レッドクリフ Part Iのレビュー・感想・評価
全93件中、21~40件目を表示
知恵と勇気…血湧き肉躍る決戦への助走
"レッドクリフ" 二部作第1部。
NHK BSプレミアム「プレミアムシネマ」で2回目の鑑賞(吹替)。
「三国志」は横山光輝のマンガ版を読了済み。
日本語吹替版は冒頭にダイジェストがついているため、「三国志」を知らない人でも観易くなっているのが好印象だ。
冒頭から血湧き肉躍るアクションシーンが展開し、劉備軍の将軍たち並びに孔明の紹介を兼ねた構成が素晴らしい。
人物紹介の妙は呉の面子にも。周瑜と孔明の出会い、孫権の決断、周瑜と小喬の愛と云ったドラマに胸が熱くなる。
本作のハイライト、八卦の陣を用いた戦いは周瑜と孔明の策の興味深さ、曹操軍がまんまと嵌まる痛快さ、張飛、関羽、趙雲のダイナミックなアクションが相まって興奮した。
仁と義の下、団結した男たちが大いなる勢力を誇る悪漢・曹操に立ち向かう構図は勧善懲悪で分かり易く、小が大に立ち向かうシチュエーションによって、劉備・孫権連合軍への感情移入が容易で気持ちが昂る。クライマックスへの期待を盛り上げまくり、パート2へ繋げるラストシーンが良かった。
[余談]
尚香がとても良いキャラだ。気性の激しい女傑ながら、繊細で柔らかな面もある。枠に嵌まらない奔放さで戦場を駆ける姿のなんとカッコ良いことか。惚れ惚れとさせられた。
[以降の鑑賞記録]
2025/05/24:Blu-ray(吹替)
※リライト(2025/05/24)
完全に2本で1作
豪華キャスト!知略に富んだ戦いは迫力満点!
わかりやすくカッコ良い
三國志好き向けのアクション映画
ジョン・ウー印の歴史スペクタクル
オープニングから鳥。
そして、ジョン・ウー作品のどこかでみた、布にくるまれた赤ん坊を救出するスペクタクル。このあとも趙雲こそが武将の中で一番かっこよく描かれている。
さらに、決戦前の白い鳩の羽ばたき。白い鳩はその後も孔明の伝書鳩として大活躍する。
このようにジョン・ウーの過去の作品を観てきた者からするとおなじみのアイコンが随所に示されている。しかし、彼の作品と聞いて観客が期待するようなアクションがここにあるだろうか。
彼の作品であることを示す意匠が数多くちりばめられているにもかかわらず、物足りなさを感じるのは拳銃が用いられないという理由だけではあるまい。なるほど、八卦の陣のアクション・シーンは立体的な空間の描写も素晴らしい。
しかし、刀剣や槍での戦闘シーンが単調なのは否めない。カンフー映画のようなアクションを封印して、欧米の歴史スペクタクルばりの殺陣を繰り広げている意図は分からないでもない。しかし、日本や中国の観客がそれを求めているのだろうか。確かに土臭さのない、洗練われたスペクタクルにはなった。アジア圏が世界に向けて誇ることの出来る素晴らしいキャストも相まって、欧米市場に通用する大作となった。だがしかし、足元の東アジアの観客にもう少しサービスして欲しかった。
面白い
外れない!戦略的!
三国志という設定を使用した架空の娯楽活劇
総合:65点
ストーリー: 55
キャスト: 70
演出: 65
ビジュアル: 85
音楽: 70
三国志が好きな自分としてはかなり興味がある作品だった。
だがこの作品は三国志演義を基にして曹操を完全に悪者として描いていて、そのあたりはあまりにはっきりと白黒つけすぎている。
架空の物語である小説や演義だけで飽き足らず、歴史書である正史三国志も読んで曹操の優秀さや彼の果たした役割も含めて彼のこともかなり好きな自分としては、このような描き方は納得しかねる。本当の曹操という人物からは程遠いだろうし、そんなに悪いだけの人物を敵役にしてはかえってその凄さが削がれていて不自然だろうし、物語としても盛り上がりにくい。
また関羽や趙雲といった主人公側の登場人物の戦闘を劇的に一方的にかっこよくしすぎている部分があり、昔ながらの古い形式の時代劇という演出も気になる。
音楽に詳しかった周瑜という歴史的事実を取り入れたかったのだろうが、調練中の周瑜の軍勢の近くで子供がわざわざ笛を吹き、それを調練で多忙を極める周瑜が優しく音程を直してやる。さらにその父親だか誰かの牛が盗まれたというのを戦を前に多忙の将軍の周瑜が聞きつけてそれをわざわざ探し出そうとするとか、そのあたりもべたすぎてかなりくさくて呆れる。往診に来た獣医じゃあるまいし、わざわざ命懸けの交渉にやってきた諸葛亮が周瑜の陣営で難産の馬のお産を手伝うなんてのも馬鹿げている。あえてこんなくだらない場面をいくつも入れて時間をかける必要があるかな。
これらの主人公側の登場人物がいかに優秀で善良であることを描くための演出としては、あまりに古すぎてつまらなすぎる。そのようなこじんまりとしたどうでもよいうえに「そんな馬鹿な」的な美談的な話がところどころで挟まれているのは、中国の時代劇らしいといえばそれまでだが、これでは中心となる話の大きな流れを削いでいる。ただ三国志という歴史を追及した映画というよりも、三国志という設定を利用した娯楽としての時代物活劇として作られているみたいなので、これはこれで仕方がないのだろうと諦めるしかない。
中国ではいまだに馬鹿丸出しの日本兵を悪者にして、善良で勇敢な中国人が登場して彼らをやっつけるという単純すぎる勧善懲悪劇がテレビで人気だというが、この作品でもそのような流れがところどころに垣間見れる。絶対善と絶対悪の戦いで絶対善が勝つという、古臭くてあり得ない単純構造が気に入らない。
しかしいい部分もあり、衣装や美術は良く出来ていてたいしたものだし、人海戦術で大規模な動員をして迫力のある軍勢の物量作戦は中国らしい。かなり金のかかっている作品というのがすぐにわかるし、これは素晴らしいかった。さらにそのようなものを映し出す撮影方法もなかなかのもの。また一本の映画にするにはあまりに壮大な三国志において、最大の激戦であり大きな歴史の転換点となった赤壁の戦いだけに焦点を当てた作品にまとめたのは良い判断だった。
ジョン・ウー^^b
ハリウッドとも邦画とも違う、独特の演出
続編が待ち遠しい
まず物語の背景を説明する必要がある。また主要人物だけでも10人を超える。彼らを紹介しつつ、それぞれに見せ場を作らねばならない。さらに、80万の勢力に対して僅か2万の兵でいかに戦うのか、その奇策の片鱗も描かねばならないとあっては、145分の長尺といえど、さすがに前後編に分けるしかないだろう。前編の今作は、「赤壁の戦い」のプロローグでしかない。
諸葛孔明に金城武・・・観るまではミスキャストかと思われたが、これがなかなかに巧い。孔明と周瑜が互いを認め合い、知恵を競い合うやりとりは見ていて小気味よく、またユーモラスだ。
ジョン・ウー監督の画作りは野暮ったいところもあるが、壮大さと緊迫感はよく出ている。岩城太郎の音楽がかなり効いているといえる。
多勢対無勢の戦話はいつの世でも面白い。後編は来年4月の公開。待ち遠しい。
ジョン・ウーの心意気に共感
全93件中、21~40件目を表示













