フジテレビからテレビ東京に放送局が変更になった当初は、鉄道用語の翻訳がなってなくてオヨヨって事になってましたが、やっとこなれてきて最近は致命的な誤訳はなくなりました。一新した声優陣も自分たちのやり方を発揮して頑張っています。しかし本国オリジナル版の脚本が悪い。無理な話や童話の転用など論外のエピソードが散見されるし、まあまあの話でも細かい所で矛盾があって緻密な脚本だった初期とは大違い。さらに予算削減してかつ量産する為にミニュチュア撮影を止めて3DCG化されるそうです。まもなくテレビシリーズはCG化への過渡期に入り、機関車たちの顔と人物や動物がCG化されて、クニャクニャと動き出します。それが半年すぎると完全な3DCGになるそうです。
長い前ふりになりましたが、本作は完全なミニュチュア撮影による「きかんしゃトーマス」の最後の作品として、ピアース・ブロスナンをナレーターに迎えた長編劇場版です。ただし日本での寂しい公開状況同様、本国でもセルDVDがメインで劇場公開はやったのかどうかわからないほど小規模だったようです。セールスは悪くなかったようで次回作(勿論CGです)の制作が決定しています。
日本でも、まもなく発売されるであろうDVDのセールスが重要で、劇場公開はDVDの大規模な宣伝みたいなものなのでしょう。午前の興行のみの劇場があったり劇場用パンフレットすら用意されていないのには驚きましたが・・・。
親しんでいるキャラクター物で1時間程度の長さのものなので、本作は幼児の映画デビューには最適な内容だとおもいます。同じ回に観に来ていた他家の幼児たちが、初めての映画に大興奮して観ていて微笑ましい様子でした。彼らは知っているキャラクターが登場すると名前を叫ぶのですが、いくつか名前を呼んで貰えないキャラクターが居ました。そう、テレビシリーズに未登場のキャラクターです。幼児雑誌や公式サイトで紹介されていても予習してくる子どもばかりではありません。ミニュチュア撮影テレビシリーズを全部放送した後ならスタンリー以外全部名前を呼べたのに残念でした。また大人目線だと突っ込み所満載なのはこのシリーズおなじみなのですが、今回は異質の突っ込み所があって、いくらトーマス好きでも看過出来ないなと感じました。例えば、機関車が水に浮くシーンの存在。機関士の存在を完全にスルーした展開。せいぜい19世紀末の廃村(しかも駅があった)の所在地が解らなくなるものなのか?もっと丁寧な設定と脚本できちんと作って欲しい、幼児向けだからと手を抜いて作って欲しくないものです。せっかくの完全なミニュチュア撮影最後の作品なのに、あまりいい評価をしてあげられないのが残念です。