デリバティブがわからないのはいいとして、今の日本にとっても重要な規制緩和について、ほとんど素通りしてしまったのはいただけない。それが企業を悪い方向へ導き、企業に勤めている労働者をどれほど苦しめているかをもう少し突っ込むべきだったと思う。 結局、ムーア監督の共和党嫌いが進みすぎたこの作品は、「資本主義は嫌いだ」という主張ばかりの内容となっている。これも果たしていいのかどうか。現在の民主主義国家は、自由経済の上で成り立っている以上、資本主義が嫌いなんて言い方ではその国で暮らすことなどできない。だったら、資本主義とはどうあるべきか、という提言があればいいのだが、経済オンチのムーア監督にそんな提言はできなかったようだ。だったら、以前にムーア監督も見たらしい、資本主義の病巣を鋭く突いたドキュメンタリー映画「ザ・コーポレーション」のほうが、はるかに資本主義や企業のあり方をきちんととらえている。ムーア監督は「ザ・コーポレーション」をもう一度見て、よく経済と資本主義を勉強すべきだろう。 と、ここまで批判的にこの作品について書いてきているが、私は映画全体をとても面白いと感じながら見ていた。それは何より、この作品は今のアメリカ映画にはない、庶民たちの気持ちを代弁し、庶民たちの視点からアメリカを描こうとしている、ムーア本来の立ち位置変わっていなかったからだ。「ボウリング・フォーコロンバイン」からムーア監督は、大都市部ではない、地方の一般庶民がどれほど苦難な環境にいるのかを伝えようとしている。今回も経済危機に対して、庶民がどのように苦しめられ、立ち上がってきているのかをきちんととらえていることは、大きく評価するべきだ。 日本のドキュメンタリー作家やメディアにたずさわる人の中に、果てしてこれほど庶民の視点に根ざした者がいるかどうか、私ははなはだ疑問に思っている。このムーア監督の視点を「ポピュリズム(大衆迎合主義)」と言うなら、それでもいいだろう。そうであっても、私はムーア監督が描いた「キャピタリズム」よりも、彼の「ポピュリズム」のほうが大好きである。
アメリカ資本主義の強引さにビックリ!
今回、マイケル・ムーア監督が日本初来日とは思いませんでした。まさに今アメリカ経済の低迷で、とても興味深い題名でした。『私達のお金を返して下さい』とドル袋を提げて詰め寄るムーア監督のシーン、その訴えに動じない資本主義経済のトップの人達への責任追求は、なかなかよかった。住む家から強制退去させられた家族の悲しむ映像に胸を打たれました。
資本主義の現状。
キャピタリズム(資本主義)とは本当に人々を豊かに、幸せにすることができるのか? アメリカの経済的現状を過去、現在、実在の政治家、政府に救済されたメガバンク、巨大企業、アメリカの経済の全盛期を支えたGMのECOなどにアポ無し突撃取材(勿論取材拒否)、インタビュー映像を交えてサブブライムローン問題の真相に迫る。 M・ムーア監督は皆が力を合わせて、民主主義の持つたった一つの力、与えられた力を持って一部の富裕層、策略家に立ち向かうことの意味を問う。 民衆の力を信じて、「私一人の力ではどうにもなりません。皆さんの力が必要不可欠です。」と問いかけます。 デリバティブとは何か? わざと分かりにくく難解な計算式に惑わされている。と、我々に親切に(?)教えてくれる。 一人一人の力が、選挙権を大切に行使して窮地を救えるんだ。と訴える。 何もしなければ、何も変わらない。 アメリカの現状とは日本とは違うが、今の失業問題は相通ずるものがある。 日本人にも立ち上がる力があれば、今の未曾有の不況は乗りきれるかも知れない。 M・ムーア監督が政府の融資を受けた企業への実力行使には、どこかユーモアが漂うが、本物、大真面目だ。 アメリカ人は今真剣に戦っているのだ。 これがアメリカの現状。 M・ムーア監督の小さなバフォーマンスを無駄にしてはいけない。 資本主義とは? 本当に人を幸せにするのか? 問題の解決は一人一人の力にかかっているのだ。 アメリカの現状は対岸の火事では決してない。 我々日本人にも今の失業率。出来ることがあるはず…。
マイケル・ムーアの卑怯なところは、低所得層の不満を煽るだけで、代案となる未来ビジョンを示さないこと。かなり偏向した作品です。
サブプライムローンの破綻を受けて、アメリカ的「電波少年」であるマイケル・ムーアが選んだテーマが金融と経済。これは彼にとって初の作品にも扱った原点回帰となる作品なのだそうです。 それにしても露骨に資本主義を悪だと決めつけ、各地の司教をインタビューしまくり、果てにはイエス様そのものまで引っ張り出して、いかに富というものが神の教えに背くものか。堕落に導くかという徹底的に資本主義と対決し、低所得者と労働者に団結を呼びかけ、金融資本に集団で抵抗を呼びかけるアジテーションな作品でした。 マイケル・ムーアの卑怯なところは、低所得層の不満を煽るだけで、代案となる未来ビジョンを示さないこと。彼の主張するところは、徹底した平等を呼びかけている点でマルクスを敬服するほどの明かな「古典的」社会主義なのです。しかし、本人は社会主義でなく、民主主義だというのです。 けれども富の平等な分配というのは、人民に選ばれたということを錦の御旗にする政治権力がほぼ独裁的に国民の所得を搾取し、均等にばらまくという強権を執行しないと成し遂げません。 ちょうど今の日本も、似たような動きがあります。今の政権は表向きは選挙で選ばれたことを強調しつつ、その影では全ての利権が小沢幹事長に独裁される方向に向かっています。 子供手当を無理に導入し、さらに年金を全部税負担にたら、その代償として消費税が25%に跳ね上がり、国民の可処分所得の自由が大幅に制限されることでしょう。 本作の後半は特にマイケル・ムーアの経済音痴ぶりを発揮していました。日本の経験に学んだとされる昨年の銀行への7000億ドルの資本注入に、なんと彼は疑問を呈したのでした。反対した民主党議員に質問したり、各銀行を税金泥棒と独断で規定し、銀行幹部の逮捕を試みたり、袋を持って回って資本注入した金を返してくれとアポなしで迫ったのでした。 けれども7000億ドルの資本注入を行わなければ、確実に世界恐慌となって、路頭に迷う人が続出したことです。 マイケル・ムーアがイエス様ほ持ち出し、天国に入るためには富裕ではあってならないと説くならば、じゃあ経済の規模をイエスさま時代まで後退させて、みんな等しく貧しいことが幸福と言えるのでしょうか。 中世のローマカトリック時代まではそれがドグマになり、科学技術の発達の足かせとなりました。キリスト教が文明の発達にそぐわなくなったのです。その根本原因は、イエスさまが僅か3年しか法を説かずに帰天されて、繁栄の考え方を教えることが出来なかったことに寄ります。 それで、クロム・ウェルなどがピューリタン革命を行い、勤勉さによる繁栄は神の国の豊かさに繋がるということを説いて、産業革命とキリスト教の教えが矛盾しないことを強調したのでした。 その修正されたキリスト教による繁栄の結晶が、アメリカ建国だったのです。 ケネディの有名な言葉に、「私はすべての障害者を納税者にしたい」と語っていたそうです。ケネディがなぜこの言葉を語ったのか? それは、ケネディ家には実妹を含め、障害者が数人いて、実妹は障害を苦とせず、よく働いて、納税をしていたことによります。 障害者でも納税ができることに、誇りと生き甲斐を感じいていたようなのです。マイケル・ムーアはそのような自立の精神を小馬鹿にしていると思います。 そんな彼が唯一理想として示したのが、全従業員経営です。経営者も従業員も平等に経営にタッチし、収益も平等に配分するという企業を彼は作品で紹介しました。 その企業は街なかの中規模のパン工場なのに、従業員は銀行員の3倍の給料を取っているのだというのです。 でも疑問なのは、経営責任は誰が取るのか?まさか損益が出たら経営者だけが被り、もうけは山分けなんてことはないでしょう。この方式の恐いところは、景気が後退して、事業を縮小差ざるを得なくなったとき、リーダーシップを経営者がとれないことです。まさに日航のように、労組の抵抗を受けて、ニッチもさっちも行かなくなることでしょう。 そして倒産のあかつきには、巨額な債務を平等に負わされてしまうところに問題があります。そういう都合の悪い面は、一切触れないという身勝手さが、マイケル・ムーアの真骨頂だと思います。 富を憎むという点で、アメリカで経済的に成功した人が、どれだけ巨額な寄付をしているのか、全く無視しているのです。マイケル・ジャクソンの偉いところは、人知れず世界中の貧しい子供たちを助けるため巨額な資金を毎年基金として拠出してきました。 また、世界一の富豪と要ってもおかしくないビル・ゲイツは、死後は全財産を福祉関係に寄付するという遺言を残しているそうです。 このようにアメリカで成功した人の多くは、多額な寄付をしています。その為に、地方の行政は、税金で公共施設を建設しなくても、寄付で賄えるようになっているのです。そしてボランティア活動やチャリティも盛んです。そうした富を生み出す能力を持った人たちの社会貢献活動を一切無視しているところに疑問を持ちました。 マイケル・ムーアはそんな貧困に喘ぐアメリカなんかよりも、社会保障が行き届いている日本が理想的な国だというのです。 まぁ、医療保険は整っておりますけど、皆さんどう思われますか?チョット高度な医療だと自由診療になってしまうし、難病だとアメリカの高度な医療のお世話にならざるを得ないしねぇ。まぁ、日本の場合は何から何まで役人と許認可行政にカスタマイズされた保障制度ではないかと思いますよ。
マイケルムーア節炸裂!
マイケルムーアらしい、自らの体を張っての政治家への強行インタビューなどを含んだドキュメンタリー。アメリカ人の多くの人たちが住む家でさえ失い苦しんでいる反面、いかに中流階層の人々を犠牲にしてアメリカの大企業が利益中心で肥えて行ったかを面白く分かりやすく見せてくれる。失業予定の人々が立ち上がって、会社の上層部を動かすシーンは感動もの。日本では当たり前の労働組合のないアメリカでは、労働者が上層部に不満を持っていてもひたすら働くしかないという悲しい状況も見せてくれる。アメリカの一面を知る為にも日本人に是非おすすめの作品。重いテーマを軽く分かりやすく見せてくれるマイケル・ムーアの才能が今回も冴えている!
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