劇場公開日 2009年5月1日

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「思わず体が仰け反ってしまう、迫力です」チェイサー(2008) カサキショーさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5思わず体が仰け反ってしまう、迫力です

2009年5月10日
鑑賞方法:映画館

興奮

まず、この映画を見る前に、伝えなければならない事がある。

この映画を観るには覚悟がいる、心臓の弱い人はやめた方が良い。
私はグロいのは弱い方なので、最初のうちは体を仰け反らして観ていた。
最後の方では、慣れてしまった様で
水槽に沈んだ切り取られた顔をオブジェの様に眺めていたが。

元刑事のジュンホはいまではデリヘル嬢斡旋の経営者、
このところ斡旋した女が立て続けに行方不明なり、
今日も女の斡旋に苦労する。
何とかなったと思ったらとんでもない事に気づく。
その男へ斡旋した女達がみんな行方不明になっていたのだ。
そこからこの映画は急発進していく。
その男、ヨンミンは見た感じ、優しそうな男で
人殺しなど無縁の印象。
だが一転ノミを使って残虐な殺し方をする。

運良くジュンホは何とかこのヨンミンを捕らえ、
結果、彼を警察に引き渡すと、ヨンミンはあっけなく自白する。
「えっ!」、こんなあっけなく?という感じで、これからどうなるの?
と思っていたら、そこからどんどん意外な展開がよどみなく続き、
125分間はあっという間に過ぎていく。

重苦しいテーマの中、笑いの隠し味も施されている。
なお、ここは映画のテーマとはまるっきり関係ない。
市長が人気挽回とばかり市場視察に出るのだが、
反支持者と思しき人物から黄色い汚物を投げられ、顔に命中、
次の日病院から退院するときマスコミがきていると思い見渡すと
偶然血だらけのジュンホだけが近づいてきて、
慌てて車の中へ逃げ込んでいく。
こんなコケのされ方、どこの国でも、
政治家には失望しているようです。

私的にはかなり堪能できた、お勧めの作品です。
この映画のリメイク権をディパーディットで味をしめたデカプリオが
買い付けたそうです。
さらに、韓国国内では507万人が観たという大ヒット作品で
主人公よりも殺人者であるヨンミン役のハ・ジョンウが光る作品です。

まずは、論より証拠
サスペンス物が好きな人はぜひご覧下さいませ。

カサキショー