パリ20区、僕たちのクラス

劇場公開日:2010年6月12日

解説・あらすじ

生い立ちも出身国もさまざまな24人の生徒と1人の国語教師の交流を通じ、フランスの教育現場を赤裸々に描いた作品。演技経験のない24人の子供たちのリアルな芝居が注目を集め、第61回カンヌ国際映画祭パルムドールを受賞。監督は「ヒューマンリソース」のローラン・カンテ。原作「教室へ」の著者フランソワ・ベゴドーが教師役を演じる。移民や問題児の多い中学校を舞台に、傷つき反発し合いながらも、信頼を深めていく生徒たちの姿をドキュメンタリータッチで描く。

2008年製作/128分/G/フランス
原題または英題:Entre les Murs
配給:東京テアトル
劇場公開日:2010年6月12日

スタッフ・キャスト

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受賞歴

第81回 アカデミー賞(2009年)

ノミネート

外国語映画賞  

第61回 カンヌ国際映画祭(2008年)

受賞

コンペティション部門
パルムドール ローラン・カンテ

出品

コンペティション部門
出品作品 ローラン・カンテ
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(C)Entre les Murs by Laurant Cantet. 2008. Production Haut et Court – France 2 Cinema.(C)Georgi Lazarevski

映画レビュー

4.0 不思議な心地よさ

2026年5月19日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD

主演であるフランソワ・べゴドーは本作の原作者である作家だ。俳優ではない。
教室にいる生徒たちも役者ではない一般の子たちだ。
おそらく同僚の先生たちも役者ではないのではないかと思う。
つまりこの作品は俳優ではない人たちによる作品で、作り方そのものもドキュメンタリー風ではあるが筋書きがあるだけの、教室の自然な風景だと言える。
ありふれた教師とありふれた生徒の物語なのだ。

主人公フランソワは国語教師。彼の受け持つクラスは移民の子たちの、つまりフランス語を母語としない子たちのクラスのようだ。その説明はほとんどない。ひと言ふた言触れられる程度だ。
移民の子たちだからフランス語をおしえているかのような錯覚をおこしそうだが、作中ではそんなことは全く言っていない。若い子たちのフランス語が壊れてきているという話だけだ。
移民の子たちの集まったクラスで、彼ら一人ひとりにフランスで暮らす大変さもあろうに、そのことを過剰に持ち上げることはない(多少はあるが)。
あくまでも国語教師と生徒たちの授業の風景を映すだけなのである。
彼らが移民だからとか、よくある、ある意味で移民差別的な物語に発展しないのは好感が持てる。

フランソワの授業は対話の中で言葉を教えるというものだった。
それは言い争いに発展したり、全く関係ないような話になったりもする。その内容が、子どもらしかったり移民ならではだったりして面白いのだ。

他の教師が、あのクラスはダメだと嘆くシーンがある。このクラスが問題の多いクラスであることが分かる場面だ。
そんなクラスをフランソワは上手くコントロールできているように見える。彼が国語教師だから成せたことかもしれないが、対話することで授業を進めること、対話することで子どもたちの気持ちを授業に向かわせることができていた。
少々荒々しく、一見無秩序に見えなくもないけれど、子どもたちは授業に参加していたのである。

あらすじなどには教師と生徒の交流と書かれていたりするけれど、交流と呼べるほどのものはない。あるのは、移民の子たちに限らず子どもたちにどう接するかという話だけだったように感じた。
一見何もない作品ではあるけれど、何もない中に何かを感じてしまった。

フランスは移民大国なので似たようなテーマを内包した作品というのは結構ある。
その中でもこの作品は不思議と視聴感の心地よい良い作品だと感じた。

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つとみ

3.5 最後まで見てしまった

2024年9月14日
iPhoneアプリから投稿
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cris

3.0 パリの一つの教室での日常が、世界の構図までを…

2024年6月21日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

岩波ホールの高野悦子さんの回想図書を
読んで知ったこの作品のDVDが、
たまたま近くの図書館にあったので
初鑑賞した。

2010年キネマ旬報ベストテンでは
第32位に沈んだものの、
カンヌ国際映画祭では、審査員全員一致で
フランス映画として21年ぶりに
パルムドールを獲得した作品とのこと。

前半は同様に語られる、
現代の日本の学校教育現場問題と
同じ崩壊性を見るようで新鮮さも感じず、
正直なところ睡魔に襲われたが、
後半は臨場感溢れるこの教育現場の世界に
次第に引き込まれるように鑑賞した。

主人公が、教師としての理想型かのような
人物像から一転して
生徒側と罵り合う場面は、
この作品の原作者でもある彼一人に
教育現場問題を全て背負わせる構成にした
のだろうが、少し戸惑う展開に。

一方、この一つの教室での日常が、
パリやフランスの教育現場をも超えて、
世界の国家・民族・宗教などの構図までを
写し取っていたようにも。

しかし、全体構成として、
退学になった生徒のエピソードと
その後のエンディングまでの展開が
上手く繋がって見えない印象は
少し残念に思えた。

そして、最後に驚かされたのは、
この映画の監督のローラン・カンテが、
今年の4月に63歳で亡くなったばかり
とのネット情報だった。

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KENZO一級建築士事務所

4.0 臨場感すごい。

2024年3月16日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

他の映画とは違う魅力を持った120分。
先生の戸惑いと笑顔、生徒たちの、真剣な瑞々しい(そしてやはり可愛い)眼差しが目に焼き付く。
というか、観る方も教師になって生徒になって、一緒にその教室にいる気になってしまう。臨場感ものすごい。素人のこどもが参加した、って…。ナチュラル感たっぷりでとてもよかった。
この生徒たちの言う意見は聞いていてなかなかおもしろい。(意見言うだけマシという感じもする)
最後の学年末のシーンは、言いたいことはわかるが、綺麗にまとめすぎてる感はあった。

生徒はそれぞれに自分でコントロールしがたい複雑な気持ちを抱えてトラブルを起こす。でも今後変わる可能性は秘めている。一方、教師はちゃんと勉強を教え、学校全体を維持していかなくちゃいけない。事あるごとに、どう対処するのか、判断する基準が難しそうだ。

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あまおと