ワルキューレのレビュー・感想・評価
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興味深い歴史の断片を見せてくれて興味大も、トム・クルーズ演じる主人公には魅力を感じなかった。
ブライアン・シンガー 監督による2008年製作(120分)のアメリカ映画。
原題:Valkyrie、配給:東宝東和、劇場公開日:2009年3月20日。
幾つかのヒトラー暗殺失敗は知っていたが、この様な大規模な計画があったことを恥ずかしながら知らず、かなり史実に忠実でも有るらしく、大いなる興味を持って見ることが出来た。
ヒトラーの暗殺未遂者のトム・クルーズが演じたシュタウフェンベルク大佐は、現代ドイツでは英雄扱いらしい。ただ、映画を見ての印象は、用意周到さ、ひいては知力・執念が足らない育ちの良いボンボンの印象で、あまり魅力を感じなかった。トムクルーズの演技プラン、もしくは演出に少なからずの問題ありとは思った。
爆弾2個を用意していたのに、何故あっさりと1個で良いと言ってしまったのか?何故、ヒトラーの安否を確認できる方法論を事前に設定しなかったのか?暗殺失敗に備えて、何故ヒトラーからの直接司令の電話を遮断出来る様にしなかったのか?演じてたのがハンサムすぎるトム・クルーズということもマイナスに働いてか、主人公のつめの甘さが強く印象に残ってしまった。
まあ史実だから仕方が無いのだが、所詮成功出来なかった計画とは思ってしまった。ドイツを憂う善良な人間たちだったが、巨悪を倒すために必要な冷徹な力量が足りてなかったなと。
あと、当初右往左往していたのに、ヒトラーが生きているということが明確になって、力を握る人びとが雪崩を打ってクーデター阻止に動くさまが印象に残った。日本の独裁者とは次元の違う当時のヒトラーが持っていたカリスマ性の様なものを感じてしまった。
日本ではどうであっったか?調べてみると、東条英機暗殺の計画もあったらしい。ただ、戦争後かなり経ってからで、東條退陣となり立ち消えになったらしい。
監督ブライアン・シンガー、脚本クリストファー・マッカリー ネイサン・アレクサンダー、製作ブライアン・シンガー クリストファー・マッカリー ギルバート・アドラー、製作総指揮
クリス・リー ケン・カミンズ 、ダニエル・M・シャイダー、 ドワイト・C・シェアー マーク・シャピロ、撮影ニュートン・トーマス・シーゲル、音楽・編集ジョン・オットマン、美術リリー・キルバート。
シュタウフェンベルク大佐トム・クルーズ、ヘニング・フォン・トレスコウ少将ケネス・ブラナー、オルブリヒト将軍ビル・ナイ、フロム将軍トム・ウィルキンソン、ニーナ・フォン・シュタウフェンベルクカリス・ファン・ハウテン、オットー・エルンスト・レーマー少佐トーマス・クレッチマン、ルートヴィヒ・ベックテレンス・スタンプ、エーリッヒ・フェルギーベル将軍エディ・イザード、ケビン・マクナリー、メルツ・フォン・クヴィルンハイム大佐クリスチャン・ベルケル、ヴェルナー・フォン・ヘフテン中尉ジェイミー・パーカー
デビッド・バンバー、トム・ホランダー、デビッド・スコフィールド、ケネス・クランハム
ハリナ・ライン、ベルナー・ダーエン、ハーベイ・フリードマン。
トム・クルーズ大好きだが、、、
2008(日本は2009)年公開、米独合作。
監督:ブライアン・シンガー
脚本:クリストファー・マッカリー、ネイサン・アレクサンダー
トム・クルーズが、ヒトラー暗殺の実行者である、クラウス・フォン・シュタウフェンベルク参謀大佐を演じた。
史実に即した作品であるため、さすがのトム・クルーズも不死身というわけにはいかない。
全編、英語で貫くのも潔いが、ややリアルさから遠ざかる。
貴族の家柄であるシュタウフェンベルクは職業軍人だ。元々はヒトラーをドイツ軍復興の英雄として支持していたが、ユダヤ人迫害を機に疑問を持ち始め、「水晶の夜」を経て完全な反ヒトラーになった。
わたしは、トム・クルーズが大好きなのだが、
本作はトム・クルーズの良さが出ていない。
トム・クルーズは、機知に富んだスパイ役に向いているが、貴族出身の暗殺者には適さない。
アクション映画が主要なステージであるためか、動きに重みがない。
ホンモノの大佐に見えない、
変装した大佐に見えるのだ。
◆ホンモノのシュタウフェンベルクはアフリカで戦死しており、イギリスが送り込んだ整形したスパイが暗殺を仕掛けた
なんていうストーリーならトム・クルーズ一択だった。
本作は、ヒトラーの不死伝説を作り上げた、有名な「7月20日事件」を映画化したもの。
『ワルキューレ作戦』自体は、暗殺計画とは関係なく、ドイツ国内に多数存在した外国人捕虜などが一斉に反乱行動を起こした場合に備えた一連の警備計画の名称だ。
この警備計画を利用したクーデターが、「7月20日事件」である。
親ヒトラーか、反ヒトラーか。
みな狡猾に様子を見ており、本心を明かさない。
実にリアルだ。
個人的に好きなのは、
警護大隊「グロースドイチュラント」司令官であったオットー・エルンスト・レーマー少佐がゲッベルスの逮捕に向かうシーンだ。
事実に忠実に構成されているが、ドラマチックだ。
彼は事件後、二階級特進して大佐になっている。
歴史ものとしてシナリオは及第点、
軍用装備などリアルに徹していて素晴らしい。
唯一、キャスティングに疑問あり。
ゆえに、☆3.5
タイトルなし
史実に忠実な話し
後情報を見ると、けっこう酷評みたい。
自分的には存在すら知らなかった暗殺計画を、ただ淡々と史実に基づいて知識として得られたので、面白かった。
観終わった後、史実が気になりネットで色々調べてしまった。
同じ目的で集まった仲間でも、それぞれの人間の弱さが出ていたり、その点も見どころ。
史実で失敗することはわかって観ているので、その結果に向かって進んで行くのを映像で見ていると胸が痛む。
Wikipediaによると、フロムによってシュタウフェンブルクは軍服などを着たまま、軍人として埋葬されていたのを、ヒムラーによって掘り起こされて勲章などを剥奪されて火葬されて、遺灰は野原にばら撒かれたらしい。切ない…。
白黒写真でしか見てないけど、シュタウフェンブルクはけっこう顔がトムクルーズに似てる感じなのね。
ナチス政権の再現度は評価できるし、キャスティングも実在した人物に寄...
アメリカ人による
英語での台詞云々は置いておいて。トムクルーズが何故この作品を作ったのか考えたらやはり、(こんなドイツ人もいたんだ。)を世に知らしめたかったことだと思う。実際、私は知らなかった。以前あの爆発のシーンを違う作品で観た記憶があるが、他の記憶が曖昧でこの事実が残っていなかった。
大概の作品では、
ドイツ=ナチス=残虐に描かれているが、当時の軍人や一般市民の中には憤りを持っていた人は少なくなかった筈。『シンドラーのリスト』のシンドラーとは少し違うが狂っていないまともなドイツ人がたくさんいて自国の正常化の為には命も顧みず行動にうつす人達を記憶に留めて欲しいという願いが込められていると思う。
ドイツ以外の国が作ることで必要以上の美化もなく冷静な思いで作られた作品となっているかと思う。
追記
本サイトではアメリカ🇺🇸制作となっており調べましたらやはりドイツ🇩🇪との合作でした。ただ、記載されている監督脚本家撮影監督プロデューサー皆アメリカ🇺🇸でした。
wikiでこの大佐は、反ナチとしてドイツ🇩🇪国民に人気があったこと。熱心なカトリック教徒だったことが記されていました。
しかし、トム•クルーズは、サイエントロジーというドイツ🇩🇪国民の印象としては悪質なカルト入信者である為、大佐本人の息子も含めドイツ🇩🇪国民から拒否反応があったようです。
本監督はできるだけ実際の建物等を使って撮影してましたが、ドイツ🇩🇪は、国防軍関連施設での撮影許可せず2ヶ月後に撮影内容に今ある民主主義国家としてのドイツ🇩🇪を描く条件で許可されたようです。
ヒトラー暗殺計画。かなり事実に忠実に作られているようだ。こんなこと...
信念
シュタウフェンブルク大佐の強い信念がスゴかったから観ていて暗殺は成功してほしいと思ったが、実話だからそうはいかない。
ヒトラーが登場する映画は多いが、あの髪形と口髭でみんな似る。
自由と正義と名誉のために抵抗し命を捨てた者
この事件は、知っていたが、この事件をクローズアップした映画は初めて...
身命を賭して
予備軍参謀長シュタウフェンベルク大佐をトム・クルーズが演じる。
ヒトラー独裁下で、身命を賭して決断し実行していく彼らの姿が胸に迫る。
ーヒトラーは全世界の敵であり、ドイツの敵でもある
NHK-BSを録画にて鑑賞 (字幕版)
畑中少佐と重ねて
いつものトムとは違う史実の魅力
『トップガン マーヴェリック』を観て以降、以前のトム・クルーズが主演映画を再度鑑賞することが多くなっている。それだけ、彼の作品はストーリーだけでなく、彼自身の演技にも魅了される。今回は、第二次世界大戦のドイツが舞台。史実に基ずく、あのヒットラー暗殺計画を題材にした、戦争サスペンス。
第二次世界大戦でヨーロッパを恐怖に陥れたナチス・ドイツ。しかし、猛威を振るっていたナチスも、次第に戦況が不利になり、ドイツ内の上層部でもヒットラーの独裁政権に、『否』を感じる者が現れる。そして、世界平和の為にもヒットラーの暗殺を企てる者も増える中、1944年7月20日に起こった暗殺事件を、本作では描いている。結果的に、暗殺は失敗に終わるが、9か月後にヒットラーを自決に追い込む引き金となった事件の主導者である、戦地で片目と片腕を失った将校・シュタウンフェルベルクをトム・クルーズが演じている。
ナチスドイツというと、ユダヤ人の大量虐殺、ヒットラーによる独裁政権と、歴史の負の遺産として認識している。しかし、その上層部には、ヒットラーに対して嫌悪を抱く者もおり、世界平和を祈る者も存在した事を知らしめる作品となった。しかし、そこは独裁者政権下。暗殺事件までの経緯として、いかに取り巻きを同志につけていくか?緊迫感のある緻密な作戦とは?など、手に汗握る臨場感が伝わってくる。
主演のトムだが、最近はどうしても、『MIシリーズ』や『トップガン』のように激しいアクションを期待してしまうが、本作では、最初に戦闘シーンもあるものの、そちらは抑え気味。むしろ、世界平和の為に、ヒットラー失脚への強い決意と作戦を束ねていく行動力のある、実在した人物としての演技に魅了され、共感した。
というのも、現在においても、ロシアのウクライナ侵攻の主導者でもあるプーチンとヒットラーが、重なって見えたから。最近のプーチンの映像をみると、ヒットラーに通じる狂気的な様相が見られる。NATOとしては、直接手を下すことは難しい以上、ロシア内部から、本作のような声を上げていくことが、プーチン降ろしと共に、全く不易なこの争いを集結することになるのかもしれない。
今だからこそ…
祖国への葛藤、
最後のヒトラー暗殺計画
トム・クルーズよりもケネス・プラナーやビル・ナイの静かで表情豊かな演技のほうが印象に残った。さすがに序盤のアフリカでの空爆シーンは迫力もあり、アクションならやっぱりトム・クルーズ。失った手首や指が痛々しい・・・
全体的にはドイツ軍の中にも良心を持った軍人がいた!といったストーリーで、その計画も憎しみのためだけではなく、このまま独裁がすすめばドイツが崩壊してしまうことを恐れた故の信念に基づく計画だった。あれだけ至近距離にいるヒトラーに対して銃撃することもできたであろうが、爆破によって暗殺し、その上でSSがクーデターを起こすと仮定した。それを予備軍が抑え込んで軍を掌握するというもの。
ヒトラーが愛したワーグナーの「ワルキューレの騎行」をモチーフに立てられたワルキューレ作戦。既存の鎮圧作戦を逆に利用してしまう大胆さ。ところどころに穴があったものの、シュタウフェンベルク大佐の暴発とも思える行為によってスリリングに描かれていた。
まぁ、一種のクーデターなんだろうけど、ヨーロッパ各地で無血革命で成功していったところは胸が熱くなる。さらに将軍といった地位の軍人までもが保身を考えずに計画に突き進んでいった点にも感動できるはず。現代の日本の政治家なんて利権や保身ばかりだからなぁ・・・
【”彼”以外のドイツ人もいた・・” 国の行く末を憂い、行動を起こしたクラウス・フォン・シュタウフェンベルク大佐及び他の勇士達の姿を描いた作品。】
ー 冒頭は、ドイツ軍将校たちが英語を話している事に違和感を覚えるが、脳内から違和感を払拭して鑑賞。
そして、この映画で、ブライアン・シンガー監督や、製作総指揮のトム・クルーズが伝えたかったことが、途中から十分に伝わって来たから・・。ー
■印象的な事
・実話を基にした今作(改編部分はかなりあります。)、クラウス・フォン・シュタウフェンベルク大佐を演じたトム・クルーズ始め、オルブリフト将軍を演じたビル・ナイ、トレスコワ将軍を演じたケネス・ブラナー達の、「ワルキューレ作戦」を決死の思いで、完遂しようとする姿。
全員が、団結しているわけではなく、判断を躊躇うオルブリフト将軍の姿が、リアル感を増している。
・1944年7月10日 作戦決行前に妻や子を車で逃がすシュタウフェンベルク大佐の姿。一度は車が発車するが、直ぐに止まり、妻ニーナが駆け戻り、大佐にキスをする姿。
- もう、会えないかもしれない・・。-
・一度の失敗を経て、”狼の巣”で、仕掛けた爆弾は爆発するが・・。
◆ヒトラー暗殺計画は40数件あったそうだが、この計画が最後になった。この計画実行後9カ月後に、ヒトラーは自害した。
もっと、早くどれかの計画が成功していたら、世界はどのようになっていたのであろうか?
エンドロールで流れた、”クラウス・フォン・シュタウフェンベルク大佐の妻は2006年まで生存していた事、処刑された憂国の士が、大戦後名誉回復のための碑が建立された事が、救いである。
<ナチスドイツの中枢部にも、”憂国の勇士は多数存在した”と言う事実を、後世に伝えた作品。緊迫感溢れる映像、役者の演技も見応えがあり、意義ある作品であると思う。
尚、製作国には、ドイツも加わっている。>
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