「未来志向の前向きな気持ちが伝わってくる」インビクタス 負けざる者たち Cape Godさんの映画レビュー(感想・評価)
未来志向の前向きな気持ちが伝わってくる
総合:75点
ストーリー:70
キャスト:75
演出:75
ビジュアル:75
音楽:80
惨たらしい血塗られた歴史を持つ南アフリカの苦悩が、人種差別政策の終焉と黒人大統領の誕生によっていきなり終わり明るい社会になるわけではなく、天然資源に恵まれながらむしろ問題は山積みで未だに貧困と犯罪に苦しんでいる。それでも少しずつでも問題を片付け未来に向けて進まなければならない。
本作はあまりその暗い歴史や現実を直視するのではなく、過去を赦し恨みを忘れ国をまとめ、みんなで共に歩んでいこうという前向きな意思が、マンデラ大統領とスポーツを通じて描かれていた。マンデラ個人の過去や歴史や現状の問題や試合の経過の細かなことを一つ一つ描くのではなく、一番言いたいことを物語の中心に据えて気持ちをまっすぐにぶつけてきた。だからそのように複雑な問題が単純化されたことによって、その気持ちがしっかりと伝わってくるわかりやすい作品だった。ただし弱いチームがどのようにして一年で強くなったのかはもっとしっかり描いてほしかった。
登場人物が本来アメリカ人であるフリーマンやデイモンも含めてアフリカ訛りで喋るなど、役作りをきっちりしている。アフリカらしさを取り入れた音楽も好感が持てた。
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