「隙間のない社会なんて面白くない」パイレーツ・ロック マスター@だんだんさんの映画レビュー(感想・評価)
隙間のない社会なんて面白くない
ロックとは虚勢の張り合いのようなもの。リズムに乗せて見栄と自己を主張する。ドラッグとセックスに溺れた振りして、オレたちゃ自由だと、社会にいきがってみせる。60~70年代、やんちゃなガキが、エネルギーを爆発させる社会の隙間(=ゆとり)があったことは、ある意味、幸せな時代だった。
実に選曲がうまい。いくつかのエピソードにぴったしの曲が流れる。そのたびに、リスナーたちは、まるで自分のことでもあるかのように聞き入るのだ。今聴いても、まったく色褪せない名曲ばかりだ。小さいころから、クラシックに慣れ親しみ、バイオリンなどの楽器をたしなむ土壌があったからかもしれない。
フィリップ・シーモア・ホフマンもいいけど、ビル・ナイのおっさんのはじけっぷりがただ者ではない。
ラストはまさかの海洋スペクタクルでトドメを刺される。
エンド・ロールで流れるデビッド・ボウイの“Let’s Dance”がいかったなー。
観るなら、ぜひ、音響設備のいい劇場で。
p.s. 江戸っ子の心意気、粋、いなせ、ってのは、ある意味ロックだね。
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