劇場公開日 2009年3月7日

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「現代医療の問題点に深いメス?!」ジェネラル・ルージュの凱旋 勝手な評論家さんの映画レビュー(感想・評価)

4.5現代医療の問題点に深いメス?!

2009年3月14日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

『チーム・バチスタの栄光』に続く、海堂尊の小説の映画化第二段。今回は、東城大学付属病院救命救急センターが舞台。センター長と業者の癒着のスキャンダルが、思わぬ方向へと進んでいきます。

当然ですが、田口が原作とは異なり女性となった設定は前回のままです。で、今回、田口(竹内結子)・白鳥(阿部寛)の凸凹コンビの調査の対象となった救命救急センター長速水晃一を演じるのが堺雅人。この堺雅人の演技、良いですねぇ。鬼気迫る雰囲気で救急救命行為を行う医師を非常に上手く演じています。って言うか、彼をイメージして海堂は原作に描いたのでは無いかと思うほどでした。

花房看護師長を演じるのは、羽田美智子。原作のイメージでは、もう少し厳しい人と言うイメージでしたが、映画では、凛とした雰囲気を持つ、有能な看護師を見事に演じていました。

それと、やっぱり、竹内結子と阿部寛は役者ですね。双方共に、非常にいい演技です。竹内結子って、なんであんなにいろんな役を演じられるんでしょうね?

医師と業者の癒着と言うことが今回のスキャンダルのトリガーになっているんですが、本質的問題として描こうとしたのは、救命救急センタースタッフたちの過酷な勤務状態と、導入が進まないドクターヘリなのではないでしょうか? どちらも、いまの日本の医療制度の中で問題になっていますから、医師と言う立場から海堂尊はどうしても語り掛けたかったのではないかと思います。

二作目と言うと、大概一作目よりも低い評価になりがちですが、これは必ずしもそのジンクスに当てはまりません。物語後半の病院を緊急事態に巻き込む大規模災害(火災)の描き方といい、非常に良い作品だと思いました。原作では、この『ジェネラル・ルージュの凱旋』と平行して『ナイチンゲールの沈黙』が進んでいるんですが、こちらの映画化はされるのでしょうか?

勝手な評論家