黒い家(2007)
劇場公開日 2008年4月5日
解説
保険会社の査定員ジュノは、自殺でも保険金は支払われるのかという相談電話を受ける。数日後、全く面識のない顧客チュンベの家に名指しで呼び出された彼は、チュンベの義理の息子が首吊り自殺しているのを発見。チュンベによる保険金殺人を疑ったジュノは警察に通報し、会社に保険金の支払いを保留するよう報告するが……。日本でも森田芳光監督により映画化された貴志祐介のホラー小説を韓国で映画化。主演は「甘い人生」のファン・ジョンミン。
2007年製作/104分/R15+/韓国・日本合作
原題:The Black House
配給:角川映画
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2021年8月10日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD
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原作が好きなので、まあそれを越える内容は無いなと思った。
ホラー小説の中でもかなり上位の話だと思うので。
とはいえ日本のものと比べると全然良かった。
でもソシオパスの女は大竹しのぶの方がらしかったかな。
この話の女の怖さは、スプラッターなどに出てくる凶悪で
超暴力で大騒ぎするのと違い無表情で淡々と襲ってくるところにある。
女が過去に前の夫や子供を保険金にかけて殺害しているという描写が
あったが結構サラッと進んでたな。原作で演出的に恐ろしいシーンで
あったと思うけど。
ほんと日常の仕事風景からある日突然保険金殺人の疑い→嫌がらせ
→もしかして他にも?→ソシオパスって過程は徐々に恐怖が盛り上がって
こわい。
女が旦那に指、腕、命の順に保険を取ろうというのはめっちゃ怖いよね。
足は悪いし細いから弱そうなんだけどなんの躊躇もなく刺しそうな感じが
ちょっと居そうな感じで怖かった。
最後の女の人間はみんな同じだ!っていうセリフは主人公に共感を
求めるものなので、それはちょっと違うかなーっと思った。
そこはあくまでも共感ではなく邪魔者を排除するというスタンスを
守ってほしかったかな。またラストの落ちていくシーンも
自分から落ちていくのも悪党らしさがなくて、なんか物悲しさを
残すのは筋違いな気がしてちょっと興醒めした。
痛覚描写に凝る程に底深いはずの本論の不気味が薄まる感。
何処か素っ頓狂な可愛げが寧ろ不気味を補強した森田芳光版の方が格段に良い。
2020年9月21日
Androidアプリから投稿
貴志祐介の小説も読みました。
日本映画の「黒い家」も見ました。
やはり日本映画は韓国映画には勝てないと感じました。
とにかく脚本、役者、どれを取っても素晴らしいし怖かった。
小説の世界と同じ底知れない恐怖の世界を体験させてくれました。
日本版の映画を見るなら韓国版をオススメします。
日本版は中途半端で正直面白くないです(涙)
3.5.
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自宅にて鑑賞。原題"검은집(英題"Black House")"、貴志祐介原作による邦画『黒い家('99)』の韓流リメイク作。全篇に亘り、元作よりもタイトに絞った印象で、ユーモアな息抜きが一切影を潜めたより張り詰めた緊迫感に溢れ、ホラー色が色濃く強調されている。更に幼少期の弟の死がトラウマとなり、人と社会の関り方がウエイトを占めるプロットに大きく変更されている。痛い描写もしっかり追加されており、クライマックスはよりスリリングで衝撃的に変更されている。元作と比較するよりも別物として観るべし。70/100点。
・元作と較べると、“トンプ生命”社内で上司等とのユーモラスな遣り取りが割愛され、K.ソヒョン演じる恋人“チャン・ミナ”やJ.インギの“オ”刑事をメインとした警察との折衝やコンファレンスが繰り返され、登場人物が減った分、人間関係が密に描かれている。ボウリングや水泳、寂れた地方都市と云った小道具は使われず、消火器は同じ様な扱い、そしてブランコがクローズアップされ、ラストに直結する重要なアイテムとして登場している。
・社会不適合な犯人を“人と関ってはいけない怪物”として突き放す一方、それでも人間であると歩み寄り、手を差し伸べる温かな救いの目線も折り込まれている。総じて元作よりも、よりヒューマニズムに重きを置き、追求した内容となっている……以上、やはりリメイク元の邦画と比較すると、違ったテーマが浮き彫りとなり、並列に扱うのがナンセンスに思える。
・前半の虐げられ、媚びた様な侘し気な表情と後半の一転した偏執的な輝きに満ち溢れた“シン・イファ”のユソン、そして一見頼りなげだが鬱屈した憤懣を貯めてそうな“チョン・ジュノ”のH.ジョンミン、この異彩を放つ演技達者な二人が居て成り立つ作品であろう。ところで幼少期の“シン・イファ”を演じたP.ソヨン、垂れ目で可愛かった。
・鑑賞日:2017年3月31日(金)
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