「【三國志の壮大な中華戦国絵巻実写化作品パート1。強大な曹操軍に対し、劉備軍の天才軍師・諸葛亮孔明が孫権との同盟を進言し、孫権軍の司令官周瑜と孔明は「八卦の陣」で陸の戦いに臨んで行くのである。】」レッドクリフ Part I NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【三國志の壮大な中華戦国絵巻実写化作品パート1。強大な曹操軍に対し、劉備軍の天才軍師・諸葛亮孔明が孫権との同盟を進言し、孫権軍の司令官周瑜と孔明は「八卦の陣」で陸の戦いに臨んで行くのである。】
■西暦208年。
天下統一をもくろむ曹操(チャン・フォンイー)は、劉備軍を征討すべく大軍を率いて奇襲する。
なんとか逃げ延びた劉備軍の大将劉備(ユウ・ヨン)及び諸葛亮軍師・孔明(金城武)。劉備の妻は井戸に身を投げるが、趙雲(フー・ジュン)が、ギリギリ阿斗を助ける。
孔明は曹操を共通の敵とする孫権(チャン・チェン)との同盟を劉備に進言、自ら使者として赴く。
そこで孫権軍の司令官、周瑜(トニー・レオン)と体面した孔明は、互いに琴を弾き想いを共にするのである。
ー 私は小学生時代から「三國志」を愛読して来た。吉川英治、柴田錬三郎版を夢中になって読み、更には横山光輝の漫画「三国志」も図書館で借りて読んだモノである。
ジョン・ウー監督が三國志を実写化すると知った際には、あの大作をどうするのかと思ったが、彼の名監督は三國志の中でも有名な”赤壁の戦い”をメインに据えたと知った時には成程と感心したモノである。ー
◆感想<Caution!内容に触れています。>
・何度目かの鑑賞であるが、矢張りキャスティングの妙に唸らされる。
特に諸葛亮孔明を演じた金城武と、周瑜を演じたトニー・レオン。そして、曹操を演じたチャン・フォンイーである。因みに、チャン・フォンイーは何度観ても、ミスターマリックに見えてしまうのだが、策士っぽくて良いのである。
・周瑜の美しすぎる妻小喬(リン・チーリン)と、周瑜が愛し合うシーンは気品高く描かれており、良い。
曹操が、小喬を手に入れるために戦を起こしたという設定も、曹操の”何でも欲しいモノは手に入れる”と言う傲慢さを感じさせて、良い。だが、故に曹操は孤独であり、三國志演技でも大悪党として描かれるのである。
私は、曹操は孤独な名君だと思っているのだが。
■今作の見せ場は多数あれど、
1.将としての自信が無かった孫権が、部下や諸葛亮孔明と共に狩に出るシーン。孫権を虎が襲うが、彼はその虎を曹操に見立て矢で撃ち殺すシーン。
2.孫権の男勝りの妹尚香(ヴィッキー・チャオ)が、見事な馬の扱いで、将達を驚かすシーンと、勇猛果敢に戦場に駆けて行く姿。
3.一番の見せ場は、赤壁の戦いの前の曹操軍との陸上戦のシーンである。孔明が仕掛けた「八卦の陣」で劉備と孫権の連合軍が曹操軍を蹴散らすシーンは大迫力であり、関羽(バーサンジャプ)と張飛(ザン・ジンシェン)の超絶凄い戦闘シーンは、見応え充分である。
<愈々、赤壁の戦いである。長江に浮かぶ劉備と孫権の連合軍の10倍はあると言われた曹操の大船軍に対し、諸葛亮孔明は如何なる策で対応するのであろうか。
今作は、「キングダム」シリーズが好きな方なら嵌るだろう中華歴史大絵巻なのである。>