劇場公開日 2009年1月30日

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マンマ・ミーア! : 映画評論・批評

2009年1月20日更新

2009年1月30日より日劇1ほかにてロードショー

よくも悪くも舞台のままだが、この素朴さが味

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この舞台版はABBAの曲をミュージカル・ナンバーとして用い、世界中の人々を熱狂させて大ヒット。ブロードウェイやウエストエンドでは、もう観客席総立ち、踊りまくりという、娯楽ミュージカルの模範的作品だ。

映画化にあたっては、舞台版で制作・脚本・演出を手がけた女性チームがそのまま登板。果たして映画は、よくも悪くも舞台まんまの印象を与えることに。映像的な創意には乏しく、演出はやたらと大味で垢抜けない。しかし、この素朴さが味なのだ。なんといってもABBAのノーテンキなナンバーが始まると、否応なしに乗せられてしまう! この作品の勝因は、わかりやすくて快活なABBAの曲とミュージカル・コメディ、この幸せな結婚にあるんだなあと、つくづく思うのだ。

とはいえ、映画ならではのお楽しみも実は豊富。ギリシャのエーゲ海に浮かぶ小島が舞台であれば、風景や海の美しさは普通に撮っただけでも強いもの。そして、映画スターの神通力!

60歳近いとは思えないメリル・ストリープが歌い踊り、すごいハシャギっぷりを披露してくれるだけで、いいものを見たって気になれる。ピアース・ブロスナンがド下手な歌を歌うのが面白い(若い頃の姿も見せ、ラストには歌謡ショーまで!)。新星、アマンダ・セイフライドは歌がうまくてかわいいし、オバサンたちはパワフル&欲望に忠実で、キャラの立ち方が痛快そのもの。このちょっと強引なノリに素直に従えれば、「ああー、楽しかった」と心から思えるはずだ。

若林ゆり

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