劇場公開日 2009年4月11日

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ある公爵夫人の生涯 : 映画評論・批評

2009年3月31日更新

2009年4月11日よりBunkamuraル・シネマ、銀座テアトルシネマ、テアトルタイムズスクエアほかにてロードショー

この映画の主人公を悲劇のヒロインとして見るのはちょっとひっかかる

キーラ演じるデボンシャー公爵夫人ジョージアナは、ダイアナ元皇太子妃の祖先。ロンドン社交界のファッション・リーダーで活発に政治活動もした元祖セレブリティだ。夫に愛されず結婚生活は不幸、その不満から不倫に走るところなど、ダイアナ妃と境遇が似ている。200年の時を経て、同じ一族の女性2人が似たような悲劇を繰り返したと言えばドラマチックな興味は盛り上がるが、この映画のジョージアナを悲劇のヒロインとして見るのはちょっとひっかかる。というより、彼女があまり可哀想に見えないのだ。

映画を見て驚くのは公爵家の財産と権力。女性には財産の相続権も選挙権もなかった時代に、ジョージアナは男でもできないほど好き勝手に行動をする。お金も使い放題。若くて美人で機転も利いたからメチャクチャもてる。毎日が楽しい。だから、夫がどんな人間なのか、観察も推量もしない。彼女の不幸は夫に愛されなかったからではなく、夫を知ろうとしなかったことにあるのではないか。そう思えてくるほどだ。確かにこの映画で描かれる公爵は性格が屈折しているが、その屈折の裏にある抑圧や本音を、映画の作り手もジョージアナも知ろうとしていない。公爵の葛藤を知ったときに彼女がどんな生き方を選んだか、そのドラマをむしろ見たかった。

(森山京子)

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