MW ムウのレビュー・感想・評価
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狂気のテロリスト
もうちょっと丁寧に描いてくれればな。
幼少期にあんな地獄を見ていればそれは気も変になるだろう。
ただ方や狂気のテロリスト、方や敬虔な神父。
そこの差は何なのか。
もっと深くやってほしかった。
その上での行動。
とはいっても行動の目的がわからずじまい。
もっと深く丁寧に。
病原菌
オープニングの映像では何かの病原菌によって島中の人たちが感染し、それを焼却、虐殺へとなったのか。そして場面はタイにおける営利誘拐事件。結城はエリート銀行員の顔を持っているが、この事件の首謀者。まんまとタイ警察と警視庁の刑事・沢木(石橋)と出し抜いて目的を果たすが岡崎と娘を殺してしまう。そして舞台は日本・・・
結城の目的は島を全滅させた首謀者たちに復讐すること?最後にはそれすら理解不能になってゆくのだが、何しろテロリストとして世界を破滅に導く男になろうという心理状況がわからない。日本がアメリカとともにサリンの10倍以上の威力を持つ神経ガス“MW”を開発していたことを白日のもとに晒すという社会派のテーマも徐々に薄れていく演出。最もいけないのが、緊迫感のない垂れ流しの音楽。延々と葬送行進曲を聞かされている気分になるのだ。オープニング映像、誘拐事件、そして島で米軍アパッチに銃殺される石田ゆり子のシーン以外は全てカスみたいなものだった。原作は読んだことないけど、多分台無しにしているんだろう・・・
最後には生き残りの友人・がらい神父(山田)がMWとともに海へと墜落。ガスは水と反応して中和されるらしいから、証拠が残らなくなってしまう。そして、結城が生きていた!と、続編を匂わす展開ではあるけど、これじゃ無理だろ・・・
ラストが爽やかだった
細菌兵器、島から逃げ出した2人、という設定はおもしろい。
最後に主人公が生きていて、刑事をからかうところはクスッときた。
玉木宏が演じると人間味とか優しさが出てしまうので、凶悪犯には見えないところが残念。
玉木様の悪
玉木宏は悪役が似合いますね。
顔も声も表情もまるで悪役になるために生まれてきたのかと思うほどでした。
その反対に、山田さんはちょっと弱いかな。インパクトがなかったです。
原作は読んでないのですが、二人は愛し合ってるんですよね?そこがまったく感じられなかった。
あとMWはもっと恐怖の存在として描いたほうがわかりやすくないですか?
個人的には山本裕典くんを見に行ったつもりでしたが、玉木宏さんに様をつけるほどになってしまいました。
悪役の玉木宏が意外に良かった
僕は原作は未読なんですけど、
16年前に起きた全島民が死亡した事件を生き延びた2人が支え合いながらも対立するという設定は面白いですね。
玉木宏の結城美智雄という絶対的な悪役は、なかなか合ってました。
一方の賀来裕太郎役の山田孝之は、対立するキャラとしては弱かったですかね。これは本人の問題と言うよりは賀来の内面を描ききれなかった脚本の問題かもしれませんが。
アクション映画としてみると、最近の日本映画の中では、かなり良いと思います。オープニングの身代金受渡しのシーンからスピード感があったし、派手ではないですけど見応えがありました。
サスペンス映画としても結城を追う刑事を演じた石橋凌の存在感が光ってました。ホント、石橋さんってああいう役が合います。
残念だったのは、前半は丁寧にストーリーが描かれていたのが、いきなり後半に入って唐突な展開が増えたことですね。後半で展開を急がずに丁寧に最後まで描いていれば、もっと良い作品になったと思います。
ただ、ラストのまとめ方は良かったです。
原作の良さは反映されていないが、これはこれでヨシかな?
iPhoneの手塚治虫マンガビューワー(なんか毎週フリーで見れるやつ)で
MWが掲載されていて、結構おもしろかったので映画を見てみました。
原作のMWは、ユウキが主人公を常に慕っている感じなのですが、
映画版だと、その断片は見れるものの、最終的には う~ん という感じがしました。
あとは、同性愛の部分は前面に出していないので、ちょっと安心しましたが、
原作ならではのダーク部分はなんとか伝わったかなっていう感じです。
タイで撮影されていて、自分も知っているような有名どころが
出てきたので「わぁ~☆」と思いましたが、結果的には「なんでタイで撮影なんだ?」と、
必要性は疑問でした。
殺されたタイの駐在員(だったかな?)ですが、一般的にタイでは
駐在員というのはポジションもステータスも高いのですが、そういう部分とか
階級社会である部分とかも、映画の中で表現できてたら、もっと
「タイで撮影しました!」っていう感じが出て良かったと思います。
どうでもいいですが、玉木宏、山田孝之はカッコ良かったです。
映画だけでは人間関係が読み取れない
玉木宏がとにかく格好良く綺麗に撮られている作品でした。
というより、見終わった後にそれしか印象に残らない作品、という。
公開前に「美しきダークヒーローな玉木宏!」的な宣伝文句が多々舞っていたので、そういう意味では宣伝通りでしたが、手塚治虫の原作を映画化、というにはまだまだ全然及ばないと思いました。
何より、一番表現してほしい結城と賀来の人間的な関係性が殆ど描かれていないため、二人のあの矛盾した関係性がわからないし、また結城と賀来の人物設定(原作では賀来が結構年上だったりするのに)も変えられてしまっていて、キャストありきで映画化したのかな~と思ってしまいました。
冒頭のタイでのカーチェイスシーンは良かったは良かったのですが、そこはそんなに重要じゃない割に長くて、結局飽きてしまって最後のほうがつまらない、ご都合主義展開に見えました。
同性愛描写はしないにしても、他の変えてはいけない部分を変えてしまっているように思いました。
原作がモンスター。
これに先立って放映されたTVドラマを観たので、
これは忘れないうちに^^;劇場へ行かなければ!と出かけた。
手塚治虫の原作はぜんぜん知らなかったが、なにやら
ものすごい内容だった事をあとで知った。うへぇ~!これは、
映画版じゃ(悪いけど)表現できてなかったんじゃなかろうか。
玉木くんが演じる殺人モンスターは、いい。
これは何をどう描こうが、変えようのないキャラなのだろう。
TV版でチラリと恐ろしさを魅せただけでも、映画版は容赦ない。
これでもかと凄惨な事件を引き起こす彼は、今の好感度?を
俳優として新たな存在感に変えようと模索しているんだろうか。
それに引き換え、神父役の山田くん、どうにも勿体ない(爆)
完全にミスキャストと化してしまった。(彼のせいじゃなく)
神父には見えないし(汗)彼の抱える苦悩の描き方が中途半端、
さらに原作を踏まえて?彼の人間性を妖艶に?描いたお蔭で
ますますワケの分からん役どころになってしまった。
見せ場もなければ、最後まで必要性を感じさせない残念さだ。
こんな山田くんを見られる映画も珍しいかも…^^;
物語の方は、さすがに凄い世界観だと思う。
あの時代にこんな話を描いていたこと自体、やはり天才だ。。
恐ろしい事件の背景にある破壊と祈り。ごく普通の子供が
なぜ悪魔のようなモンスターと化してしまったかを克明に描き、
復讐を自他を含めた世界滅亡へと導こうとする心の変遷を、
(毒ガスが原因とはいえ)感情移入できない程の残忍性で示す。
思い出したくもないが、あの忌まわしい毒ガス事件を思い出す。
何であんな事件を引き起こせるのかと、疑問で仕方なかったが、
その残忍性が、今では普通に横行している気がしてならない。
「誰でもよかった」なんて、あり得ない言葉が平気で口をつく。
彼の生誕祝にタイムリーなテーマを持ってきたものの、
中途半端に見せられるものと描けないものを混ぜてしまって、
残忍性が際立つだけの、勿体ない仕上がりになってしまった。
(石田ゆり子も可哀相だった。報われない正義ってなんだろう。)
玉木宏は潜水艦のほうがよかった
復讐が主目的であるはずが、関係の無い人も簡単に殺害してしまうことにかなり違和感を感じましたね。本来、復讐が目的であれば、その殺害者、犯人に対して感情移入して味方をするもんだが、この玉木宏の役は少々違ってます。
始まり方は良く非常に期待できる予感がしたのですが、
その後は、期待に反した感じがしました。
ひとつひとつの造りももうひとつ深みを感じられないな~。
特にラストの15分くらいの展開はあまりにも安直すぎるし。
事前に期待しすぎるとろくな事がないというのが今回もあたってしまいました。
やはり玉木宏は潜水艦のときのほうが良かったですね。
美しきモンスターになった動機
一番重要な、玉木宏が犯罪を重ねていく動機の描写が希薄だったように思います。
動機候補は以下。
1:MWに親族を殺害されたため、その責任者大臣・関係者に対する復讐
2:自身の『渇きがおさまらない』ため少しでもそれを紛らわすための犯罪
3:MWを各国に売却、金銭の獲得と人類に対する復讐
3 については、終盤、墜落しそうな輸送機のなか極限状態での、
山田孝之とのやり取りのため一番本音に近いはずですが、
なんだか風呂敷広げすぎ、荒唐無稽な印象で、にわかに信用できない。
1は、一番の責任者である大臣を殺すタイミングはいくらでもあったのに殺さなかったことで、
これも違う(エンディングでも殺しのデモンストレーションだけはしたけど殺さない)。
なので、自分の解釈としては2の『快楽殺人犯』に近いタイプ、がしっくりきます。
そういった点でみると、刑事の殺害の仕方が秀逸で、
助けようとした善意の人が最後の致命傷を与え死に追いやる。
結果、善意で行動した人間を立ち直れない精神状態にし、
被害者、加害者2人同時に殺害したような効果にさせる。
しかも、善意の人が神父であるところも救われなさを倍増させており、
快楽殺人犯の面目躍如というところ。
途中、玉木宏の目の色が赤く変わる場面(モンスター変身?)もあり
『偏執狂細マッチョ美青年』役にベストの配役でした。
また、殺害シーンの映像も派手で(許せるグロテスク)目を奪われました。(石田ゆり子素敵)
全体としては、突っ込みどころ満載ではありましたが(事前放送TV版は駄=C)、終わってみれば、上映中ストーリーに引き込まれ緊張がとぎれることなく、音楽も全編にわたり効果的で(音楽は最高評価A+)なかなか楽しめました。
美しいの意味が現れていない
原作のボリュームを厳選してここまでまとめて、ストーリー展開できたのは見事。事前情報のない観客にも理解できると思う。
ただ1点、美しきダークヒーローの結城役に「美しい」と形容詞をつけた意味が反映されていないため、悪役度合が狭まったように思う。MWに口を閉ざす男たちの娘や孫やただの女たちを、美しさを利用してガンガン誘惑しそしてあっさり殺していくところが描けていないと、「美しく」ある意味がない。賀来との同性愛のために美しかったわけではないはずだ。冒頭の一人殺したぐらい、美しくなくてもできる内容だと思う。
玉木宏の新境地。NON-STOP ACTION CINEMA.
自分は手塚治氏の原作を読んでいないので、何の先入観も持たずに観ることができた。
原作はおよそ30年前のもの。
だが、それを現代に置きかえても何ら違和感も覚えなかった。
むしろ“地下鉄サリン事件”や“9.11”を思わせるような(場面もあり)現代にも起こり得るの事なのではなかろうか?とさえ思われた。
原作では結城と賀来の同性愛だとか、新聞記者が男性であるとか諸々の違いはあるようだが、それはそれとして、非常に完成度の高い作品に仕上がっていると思う。
ただ、確かに、賀来神父役の山田孝之にはやはり年若いためか「神父」としての貫禄が見られず、ミスキャストだったのでは?とは思ったが・・・。
冒頭、Bangkokで起こる誘拐事件で玉木扮する結城美智雄、その真骨頂を見せ付けられた気がする。
役作りのためにウェイトコントロールをした様だが、そのシャープな身体つき、面立ちに正しく冷酷無比で頭の切れる結城がぴたりと嵌っていた。
対する石橋凌扮する沢木一之は、幾つもの修羅場を潜り抜けてきた叩き上げらしい、どこまでもしつこく「ホシ」を追い詰めてゆくベテラン敏腕刑事の姿を偉観なく発揮し、その存在感を知らしめており、この仰っけからのBangkokでの誘拐劇のシーンに惹きつけられた。
圧倒的に玉木だけに(心情としても映像としても)焦点を置き、その姿を追い、撮影し続け、その特出した異様な性格や行動を弥が上にも知らしめようとしているのが判る。
玉木はその期待通りに役を演じきった。
今公開中の「真夏のオリオン」や「ウォーターボーイズ」「ただ、君を愛している」やTVドラマ「篤姫」「鹿男あをによし」「のだめカンタービレ」(シネマ公開も近いが)でこれまで見てきた所謂『スマートな二枚目』『好青年』『真摯で真面目な青年』の殻をぶち破り、悪役・悪魔になりきっていた。
「どんなに人を殺しても、喉が渇くんだよ」というセリフは非常に結城を表す象徴的なもの。
撮影もさすがにL.Aで腕をふるい日本でも「世界の中心で、愛をさけぶ」などを手がけてきたカメラマンだけのことはある。
躍動感に満ち満ちており、生き生きとした迫力のある映像だった。
そして、音楽もまたストーリー展開とマッチしており、時には迫り来るその『事態』への静かな興奮を、時にはviolenceに、と終止一貫して「MW」なるものの異様さを湛えた構成になっていた。
ラスト、結城美智雄が米国軍基地で兵隊たちに取り囲まれるシーンも本物のTHAILANDの軍隊で銃も本物。
少しもぶれることなく銃を構える姿にrealityが無いわけがない。
岩本監督のこの作品への入れ込み様が窺い知れるというもの。
上映前に買ったアイスコーヒーの氷が溶けても、容器に水滴がびっしり付いても上映中にそれを手に取り口に運び飲むことが出来なかった。
一口も飲めなかった。
それほどまでにこの作品にのめり込み、引き込まれた。
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