マンデラの名もなき看守
劇場公開日 2008年5月17日
解説
南アフリカ初の黒人大統領となったネルソン・マンデラの知られざる若き日々を、「ペレ」「愛の風景」の名匠ビレ・アウグストが映画化。反政府運動の指導者として27年間に渡り獄中生活を強いられながらも希望を持ち続けたマンデラの姿を、彼との交流の中で美しい魂を取り戻していく白人看守の視点から描き出す。マンデラ役に大ヒットTVシリーズ「24」のデニス・ヘイスバート、白人看守役に「恋におちたシェイクスピア」のジョセフ・ファインズ。
2007年製作/117分/フランス・ドイツ・ベルギー・イタリア・南アフリカ合作
原題:Goodbye Bafana
配給:ギャガ・コミュニケーションズ
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アパルトヘイトって、たかだか20年前の話なのよね。
こんなバカな理屈(法律)が、ほんの20年前までまかり通っていたなんて。
マンデラを演じるにはデニス・ヘイスバートはガタイが良すぎるけど、静かで強い映画でした。
2020年11月30日
Androidアプリから投稿
看守の妻は、当初は黒人を「テロリスト」「白人を追い出そうとしている」と、心底嫌い、いや憎んでいる。
実際、この妻がそうした感情を持っていたワケでなく、映画として、当時の市民感情を「代弁」させたのだろう。
そうした彼女がマンデラの話を聞くうちに、だんだんと黒人よりになっていく姿が描かれていく。
最近ニュースで「ブラック・ライズ・マター」(黒人の生命も大事だ)について聞くことが多い。
米国事情は詳しくないが、本作が描いているのも、実は南アフリカではなく、米国だと思えてきた。
米国の白人(白人至上主義者ほど極端でなくても、黒人に多少なりとも差別感情のあるヒト)は、この作品の看守の妻のような感情を持っているのでは。
「白人を追い出そうとしてる」と。
だからこそ、人種差別感情を隠そうともせず、むしろ煽るトランプ氏が支持されるのだろう。
「白人の国を取り戻してくれるのは、トランプだけだ!」と。
この作品は10年以上前だが、米大統領選挙前の差別問題を見るにつけ、作品の描いた「差別」は普遍的なモノだと思う。
そう、ラグビーワールドカップ南アフリカ大会のマンデラ。孤独から生み出された寛容のオーラーに包まれた天使のマンデラ。憎悪からは何者も生まれないと言い放った男の謎。憎しみによって生まれる連帯、一体感ほど空しいものはない。頭の中では分かっている。しかし、憎しみは共感を呼びまるで強い絆が生まれたような高揚感に包まれる。獄中のマンデラもそうだったんだ。実は、ホントは、ちょっとだけ安心したんだ。マンデラも普通の人であったことに・・・・。
しかし、この看守の行動には驚かされた。当時の南アフリカの社会のなかで、このようなマンデラ擁護的な行動がとれたということが、ある意味不思議だった。黒人は人ではなく家畜だと心底信じていた人間とその家族たち。何が変えたのかは、この映画では粗をされていないような気がした。僕が見逃しただけなのかもしれないが、それが残念なだけだ。
2020年9月22日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD
個人的には、インビクタスに続いて2作品目となるネルソン・マンデラの映画。
彼の服役人生の後半に密に関わりを持ったひとりの看守にフォーカスした脚本で、
差別をしきらない思想の葛藤が伺える。
史実としてこういうことがあったと学ぶ分には面白かったが、
構成やセリフに強く印象が残ったものはなかった。
もう一度見るならインビクタスかなぁ。
ラグビーという娯楽を軸に動いているから緊張や興奮があったというのもあるが。
これは淡々と進み、白人はこういう考えで行動だったのか
と、知識として取り込むものにすぎなかった。
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