ミルク

劇場公開日:

ミルク

解説

同性愛者であることを公表した上で、米国史上初めて公職に就いた政治家ハービー・ミルクの半生を描いた伝記ドラマ。1970年代のサンフランシスコ。生来の人柄でゲイやヒッピーたちに慕われる同性愛者のミルクは、マイノリティに対する権利と機会の平等を求め、世間の差別や偏見と戦いながら市制執行委員会の選挙に立候補する。第81回アカデミー賞では、主演男優賞(ショーン・ペン)、オリジナル脚本賞を受賞。監督は「エレファント」のガス・バン・サント。

2008年製作/128分/アメリカ
原題または英題:Milk
配給:ピックス
劇場公開日:2009年4月18日

スタッフ・キャスト

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受賞歴

第66回 ゴールデングローブ賞(2009年)

ノミネート

最優秀主演男優賞(ドラマ) ショーン・ペン
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映画レビュー

4.0幻のトム様主演作?

2022年7月5日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

悲しい

知的

監督のインタビュー記事で、監督がこの映画を最初構想した時、トム様と、ペン氏に、監督が書いた脚本を送ったと読んだ。リコメンドしなかったので、うやむやになってしまった。この映画の脚本ができたときに、ペン氏に声をかけて、この映画の制作がスタートしたとか。  もし、うやむやにならずに、トム様が演じていたら…。『7月4日に生まれて』とか、他の政治家を演じていらっしゃる映画みたいになったのか? 見てみたかった気もする。 とはいうものの、ペン氏の演技。引き込まれる。 ☆彡 ☆彡 ☆彡 物量にものを言わせたロシアの侵攻。 これから世界はどうなっていくのだろう。  こんな時こそ、マイノリティの権利擁護にまい進したミルク氏のような存在・生き方がとっても必要になるのではないか。学ぶことが多いのではないか。  なんて改めて思う。 やっと同性婚をUSAは認めたが、だから彼らの苦しみがなくなったとは言い切れない。  近年「ありのままの~」という歌が流行ったが、”ありのままの自分”を自分でも受け入れ、周りにも受け入れてもらうこと。それは、LGBTの方々でなくとも難しい。  事実婚という選択肢もある。「愛さえあれば~」それもまた事実。  元気な時はそれでいい。でも、悲しいけれど上向きの人生ばかりじゃない。病気の時は?死んだ時に葬式を取り仕切るのは?墓は?誰と人生を分かち合うのか、誰と最期を迎えるのか、誰に最期を任せるのか。  SEXばかりじゃない。誰を人生・生活のパートナーとするのか。生き方の問題なのだ。 同性愛者だとカミングアウトした上で公職に就いた人物を描いた映画。 選挙当選までは、共感するところと、拒否感が出ているところと半々…。  男同士のラブだからというわけじゃない。知り合ってすぐに体の関係になるの?とっかえひっかえパートナーが変わるの?そんな刹那的なところに拒否感。  とはいえ、スコット氏はずっとハ―ヴェイ氏を支え続けた。だのに、やがて来るすれ違い。切ない。  時代的にも、開き直っているようで、でも、お互いの関係が、自分自身が同性愛という自分を受け入れたくて、でも受け入れられずにという葛藤が続いているからか、どこかずっとイライラした感じが根底に流れていて、観ているこっちも、ラブラブカップルを祝福と共に見守るという感じにはならなかった。  同性愛という自分は認めたい、でもそれを家族や社会は手放しで受け入れてくれるわけではない。本当は四方八方皆から祝福されたいのに、そうではない自分。ハ―ヴェイ氏達の元に集まってきた面々はどこかお互い傷をなめ合うようで、それでいて孤高の狼みたいで。そんな不安定な関係性が、孤独が胸をチクチクする。  人は一人では生きていけない。家族も友達も捨てた。目の前の恋人しかいない。しがみつくか、すぐに別の相手を見つけるかになってしまうのだろうか。周りから理解を得られる異性愛しか知らない身としては、だったら余計に目の前の恋人を大事にしなさいって言いたくなるけど、幼い時からの周りとのつながり、世間から認められるつながりがある身とは根本的に違うのだろう。  世間からの暴力にも胸が潰される。  そんな不安を振り切る、エネルギーに変えるかのような選挙活動。 でも、当選してからのハ―ヴェイ氏の行動には目を見開かされる。  LGBT(自分達)の為だけに権利を主張して働いたのかと思っていたら、すべてのマイノリティのために、その持てる力を使っていく。  つい、僻み根性出してもっともっとと自分の権利の主張だけしたくなるのが人間なのに。自分達の権利主張だけでも精一杯なはずなのに。分かち合いができるとはなんて心が強いんだ。  その有能性が悲劇を読んでしまうところがあまりにも悲しい。  もし彼が老年まで政治活動を行っていたら世界はどう動いていたんだろう。もし・・・なんて考えること自体が虚しいのだけれど。 実話の映画化なので、カタルシスが起こるようなスカッとした展開ではない。 幸せなカップルを祝福と共に堪能して幸せ感に浸れる映画でもない。 各役者の演技とか、実在の人物の生きざまに共感できると面白いし、心を揺さぶられる。そうでないと「つまらない」になってしまう。 とはいうものの、自分の生き様、社会について考えるきっかけを与えてくれる映画。 ぜひ皆に観てほしい。 「弱者に希望を」  今こそ、この言葉の意味を問い直すべきだ。  「現金給付をすればいい」そんな暗愚な発想しかできない政治家。現金給付って、公然の賄賂じゃないか。そこに、未来へつながる希望はあるのか? 命を懸けた信念。今の日本の議員にはあるのだろうか?  ブランドとしての、数合わせの議員が多い日本。選挙に行く人が少ない、政治離れの要因は、この映画にあるような魅力ある政策・国民が真に必要な政策を実施できる力をもつ人がいないからだろう。  統計の数字だけを見て議論する議員たち。その統計の基になっている一人一人の生き様には目も向けない。  ミルク氏のような政治家が出てきてほしい。心から願ってしまう。

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とみいじょん

4.0悲劇

2022年7月4日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

同性愛として活動していた。 なぜ、最後がこうなってしまうのか? 悲しい結末でした💧💧

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April

3.5ショーンペン恐るべし

2022年6月12日
iPhoneアプリから投稿

この人の演技やっぱり好きです。 個人的に差別的な考えはあまりないつもりですが 映画界であからさまに人種や性について多様性入れてますよとアピールした配役や脚本になっていくことが好きじゃないなと思い、LGBTQについて色々調ていたのでタイミング的に観ました。 純粋に、今受け入れられるものを始めた人が偉大だと感じた映画でした。 ミルクが市長に言った 権力を持った同性愛者か というセリフが胸に刺さりました。 やっぱり人は弱者の時代があったとしても権力を持つと少なからず変わってしまうんだな と多分テーマと外れた部分が自分の感じた感想です。

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ボタもち

3.0ご注意

2022年5月21日
PCから投稿

今大流行の主題に対する関心の有無によって評価は大きく異なります。 有る人は絶賛し、無い人には何ら訴えない、制作年度を考えても一種の「運動映画」です。 主題には触れずに映画として評価すると、良くも悪くもペン選手の圧倒的演技に感心する作品で、脚本、演出に特筆すべき点はありません。70年代らしい雰囲気を出すための粗い画面とベタ照明には工夫を感じましたが。 この手の伝記映画はマルコムXやJエドガー同様、同国人には超有名人なので説明を省くことが多く、他国人には???のことがしばしばです。 この作品でいえば、ミルクの直前にSF市長も暗殺されるシーンが省かれてます。 故にWIKIなんかで調べてから観るのが、作った人に対する礼儀でしょう。 尚、ホモシーンが多いので耐性に自信のない人はご注意。

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越後屋