「だって、好きなんだもん。」ジュリー&ジュリア ハチコさんの映画レビュー(感想・評価)
だって、好きなんだもん。
人生に行き詰った時(大げさか)
何かが自分を満たしてくれたら頑張れると思うのだが^^;
私にはそれが映画鑑賞、彼女たちの場合は料理だった。
まったくモノは違えど?すごーーく共感できるのである。
誰でも自分が何をやりたいのか、なんて
すぐに見つかるものではない。長く生きて色々やってみて、
それでもまるで見つからない、なんてことも多いはずだ。
無趣味が悪いということはないし、無理に作ることもないが、
あればそれなりに楽しいし、生き甲斐になったりもする。
迷った時に役立つのは、そんな本人を差し置いて他からの
自分への言葉や評価が、案外的を得ている時などである。
ジュリアは外交官の妻、
料理などしたこともない女性だが、食べることは大好き♪
ジュリーは役所の市民相談係、
毎日凹むことばかりだが、ストレス解消が料理をすること♪
それぞれの旦那様(これが素晴らしい男性陣)からみれば、
彼女らに十分に素質があることを見抜いているのである。
「うん、やってみれば?」の優しい一言に端を発した行動は、
思いつきというには敷居が高く^^;癒しを通り越えて苦難の
毎日となるわけだが^^;それでも、自分が好きで始めたこと、
彼女らの奮闘ぶりが泣けるほどいじらしく愛おしいのである。
笑ったり泣いたりの日々が二人を成長させ、特にジュリア
(恥ずかしながら私はぜんぜん存じ上げなかったのだけれど)
は米国の主婦達にフランス家庭料理を広めた有名人である。
まーこのヒトを演じたM・ストリープの巧いこと!可愛いこと!
天真爛漫なのは、そりゃ~お育ちがいいからでしょうね?と
思いながら観ていたが、どうも両親たちは偏屈なタイプで^^;
彼女と同じく大柄な妹(二人ともデカイ)は朗らかで楽しい。
親がああでも(爆)娘たちはいい子に育ったねぇ♪と感心した。
惜しむらくはもっと料理のシーンを観たかった、そして
(結局叶わなかった)二人の交流などはなかった訳なのだが、
ドラマの後半、それぞれが本の出版とレシピの達成に困難を
極めていたあたりは、映画も前半のテンポが半減してしまう。
人生、そう甘くないわよね。の代名詞のもと、
それでも諦めない二人の姿には共感はするものの、料理の
魅力が商売に転化してしまう悲しさも、ある意味感じられた。
楽しんで=お金になる。ならいちばんいいのだろうが^^;
無欲の贅沢には金銭以上の幸せを感じられたりするものだ。
それが互いの伴侶、見守ってくれた友人たち、に捧げられる
ラストには、あ~ほんとうに良かった♪と胸を撫で下ろした。
(二人とも本当に素敵な女性。できれば見習いたいもんです^^;)