ゼロの焦点のレビュー・感想・評価
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中谷美紀がものすごい
ストーリー的には、終戦直後のどさくさから高度成長期にいたる過程で生じた社会の亀裂を描いており、この手のストーリーはこれまで、何度も見てきたような気がするが、この作品がその原点的な作品のひとつなのであろうか。『飢餓海峡』とも似ている。北陸の寂しげな風景はこういったストーリーに向いているのであろう。
映像的には時代のディティールが壊れないように、気を使っており、風景描写を楽しむこともできる作品になっている。しかし時代の移り代わりとともに、この時代(昭和30-40年代)を描くのも、簡単ではなくなってきていると感じた。
主役は広末涼子だが、中谷美紀の演技がものすごく、主役を奪う勢いがある。彼女は幽霊ものとかやらせたら、とんでもなく怖い雰囲気を出せる役者さんのような気がするが、そういう作品があれば、是非見てみたいと感じた。恐ろしい眼力の持ち主で、能のような、非常に日本の伝統的な幽玄美を表現できる女優さんなのではないだろうか。
全体的によくまとまった仕上がりの作品。
この時代....大変ですね!
これまで、2度の映画化、5度のテレビドラマ化されたというが、いづれの作品も観てません....新鮮な気持ちで本作品を観ました。
広末涼子....いい演技してますね!
結婚式から7日後、仕事の引き継ぎのため金沢に向かった夫(西島秀俊)は帰ってこなかった.....なぜ???....妻(広末涼子)はその謎を追って金沢へ......。
戦後間もない頃を描いており、蒸気機関車や町並み、レトロな車がいい感じ....この時代の労働者は大変だったんだなと実感した.....。
登場人物が少ない
登場人物が少ないので、犯人の推理はすぐつきます。ストーリーよりも出演者たちの演技が見所だと思います。特に中谷美紀さんは圧巻です。震えました。広末さんは主演ですが、イマイチ演技に魅力を感じませんでした・・、すみません・・・。
ブライアン・デ・パルマ風の推理劇
松本清張の原作はかつて読んだ記憶があります。映画の方はケレンミ味たっぷりの演出で、まるで往年のブライアン・デ・パルマのような華麗な映像に酔いしれました。キャストは豪華で、特に中谷美紀の風格ある演技には驚きました。
昭和とバブルが迫力どアップ
昭和の時代の不動の生活に
戦争の後始末が覆い被さり
サスペンスは、渦になって逆巻く
石を投げる暴力など
あり得ない激しい暮らしに胸がかき乱される
布地などでカバーされた暖房の冬を過ごす
固定された昭和の重々しい生活が見て取れ
そんな歴史に揺るがない時代に苦しみを背負った影の動きが
迫力でアップし、ダイナミックに脳裏を揺さぶる
広末涼子なかなかいいやん。
こんな悲しい映画だと思わなかった。こんな推理サスペンス物で泣いてしまう自分って・・・・。
戦後がどんなものなのか想像でしかわからないけど、今よりもっと女性が生きていくのに厳しい時代だったことは間違いないでしょう。
なんだか、観てるのが辛くなりました。
室田佐知子役の中谷美紀、田沼久子役の木村多江、鵜原憲一役の西島秀俊3人の過去が切なく胸に迫りました。
鵜原憲一の妻役の広末涼子は、私的に期待度が大変低かった為か、好演しているな~と思ったのですが。新妻の意地がよく出ていたかと思います。
姉に対するすまなさに押しつぶされそうな感じを、ちょっとしか出演してませんでしたが、崎本大海も好演していました。
あと、一見妻に冷淡そうな、鹿賀丈史も最後の最後に魅せてくれたと思います
中谷美紀も木村多江も期待どうりで間違いなし、でした。
みんなが内に秘めた思いがあって、話に奥行きが出していたように思います。
文句をつけるとすれば、ラスト近くの日本海での小船のシーン。
字幕で説明するのはいかがなものか、と。
音楽に関して、またラスト近くの「オンリー・ユー」がうるさかった。
いらないような気がする・・・。
ついでにエンディングロールの中島みゆきの主題歌。
最後まで曲は聞いたが合わないような気がする。あくまでこれは個人的意見ですが。
窓際の壁で刺されて殺された男が、翌朝、子供たちに発見されるシーンが、私は一番怖かったのですけど、みなさんは?(←ポイントずれてる?)
崖怖っ!
基本的に邦画はDVDでいいやと思ってる方なので、たまたま行く機会に恵まれなければ観なかったと思うし、全く期待も予備知識も無く観に行きました。
この時代がどんな時代だったのかなんて全く知らなかったけど、この映画は時代背景が忠実に再現され分かりやすかったと思う。あの時代の悲しい女の心情がよく表されて観ていてとても悲しくなった。
衣装なんかもレトロで可愛かった。後で小道具なんかもその時代の物を一つ一つ丁寧に忠実に再現したと聞いて驚いた。個人的には女優と言うよりも、あの時代を忠実に違和感なく再現したスタッフの人達の技に感動した。
内容はまぁ松本清張らしい作品だったと思う。ちなみに、中谷美紀怖すぎです。。。
日本海の寒さが~
映画を観ているうちに、原作を読んだことがあったと気がついた。
しかも、主演女優の役の読み方を間違えていた事にも。
情けない。
ちょっと広末涼子は迫力不足が目立ってしまったかな。
周りが力のある女優や俳優だらけだったから、これは仕方ないのかなあ。
松本清張らしく、次々と殺人が起こるストーリーで、
現実的には無理があると言う気もするが・・・。
日本海のイメージと同じく、寒々しい鑑賞感だった。
あるいは、これが狙いなのかもしれないけど。
刑事モノが得意のテレ朝ならもっと深くできたはず
初めて「日劇」
という映画館で鑑賞。
入口前では
在日外国人参政権の演説が行われている
物々しい雰囲気の中、私にしては珍しく
道や建物内で迷うことなく、劇場へ入りました(苦笑)
しかし
この時点では、
まさか作品の冒頭に
たまたま初めて訪れた
この日劇がでてくるなんて、
そんな不思議な縁に気づくはずもありませんでした。
★彡 ★彡
う~ん、テレビ朝日。
これなら、2時間2夜連続ドラマと変わらないんじゃないかな・・・。
まずは、鑑賞直後に
感じたことを一気に記します。
①大好きな犬童監督
映像にしても、音楽にしても、
映画の域に到達していない気がしてなりませんでした。
これなら、2時間2夜連続ドラマにしてしまったほうが、
後半、あんな無理をして謎解きを急ぐ必要もありませんし、
登場人物たちのバックボーンを、もっと掘り下げられた気がします。
サスペンスもののわりには、ネタが甘い気もしました。
謎解きよりも、戦後日本で、女性が生きていく艱難辛苦。
戦争が引き起こす暗部。そちらに重点を置いたのかもしれません。
ラストのクライマックスは、
さすが、一気に盛り上げるのが上手いです!
詳しくはネタバレになるので伏せますが、中谷さんの服を全身真っ白に
したのも、ある意味が込められていると、解釈しましたが、正解かな??
②超豪華な女優の顔ぶれ
他のレビュアーさんたちも書かれているとおり、
広末さんと中谷さん。どっちが主役かわかりませんでした。
ただ、
登場人物の性格を考えると、
中谷さん:アグレッシブ
広末さん:ディフェンシブ
この設定になりますので、広末さんのほうが主役っぽく
目立ってしまうと、作品全体のバランスが崩れてしまいます。
だから、中谷さんが主役っぽくなっているのが正解だと思いました。
木村さんは、キャスティング時点では
日本アカデミー最優秀主演女優賞を獲る前だったそうですが、
『ぐるりのこと。』を犬童監督鑑賞し主演女優賞を獲ると確信。
広末さん、中谷さんと互角にわたりあえると判断しオファーを出されたそうです。
出番は中盤以降に集中していましたが、
監督の期待に十分に応えられていました。
それにしても、
本当に薄幸な役が似合いますね。
もちろん、褒め言葉ですが(苦笑)
★彡 ★彡
作品冒頭に白黒画像が流れます。
これは、伏線として用いられたのですが、
その後、カラー映像に切り替わります。
白黒画像の人々に表情を感じなかったのに、
カラーになった途端、急に華やぐんです。衣装、振る舞い、
CGで時代考証は考えられていましたが、どうも時代のズレ、
違和感がぬぐえませんでした。この作風なら、あえて終盤の
中谷美紀さん最大の見せ場まで、白黒で行ききって、そこで
カラーに切り換えるという手法もありだったなかな、なんて気もしました。
どこかの作品で使われている手法ですけどね(苦笑)
今回、サービスデーに
1,000円で鑑賞しました。
1,800円は、ちょっと高いかもしれません。
韓国、名古屋、金沢、雪降る極寒の夜。
撮影はとても大変だったと察しますが、
力を注ぐ焦点が、少しずつずれてしまったのではないでしょうか。
昇天してしまうほどの酷さではありませんでしたが、
笑点なら、9枚ある座布団のうち5枚は持っていかれるでしょう。
よって評価は「B-」にしておきます。
期待し過ぎました
かなり期待して見た作品です。
率直な感想は…それなりに面白いんですが…原作が古いからなのか、話し自体が面白くない。『松本清張って名前を出せばいい』って感じみえみえで、ちょっとガッカリ。
この原作で面白くするのは至難の業ではないかと…
広末涼子をはじめとする俳優陣はとても良かったと思います。あと、映像がとても綺麗でした。
主役は中谷美紀で!
中谷美紀さんが素晴らしい。
というか、広末さんが中谷・木村の準主役の二人にくわれています。うむ。
中谷さんと木村さんの対峙するシーンが、この映画一番の見せ場だったかと思います。
男性陣が皆「脇役」に撤していました。
あっ殺人の理由がよくわからなかったです。なんで殺してしまったのでしょうか。
主役は、中谷美紀さんで良かったのでは?
映画的な味付けに芸がない
非常に丁寧に作られている。登場人物も整理されていて分かりやすい。ミステリーとしては単純だが、うまく時代背景に乗った話に仕上がった。
前半は、皆、怪しそうで、常套ながら出演者たちの持ち味が活かされている。中盤から犯人像が絞り込まれていくが、犯行の動機は依然はっきりせず、ラストで一気に解き明かす構成がいい。
気に入らないのは、事の成り行きを、語りだの字幕で処理してしまう手法だ。映画は、絵と音で表現するものであり、観るほうも馬鹿ではないのだから、状況で判断できる。そういう絵作りをするのが映画人の仕事。ナレーションやスーパーが多い映画は、説明っぽくて嫌いだ。せっかくの構成も、荒れ狂う北陸の海のような、観る者に迫る勢いが消失してしまった。
女優陣、魅力的だし、さすがに上手いが、お互いを意識しすぎか、やや力みが見えるところも。
昭和30年代の様子が上手く出ている。列車の揺れ具合など当時を思い出す。壁に貼られたホーロー看板やチラシは、やや整然とし過ぎて不自然。
余談だが、写真館が使うカメラのスリ硝子に投影される像は、正像ではなく、天地逆さまになるはず。また、当時の印画紙(写真)はバライタ紙であり、樹脂が含まれていないので、燃やしても化学的な色の炎にはならない。
断崖に柵を!
広末涼子の明るい声が,
今作の世界観に合っておらず浮いている印象・・・。
それでも,感情を抑えた演技は,
禎子の繊細な思いと強い愛を伝え,
見守りたい気持ちにさせ,悪くはなかった。
ラストの展開が安っぽくて残念。
禎子に新しい時代を託される締めにしてほしかったな。
北陸を舞台にした切ない愛情探しは,
女性たちの,感情の推移が悲しいドラマを際立たせ,
同時に,勝手な男たちの姿も浮かび上がり溜め息。
個々に存在感を発揮する三人の女優が,
全体的ないまいち感を払拭する印象を与えてくれた。
エンディングの中島みゆきの主題歌も良い。
実力派女優らが体現する『終わらない戦争』
『ヴィヨンの妻』で見事な表情を見せた広末涼子だが、本作での演技は一本調子でイマイチ。華はある女優さんだが、主演を務めるには……ウーム。
説明過多なナレーションも耳につき、彼女が1人で映画を引っ張る序盤はどうも気持ちが乗り切らない。
だが中谷美紀が登場した途端、映画全体がグッと引き締まる。役柄が乗り移ったかのような凄まじい演技は必見。
木村多江も他2人より短い出番ながら、最後の最後で見せ場をかっさらう見事な『泣き笑い』で魅せる。
「もはや戦後では無い」と声高に謳われた高度成長期の日本。希望に満ちた新たな時代を生きたいと願いつつも、戦争の影に苛まれ続けた人々の物語。
時代に翻弄された女達の末路が描かれる終盤の展開に泣いた。
だが、未だに戦争の影を引き摺っていただろうこの時代全体の悲しみまでは描ききれなかった感がある。
戦後の描写はあっても戦時中の描写が皆無なのだから。
例えば事件の軸である鵜原憲一の場合、従軍経験が彼の性格に影を落としているのは明らかだが、その過去は描かれない。そのため彼が取る行動の動機も弱く感じられた。
タイトル『ゼロの焦点』の意味は僕には掴めず終い。
この機会に原作も読んでみようかな。
推理小説のように
原作が推理小説なので、あたりまえですが、
推理小説のように物語が進んでいき、
トリックに気がついて、
その種が明かされるときに違っていないか心配になり、
で、思ったとおりで納得する。
そんな映画でした。
ひとりの男性とその男性との間になんらかの関係がある3人の女性
悲しいお話です。
なにがゼロで
なにが焦点か
エンドロールにいろいろ考えて納得します。
金沢の風景や方言、昭和30年代の街並みCGが各所にでてきます。
これは懐かしい。
ひとまずお勧めの映画です。
昭和のミステリー
「ゼロの焦点」そのものは50年前に書かれた
推理小説だけに、いかに松本清張原作とはいえ、
科学捜査の発達した現代の感覚からすると、
トリックやプロットの甘さは否めないと思います
が、時代劇の捕物帳を観るつもりで、割り切って
清張ワールドに浸りたいところです。
それでも、第二次世界大戦の傷跡や、米軍占領
時代の仇花といった昭和時代中頃の世相や風俗が
満載のスクリーンには、ミステリーやサスペンスと
してよりも、昭和と20世紀への懐古的な魅力を
強く感じました。
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