「舞台に忠実な映画仕立て。良くも悪くも。」マンマ・ミーア! CAMAさんの映画レビュー(感想・評価)
舞台に忠実な映画仕立て。良くも悪くも。
昨年ブロードウェイで舞台を見て、話はもちろん知ってたんですが(で、実はそんなにおもしろくもなかったんですが・・)、あのメリル・ストリープが主演のドナ役をやるっていうんで、昨年からかなり気になっていた作品です。
見た感想としては、「ミュージカルそのまんま」です。いくつか抜けてたシーンもあったように思いますが、歌もダンスも舞台とそっくり同じ。確か監督が舞台版と同じ人なんだよね。だから、ブロードウェイまで行ってわざわざ舞台見なくても、この映画見れば十分です。それくらい、舞台に忠実に作ってるし、ある意味で映画のほうがディテールがはっきりしているのでおもしろいかも。
しかし、やっぱりこの映画、そもそもの脚本が無理あるんだよねえ。もちろんABBAの曲を無理矢理つなげたのでそうなったってのもあるんだけど、曲の良さだけでもってるようなミュージカルで、ストーリーとしてはほとんど見るモノはなし。ただ、誰でもハッピーになれる、って意味では爽快な青春ミュージカルです。こんな脳天気な話も昨今珍しいくらいの。
で、それはともかく、すごいのはやっぱりメリル・ストリープです。この人、この前「プラダを着た悪魔」で、意地悪ばあさん的な役にドはまりだったのに、今度ははっちゃけ母さん役で、ミュージカルやっちゃうんだから、この人の芸の幅広さには本当脱帽します。ドナが僕のイメージよりもやっぱり老けて見えるのは仕方ないんだろうけど、歌も相当頑張ってるし、コメディも十分いける演技を持ってます。すごい! とにかくメリル・ストリープを見に行くだけでも、十分に価値がある映画だと思います。作品自体の出来はともかくとして。でも、ミュージカル原作映画としては、舞台に忠実だし、よくできてますよ。原作の舞台自体がまあアレなわけですが。。。