アラビアのロレンス 完全版のレビュー・感想・評価
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砂漠の壮大な物語
壮大な砂漠を舞台に一人の男の苦悩を描いた
アラブ民族を率いてトルコと戦ったイギリス将校ロレンス。
彼の奮闘、苦悩を壮大なアラビアの砂漠を背景にして描く。
序曲overtureでいきなり心を掴まれた。これから始まる壮大な世界へ雄大な砂漠へ一気に引き込んでくれたって
そして、なんと言ってもアラビアの砂漠の描写が良い👍
あたり一面砂漠、水もなかなか手に入らない、過酷な環境なのだが、空の青、夕日と相まって美しくも感じる。
また、ラクダで移動するロレンスを遠くから撮影し、画面に小さく時には点のように移すことで、アラビア砂漠の広大さ🏜というものが非常に強調されていると感じた。
アラブ人のためを思いとった行動、この砂漠こそ自分の居場所と思っていたのに、救われないラストには自分も打ちひしがれた気持ちになった。
4時間もあるのに、見終わったあと、もう一回見たいと思わせる凄さ。
こんな作品だと正直思わなかった。
前知識は持ってかなかったが、勝手に冒険スペクタクルだと…
史実を描きながら、それ以上に1人の人間の胸の内を描いた作品だった。
まず映画の冒頭で、ロレンスがマッチ棒を吹き消してから、夕陽をバックにした砂漠が漠然と現れるのが、めちゃ興奮した。これからここでなにがおきるんだ?っていうわくわく。
そしてそのなかでロードムービー的に繰り広げられるロレンスの旅。
しかし、ここで注目すべきなのは、国同士の関係や、幹部の思惑、そしてロレンスが何をしたか、ではなかった。彼の心情をずっと観客は考えるのだ。(最初にロレンスがどんな人物だったかというテーマから語られるのでそうなる)
そして彼は何も語らない。どんな表情をしても観客には彼の真意がわからない。ヒントとして与えられるのは、彼の周囲にいる者たちの憶測だけ。そしてきっと誰も彼の真意はわかっていない。だからこそ観客も考えるし、正解のない映画として楽しめるのかもしれない。
劇中、上司や敵のボスとかは割と本性で動いてるんだけど、(見栄や自分のプライドとか名誉を優先したり、常に利益を気にしている)ロレンスだけは、人への奉仕とか、生きることの本質だったりが見えている。でも砂漠に行ってから、裏切りや救えなかった命を目にすることで、自分の信念が揺らいでいくんだよなあ。これって意外と普遍的なことで、誰しも環境が変わると今まで持っていた概念を覆されたりすることが平気であるんだよね。そのとき人はどうなるのかって話だと思うんだけど、ロレンスの場合はどんどん衰弱していってしまって、最後には自分の魂なくなってしまってましたな… かわいそうに。
ここで思ったのは、ロレンスはずっと砂漠の民のために尽くしてきて、それが彼にとって“生きるということ”だったと思うんだけど、それが徐々にできなくなってしまってたんじゃないかな。誰かを救う事に意味はあるのかって葛藤と、自分の本能(心からしたいこと、今まで胸の内に秘めていた部分)が明らかになっていくに連れて、今までの自分じゃ保てなくなってきていた、というか…
辛い話ですよね、だからラストもあんな感じで。びっくりでした。4時間見続けて、スカッとさせてくれるわけじゃないんだなあ、と。そういうところもデヴィッドリーンは天才だと思う。
本来は自分探しの旅とか、心の旅とかで自分を発見したり、向き合ったりすると、人生がハッピーな方向に向かう気がするんですよね、(違うかな)でも彼の場合は違って、逆に追い詰められちゃってたのが印象的だった。でもそれって彼が悪いんですかね、社会が悪いんですかね。
この映画は、本当に繰り返し観れば彼に対する印象はどんどんかわっていくとおもうし、観る人によっても違いそう。
人類の宝。
もう10回近く観ているはずの「アラビアのロレンス」、これは映画館で観ないと意味がないので、午前十時の映画祭@TOHOシネマズ日本橋、満席の会場で観る。
もちろん、ストーリーやせりふ回し、シーンの数々はお馴染みで覚えているのだが、何度観ても新鮮。
約60年前に撮影された映画だが、技術が進歩した筈の現代でも絶対撮れない、何度も人類の宝というと陳腐だが、その言葉しかあてはまらない、驚異の映画である。
観なければ人生の損だと、真面目におもう。
ピーター・オトゥール、オマー・シャリフ、アンソニー・クイン、そしてアレック・ギネス、アンソニー・クェイル。。。
「風と共に去りぬ」の主人公4名と同様、鬼気迫る演技以上の、まさに、「そのもの」。
とても作り物の登場人物とは思えない。
そして、映画音楽史上最高の巨匠のひとり、モーリス・ジャールの名曲に彩られた「映像」。
砂漠の砂の上を風がさーっと、さらさらと舞い上がるその繊細さと、悠久の大地を映し出す圧倒的なスケールの映像、奇跡としか言いようがない。
そして、4時間観た後の、現代にも通じる人間の重たい宿命、そして今の中東情勢にまで至る、人類の歴史の宿命(さが)。
言葉では語りきれない、百聞は一見に如かず、とはまさにこのこと。
映画館で上映される度に、足を運びたい。
最後に、「アラビアのロレンス」と「ドクトル・ジバゴ」、この二作だけで、私にとって、デヴィッド・リーン監督は映画史上最高の巨匠である。
素晴らしい見世物映画
広大な砂漠の果てから現れるラクダとロレンス
紛うことなき傑作
これこそ映画の中の映画
プロジェクターで見なさい。
クライマックスだけでなく、全編に渡って大エキストラを使っており物凄いスペクタクル感を生み出している。まさに史上最大の巨編。
この映画には政治的歴史的背景があるので見る前に少し予習しておくとよいでしょう。ま、要はアラビア半島のオスマントルコからの独立をイギリスが支援するってワケですが。
この映画で語られている物語の後、サウジアラビアという国ができてイギリスと良好な関係を築きます。その後、石油ビジネス支配権がアメリカに移り現在もサウジとアメリカは親密な関係にあります。
シナリオ的には結構ちゃらんぽらんで「なんで、それで納得するの?」的な部分が多く、主人公の内面的感動も上手く描けていません。というか最後までジレンマを抱えたままです。ジレンマを描いただけになっちゃってます。でも、映画の壮大感や演出の力によって見ごたえのある、心に残る作品に仕上がっています。
大スペクタルとはこの事
・アラビアに派遣されたロレンスがそのたぐいまれなる才覚で群衆を率いていく
・圧倒的な砂漠のロケーション
・村まるごとや民族の大移動をロングショットでとらえる
・砂漠にひとり取り残された者のためにひとり道を引き返すロレンス、またその後裏切られるまさかの展開
・一時期午後のロードショーのオープニングに流れてたテーマソングが随所に流れる
・とにかく何かって言うと、らくだにのって爆走
この超大作、ようやく鑑賞。アラブの歴史を知っていたらさらに楽しめた...
中東問題な
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