メッセージは“How to be happy” R・カーティスが監督引退作「アバウト・タイム」を語る

2014年9月27日 14:42

監督引退作を語ったリチャード・カーティス監督
監督引退作を語ったリチャード・カーティス監督

[映画.com ニュース]「ノッティングヒルの恋人」「ブリジット・ジョーンズの日記」「ラブ・アクチュアリー」といった、傑作ロマンティックコメディの数々を手がけてきた稀代のストーリーテラー、リチャード・カーティス。最新作「アバウト・タイム 愛おしい時間について」は、カーティスがメガホンをとる最後の作品だ。今後は脚本執筆に専念するというカーティスが、PRのため来日。監督引退作に込めた思い、「スター・ウォーズ エピソード7(仮題)」にも起用されている主演ドーナル・グリーソンの魅力について語った。(取材・文/本間綾香、写真/菊地晶太)

親しみやすいキャラクターとウィットに富んだ会話は、カーティス作品に欠かせない要素だ。多くの監督、脚本家が暴力やアクション、ダークで特殊な世界を描こうとするのに対し、「私は幸せを模索する普通の人々に興味がある」と語るカーティスの新作は、タイムトラベルという手法で家族や恋人と過ごす平凡な日常の大切さ、決して永遠ではない時間の輝きを、温かいユーモアとともに映し出している。

「この映画のメッセージは、“How to be happy”。どうすれば幸せになれるのか、というシンプルなことを、面白くて複雑でワクワクするようなやり方で描こうと思ったんだ。苦労したのは、主人公ティムを演じる俳優を見つけることだった。私が書いたセリフの意図を汲み取り、観客によい印象を与える若い俳優が条件だったが、選考はとても難しかったね。幼少時代のティムを探すのも大変だったよ。浜辺を歩いている、髪をオレンジ色に染めた男の子は私の息子なんだ」

「アバウト・タイム 愛おしい時間について」の一場面
「アバウト・タイム 愛おしい時間について」の一場面

風変わりだが愛情深い家族に囲まれて育ったティムは、21歳の誕生日にタイムトラベル能力があると知り、その力を駆使して恋や人生を少しでも好転させようと奮闘する。誠実で一生懸命だけど空回りしがちな主人公ティムに抜てきされたのは、俳優ブレンダン・グリーソンの息子ドーナル・グリーソン。SF超大作「スター・ウォーズ エピソード7(仮題)」にも出演が決まっている、ダブリン出身の注目の若手俳優だ。

「ティム役でいちばん大切なのは、コメディが演じられることだった。『フォー・ウェディング』にキャスティングしたヒュー・グラントと同様に、ドーナルもかつてコメディグループに所属していたんだ。ハンサムな俳優はたくさんいるけど、彼らは大抵、深刻ぶっていて退屈。でもドーナルは面白いし、一目見ただけで親近感がわくような、いいハートをもった人間だという説得力がある。ドーナル自身も家族仲がよく、名優である父ともいい関係を築いていて、この映画にぴったりだと思ったんだ。スイートでファニーで、ちょっと面白い顔をしているだろう?」

監督デビュー作「ラブ・アクチュリー」を世界中で大ヒットさせ、2作目「パイレーツ・ロック」で音楽ファンの心も射抜いたカーティスだが、今回の映画を最後に監督から退くことを発表した。まだ監督3作目にも関わらず、その決断にいたった理由について尋ねると、「答えは映画の中にあるよ。歳をとるにつれて、何気ない時間の大切さが身にしみてくるけど、監督をしながら日常のありがたみを実感することは困難だ。2年間近く作品に没頭するからね」とのこと。

「私は監督をする前から、脚本家、編集者としてたくさんの映画に関わってきた。だから、もうそろそろいいだろうと思うようになったんだ。私の父は普通の仕事をしていて、ある年齢に達してリタイアした。私も父のような選択をしたいと思ったんだよ。この映画の撮影中、とても暑い日に100人近いスタッフと海辺のシーンを撮った後、(ティムの父役を演じている)ビル・ナイとビーチを歩きながら、“今度は2人だけでのんびり散歩しよう”と約束した。これからは愛する人たちと、より多くの時間を過ごしたいと思っているよ」

(映画.com速報)

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