「本作を観ずにMCUを語るなかれ」アイアンマン クリッターさんの映画レビュー(感想・評価)
本作を観ずにMCUを語るなかれ
これだけを観た時は、まさかここまでビッガーな世界観が展開され、名実共にモンスターシリーズになると誰が思っただろうか。
この作品だけ観ればありふれた現代を舞台にしたヒーロー映画だと思われるが、遥か遠方の地の氷の下に超人兵士が眠ってたり、空を見渡せば宇宙に神々の国があったり、スター・ウォーズ並に宇宙人がゴロゴロいる惑星がたくさんあったりととにかく今改めて観ると実に新鮮で想像が尽きない。
正直言うと初めてTVで観た時は、確かにスーツはトランスフォーマーばりにカッコいいが、皆が言うほどそんなに面白いか?とそんなにのめり込めなかった。
今でもその気持ちは少しだけある。
だが、アベンジャーズ1作目が公開されて予習でDVDで観て最後のフューリーとの会話シーンを観た時、「アチャー…こりゃやっちまったぜ。なぜもっと早くちゃんと観なかったんだろう」と映画ファンとして後悔してしまった。(よく覚えてないのだがTV初放送の時、フューリーのシーンは流れてなかったような気が…多分…。)
ストーリー自体はヒーローらしくよくある王道展開だが(このストーリー展開が当時の自分にはあまり響かなかったけど。)この映画の最大の魅力は2つある。
1つは言わずもがなトニー・スターク。
演じるのはロバート・ダウニー・Jr.。
まるで「こいつが出るまでアイアンマンは映画化しないぜ!!」と言わんばかりに
キャラと役者が完璧なまでに融合してる。
アイアンマンをやるためにロバートはこの世に生を授けたのかと大袈裟ながらに思うw。
またトニーは基本、成金ヒャッハー野郎(特に序盤)なのでヒーローやれるような性格してねぇだろと言うのも中々に面白い。(実はこれが当時観た時にのめり込めなかった最大の理由だったりする。)
そんな彼が自身が経営する会社の武器が悪者に悪用されてると知るや否や、すぐに武器の製造を中止し、「世界や人々のために何をすべきか」、パワードスーツの開発を通して自力で道を切り開いていくのが、彼ならではの唯一無二の特別なオリジンなのだ。
そしてもう1つはパワードスーツ、と言うか過程。
序盤のテロ集団に捕まり、アイアンマンMark1を作って逃亡する計画過程を見て引き込まれたらもうこの映画の魔法にかかってると断言できる。
その後も自宅でトニーはスーツ開発に没頭するが、テスト起動、専門用語、知識の連発、スーツに内蔵された様々な装備、機能、ディスプレイととにかく作る過程がまぁ男心にユニ・ビームをガンガン撃ってくる訳で。
あのスーツは男のロマンその物だ。
これだけで十二分に元は取れるしたらふくになる。
そして最後のトニーの台詞とフューリーのシーン。
「私がアイアンマンだ。」
「君にアベンジャーズの話をしに来た。」
アベンジャーズレジェンドはここから高らかに始まる。
本作を観ずしてマーベル・シネマティック・ユニバースを語るなかれ。