チェイサー(2008)のレビュー・感想・評価
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実は同類の人間同士の闘い
追う者と追われる者とが激しく戦うシーンが見どころだが、実は、とても興味深いのは、両者とも最初は同じ考えの持ち主、という点だ。その考えとは、女性をモノとでしか扱っていないこと、である。
主人公の元刑事でデリヘルの支配人ジュンホは、商売のためなら風邪をひいている女であっても客のもとへと行かせる。一方の連続殺人犯ヨンミンは、デリヘルからやってくる女など生きている価値もない、と言いだけなくらいで、どちらも女性には冷酷だ。
ところが行方不明の女性の子供と接しているうちに、元刑事のジュンホの心が次第に変化し、女性への愛情が沸き立つ。だからこそ、最後の命を賭けた、犯人ヨンミンとジュンホの戦いは、観ている者さえも息を呑むくらいの迫力を感じる。そのシーンには、女をモノとしか見てきていなかった悔恨の情が漂っていることが、陰惨な内容のこの作品の中にある「美しさ」だ。そこが、この作品の一番の魅力ではないかと思う。
それにしても、長編第一作となったナ・ホンジン監督の演出力は見事という他はない。
物語は、殺人の証拠がない犯人の拘置時間12時間内を目安とした、ほぼ半日のみの短い時間の中で構成されている。刑事たちと犯人ヨンミン、そして行方不明の女性を追うジュンホが、たくみに絡み合う、よく出来たシナリオに、迫力あるアクション演出はとても一作目とは思えない、手馴れたものを感じた。特に、アクションシーンは昨今、カメラを振りすぎて観客に見づらい映像が多くなっている中、しっかりとカメラを固定させて激しく争う者たちをしっかり画面にとらえていたことには、とても好感がもてた。
元刑事のジュンホが、警察をやめることになった理由や、政治力と警察との関係をもう少し掘り下げてほしかったことと、釈放された犯人がカギもないのにしっかりと家に戻っている点など、納得できない演出も多々あるのだが、今後ともナ・ホンジン監督の作品は注目に値することは、この作品一本で充分に証明している。
韓国のサスペンス恐ろしや。。
恐ろしい
125分とまぁまぁ長い本作でしたが、引き込まれ過ぎてまったく長く感じませんでした。
今まで見たどの刑事物より凄い作品でした。
※ここからネタバレです❕
二回も殺人容疑掛かって証拠不十分で不起訴になってる怪しさ十分のやつなのに、何故釈放しちゃう?
暴力元刑事以外なんの使い物にもならなかった。
特に女刑事が酷いですね。百歩譲って釈放は制度的に仕方がなかったとして、
あの個人経営の商店での出来事は女刑事がきちんとしていればなんとか止められたはず。(帯銃してるよね?)
みすみす二人も殺させちゃった挙げ句、逃げられてるし。あんたなにやってんの?と思ってしまうほどに約立たずでした。
変態連続殺人犯の犯行シーンと暴力元刑事と変態連続殺人犯の戦闘シーンは激しすぎて恐ろしかったです。
あのときああしてればって場面が多すぎてほんと後悔先に立たず💧
ハッピーエンドがお好きな方にはお勧めしません…。
チェイサー
予想以上のグロさ!!!
このテの韓国映画はかなりグレードが高い!!
(「殺人の追憶」もそう感じましたしね^^)
予告編で、グロいなぁ~・・・
・・・と覚悟しつつも、予想以上にグロかったです^^;
そして怖いのなんのっ!!!
これって、実話!?
そう思うと余計に恐ろしさが増しますね。
冒頭で犯人がバレてるのに
なぜ捕まらないの???
ちとイライラしてしまいましたが、
中だるみがなく一気に観れました。
ただ・・・ラストがねぇ~
私的には納得がいかないラストだったので
その分、評価を1つ下げました。
警察の内部事情もろもろ込みで
色んな意味で怖い映画でした。
5月8日109シネマズ高崎にて観賞
思わず体が仰け反ってしまう、迫力です
まず、この映画を見る前に、伝えなければならない事がある。
この映画を観るには覚悟がいる、心臓の弱い人はやめた方が良い。
私はグロいのは弱い方なので、最初のうちは体を仰け反らして観ていた。
最後の方では、慣れてしまった様で
水槽に沈んだ切り取られた顔をオブジェの様に眺めていたが。
元刑事のジュンホはいまではデリヘル嬢斡旋の経営者、
このところ斡旋した女が立て続けに行方不明なり、
今日も女の斡旋に苦労する。
何とかなったと思ったらとんでもない事に気づく。
その男へ斡旋した女達がみんな行方不明になっていたのだ。
そこからこの映画は急発進していく。
その男、ヨンミンは見た感じ、優しそうな男で
人殺しなど無縁の印象。
だが一転ノミを使って残虐な殺し方をする。
運良くジュンホは何とかこのヨンミンを捕らえ、
結果、彼を警察に引き渡すと、ヨンミンはあっけなく自白する。
「えっ!」、こんなあっけなく?という感じで、これからどうなるの?
と思っていたら、そこからどんどん意外な展開がよどみなく続き、
125分間はあっという間に過ぎていく。
重苦しいテーマの中、笑いの隠し味も施されている。
なお、ここは映画のテーマとはまるっきり関係ない。
市長が人気挽回とばかり市場視察に出るのだが、
反支持者と思しき人物から黄色い汚物を投げられ、顔に命中、
次の日病院から退院するときマスコミがきていると思い見渡すと
偶然血だらけのジュンホだけが近づいてきて、
慌てて車の中へ逃げ込んでいく。
こんなコケのされ方、どこの国でも、
政治家には失望しているようです。
私的にはかなり堪能できた、お勧めの作品です。
この映画のリメイク権をディパーディットで味をしめたデカプリオが
買い付けたそうです。
さらに、韓国国内では507万人が観たという大ヒット作品で
主人公よりも殺人者であるヨンミン役のハ・ジョンウが光る作品です。
まずは、論より証拠
サスペンス物が好きな人はぜひご覧下さいませ。
映画好きを公言する人には、必ず観てもらいたい作品
なんだこれは!
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