「ロボット同士のラブストーリー?」ウォーリー SAOSHIーTONYさんの映画レビュー(感想・評価)
ロボット同士のラブストーリー?
いきなりですが、この映画をこれから観ようと思っている方へ一つ注意をしなければなりません。それは、本編が始まる前に栄養ドリンクかコーヒーを飲んでいただく事です。なぜなら、この作品のはじめの20分~30分の間はかなり眠くなることでしょう!夢の世界へと行ってしまう人もいれば、天国へ行ってしまう人もいるかもしれません。(笑)
舞台は今から700年後の世界。
人間が居なくなった地球で太陽熱の力を借りて動き続けているゴミ処理ロボット・ウォーリーのもとにある日スペースシャトルが降り立ち、そこに乗っていたイヴという女性ロボットと知り合い、そこから、彼らの壮大な冒険が始まります。
注目はCGによって施された手の込んだ演出、作品が伝えようとしている大切なメッセージそして、ウォーリーとイヴのラブストーリーです。(正直、私には深い絆で結ばれた姉と弟のような関係にしか見えませんでしたが・・・。)
今回もあのピクサーが製作しただけに映像には並々ならぬこだわりを感じました。特にウォーリーとイヴの表情やリアクションが凄くリアルで人間的だったのが最高でした。ラストでウォーリーの動きが完全に止まってしまったときのイヴ表情が非常に印象的でした。いくらCGで作られているとはいえあの切ない表情はハリウッド女優でもなかなか出せないのではないでしょうか?あの顔を思い出すだけでもなんだか胸が締め付けられます。
しかし、素晴らしい映像のオンパレードで終わらないのがピクサー!本作でもちゃんとしたストーリーが待っていました。環境についての警告や悪徳企業に対する注意といったシリアスなテーマを独自のユーモアを交えながら描いています。「ハッピー フィート」のように変に真面目になろうとしないのも特長です。また「シュレック」以外のドリームワークスアニメ作品(「カンフー パンダ」「ビー ムービー」等)のような娯楽性を重視した作品と比べ、スケールが大きくより高い目標を達成しようとしているのが伺えます。
この作品が「ファインディング ニモ」より面白いかと言われると微妙な感じはしますが、私は素晴らしい作品だと思います。