劇場公開日 2009年10月24日

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パイレーツ・ロック : 映画評論・批評

2009年10月20日更新

2009年10月24日よりTOHOシネマズ六本木ヒルズほかにてロードショー

一言では説明できない多彩な面白さに満ちたエンタテインメント快作

洋上の海賊ラジオ局を舞台に60年代のブリティッシュ・ロックを満載したミュージカル群像劇にして、保守的な体制に敢然と立ち向かう勇気ある自由人たちの社会派ドラマ、1人の青年の悩みや成長、初体験を描く青春ラブストーリーにして、破天荒なキャラクターたちが繰り広げるナンセンス・コメディ、さらにはクライマックスには「タイタニック」もビックリの感動的な海洋パニック映画になる。一言ではまったく説明できない多彩な面白さに満ちた上出来のエンタテインメント快作である。

「ラブ・アクチュアリー」で成功を収めたリチャード・カーティス監督は、恋愛中心の群像コメディだった前作のスタイルを踏襲しつつ、自らの抜群に練られた脚本をベースに、よりカラフルでワイドなマルチ・キャラクターを画面に息づかせる。そのタッチはいわば“ライト感覚のロバート・アルトマン”。英国調の毒や風刺も込めながら、登場人物を描く視線はソフトで優しい。船長を軽快に演じるビル・ナイをはじめ、フィリップ・シーモア・ホフマン、ケネス・ブラナー、リス・エバンス、ニック・フロストから、エマ・トンプソンまで、通好みの個性派、演技派、名優、怪優の豪華競演も見ものだ。

40年以上前の話だが、ノスタルジーに浸る暗さは一切ない。ここで描かれる民衆が体制に反抗した時代の活力は今こそ必要なもの。決定的に明るく前向きで、一本筋の通ったこの痛快なバカ騒ぎは見る者を確実に元気にしてくれる。

江戸木純

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