劇場公開日 2009年4月11日

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「もう少し公爵の気持ちも描いて欲しかった。」ある公爵夫人の生涯 ゆきだるまさんの映画レビュー(感想・評価)

2.0もう少し公爵の気持ちも描いて欲しかった。

2009年4月2日
鑑賞方法:試写会

悲しい

スペンサーという名前が語るように、キーラ・ナイトレー演じる主人公のジョージアナ・スペンサーは、
イギリスの故ダイアナ妃の直系のご先祖様。
こじつけのように見えなくもないけど、キレイで人気があるのに、夫とは上手くいかず、
お互いに不倫に走るあたりは、やはり故ダイアナ妃とダブります。

名家の公爵に嫁ぎ、新生活に期待する彼女ですが、夫からは
世継ぎとなる男子を産み良き母となることだけを求められ、
それ以外は一人の女性としての個性も必要ないような…。
生まれたのが女の子と分かると夫は不機嫌。
貴族の奥様に求められることは、今も昔も変らないのかもしれない。

自分が女だからなのか、とにかく公爵の非情なやり方に納得行かず
本当に憤りを覚えてしまい、途中ものすごくムカッとしてしまった。
お金や権力があれば、何をしてもいいと思っているようで、
今の世の中も男性の力が相変わらず強い面もあるけど
まだまだこの頃に比べたらマシだなと思えた。

最後になって ちょっとだけ公爵が本当は不器用なだけの
いい人なんだ的なシーンがあったけど、
なんだか公爵を悪者にしないようにと取ってつけたような感じがして、逆に興ざめ。
公爵の末裔からクレームでもあった?

最初から 公爵や友人リズがそれぞれ抱える問題とか、
葛藤とかをもっと掘り下げて描いていれば、
もっと厚みのあるストーリーになったのではないかと思う。

とにかく、ストーリーにはただ憤りを覚えるばかり。
後味も良く無くて、決して「また観たい」と思える映画ではありません。
これだけ自分の気分が悪くなったってことは、それだけ演技が
上手かったって事で、キャストも衣装も良いとは思うけど…
全体としての評価は申し訳ないけどあまりいい点がつけられません。

ゆきだるま