「You are freak just like me. 完全敗北!世の中をひっくり返したダークナイト第二章。」ダークナイト アキ爺さんの映画レビュー(感想・評価)
You are freak just like me. 完全敗北!世の中をひっくり返したダークナイト第二章。
多くの映画ファンが(特に男子)が認めるように「ダークナイト」はこれまでのアメコミ映画をひっくり返したエポックメイキングな作品です。脚本、演技、アクションと、まーとにかく何処を切り取ってもスゴいとしか言いようがない。
ホント脚本考えた人性格悪いですわ(笑)。結果としては主人公バットマンの敗北で幕を閉じる終わり方は衝撃的でした。というかジョーカー頭良すぎー!!常に二手、三手先を読んで行動しています。ジョーカーが攻めて、バットマンが盛り返したと思ったらジョーカーに覆されて、更に追い討ちをかけられて・・・今作ではバットマン、ボロボロです。レイチェルとハービー・デントとの選択の場面では、捕まってる場所を逆に教えるとかホントにジョーカー悪知恵が働くというか。レイチェル助けに行ったつもりがデントだったって、バットマン、マジがっくりだよ!
唯一ジョーカーの誤算だったのはフェリーの爆破なんですが、あれ一般客の方は多数決で相手側を爆破するって決めてるんですよね。でも自分が人の命を奪うとなると結局出来ない。人の良心を描いてる反面、民主主義の脆さもあぶり出しています。
更に言うと、ずっと「不殺」をモットーにしてきたバットマンは今作で最終的にハービー・デントを殺すに至ってます。ハービーを悪落ちさせるのもジョーカーの企みだったのですが、仕方ないにせよ殺人を犯してしまったバットマンはここでもジョーカーに敗北しているんですよね。結局自分の信念を通せなかったという。しかも殺した相手は自分の仲間だった人物・・・ラストシーンでバットマン自身が罪を被る事で僅かながらに正義の題目を保った形ですが、何だかんだでジョーカーさん圧勝です。
このジョーカーを演じたヒース・レジャーはその後亡くなった事もあって魂を込めてる感じの演技です。どんなアンチでもヒース・レジャーの演技には魅せられるでしょう。アルフレッド役のマイケル・ケインはヒース・レジャーのジョーカーを一目観た時からその狂気にうち震えたとコメントを残しています。以前にジョーカーを演じたジャック・ニコルソンからは余りジョーカーという役にハマり過ぎないよう忠告を受けていたそうです。既に経験豊富だったジャック・ニコルソンは生還できて、28歳という若さだったヒース・レジャーは魂を持っていかれたと感じずにはいられません。
どうしてもジョーカーばかりがクローズアップされがちですが、アクションシーンもやってる事異常です。実写にこだわったクリストファー・ノーラン監督。例えば18輪トレーラーが180度ひっくり返るシーン。あれを実際に街の中で撮ってると知って驚きました。トレーラーも街並みもCGじゃないんですね、あれ。昼間は普通に営業しているオフィス街の道路を夜通行止めにして撮影したらしいのですが、あんなんちょっと計算狂ってトレーラーが斜めに飛んだりしたらオフィスに突っ込んで大惨事ですよ!「朝、出勤したらひっくり返ったトレーラーがオフィスに突っ込んでグチャグチャでした」なんて可能性もあったわけで。想像するだけでゾッとします。病院をガチで爆破したシーンといい、時間的には少ししかない場面にもこだわりを見せ、本気で撮影したクリストファー・ノーランはやっぱり頭おかしい(いい意味で)。
長い映画の割りに最後はハッピーエンドにならないので観るには気力体力が必要になってきますが、映画史に残る一作なのは間違いありません。こういう作品がアメコミ原作から作られるって事にアメコミの奥の深さを感じます。「アメコミの枠に捕らえられない作品」というより、実はアメコミはそれだけ深いんですよー!そんなアメコミに映画が追い付いたという方が正しいと思われます。何だかんだで女性にはお勧めできないにせよ、誰しも一度は観て損はない作品です。
再観賞
2020/7/24 IMAX
アキ爺さん
コメントへの返信有難うございます。
悪意に満ちた感情を呼び起こし台詞を吐く、自身の負の感情と向き合う作業なのでしょうね。
ヒース・レジャーの哀しみを見ているようでした。
こころさん、コメントありがとうございました。
ホント役者さんってスゴいですよね。ヒース・レジャーは魂までどっぷりジョーカーに漬かってしまってる感じです。役になりきれるのも才能ですけど、ヒースは確実に才能に溢れていましたよね。惜しい俳優さんを亡くしてしまったと思います。
Talismanさん、コメントありがとうございました。
なんだかんだでアメコミも歴史が長いですしね。バットマンが始まったのは1939年‼️80年以上もやってれば軽い話から深い物語まで様々なストーリーがあっても当然と言えば当然ですよね?
CBさん、コメントありがとうございました。
2隻の船のシーンはドキドキする名シーンですよね。ストーリー考えた人スゴい‼️
ヒース・レジャーは本当に惜しいと思います。「ジョーカー」を演じる怖さがありますよね。
> 一般客の方は多数決で相手側を爆破するって決めてるんですよね
あそこは、ホントに緊張しました。
> ジャック・ニコルソンからは余りジョーカーという役にハマり過ぎないよう忠告を受けていたそうです
怖いエピソードですね。
たなかなかなかさん、コメントありがとうございます。
アメコミ「キリングジョーク」は確かにジョーカーの覚醒シーンやクライマックスはインパクトありますよね!でもゴードンとバーバラが不憫で・・・
ゴードンが「ジョーカーには法の裁きを受けさせる」って言ってたのは男前や!っと思ったのですが、それに対してバットマン、お前・・・っとなりました。
アキ爺様
コメントありがとうございます😊
ヒース・レジャー当時28歳!若すぎる!
本当に伝説に名を残したと思います!
僕は『キリングジョーク』大好きです!確かにダークですが、クライマックスのやり取り、クールすぎて痺れます⚡️