シャッター アイランドのレビュー・感想・評価
全273件中、61~80件目を表示
切ない気持ちが残ってしまう物語
触れ込み通りの面白さ
最初から医師たちの狂気が凄い、と思っていたらなんと
映画の展開と筋書きがしっかりしているけれど分かりやすいのでミステリーをあまり見慣れていない私でも楽しく鑑賞することができました
主演のディカプリオの最後の30分の演技にはとても迫るものがありました。プレッシャーのかかる役で主に恐怖を伝えるのではなくその向こうにあるもっと細かい部分を伝えるのはとても難しそうですが、ディカプリオが出ている他の映画ももっと見てみたいです
どのシーンでも音楽がとても効果的で一昔前のホラー映画を彷彿とさせるものがあり、それだけで怖めな雰囲気が漂うので夜に見る方は注意されてください
妄想オチが先に見たビューティフルマインドと少しかぶったのですが、精神的な疾患を映画で表現する手法として効果的な描き方なのかなと思いました
全てを疑え 本作の結末すら疑え これこそが本作の本当のテーマだったのだと思う
スコセッシ監督の初ミステリー作品
原作の時代設定が1954年だから、ヒッチコックの黄金時代の真っ最中の時代だ
「ダイヤルMを廻せ!」、「裏窓」はその年の作品だ
ヒッチコック作品へのオマージュやリスペクトが散りばめられているのはすぐに気が付くところ
フェリーの船上シーンや、ジープに乗って会話するシーンは、ヒッチコック作品の古典的な合成シーンをわざとチープに再現している
監督がノリノリなのが伝わってくる
さて、ヒッチコックなら粗方観ているというようなミステリー映画好きならば、中盤でオチはだいたい予想できたと思う
ヒントも伏線も沢山フェアに提示されている
全ては逆であり、テディの妄想であった
そういう物語だ
そういうことであらゆるシーンが説明がつくようになっている
何気ないセリフも仕草も視線も、すべてそれで整合するようになっている
だが、果たしてそうなのか?
それもまた病院側がそうテディに思わせているのでは無いのか?
そのような疑念を観客が持つようにスコセッシ監督は解釈の余地を残すように撮っているのだ
種明かしをしたなら、全てを明確にして構わない
むしろ、そうすることによって観客はどんでん返しの決着が確実になり安心できる
そこにカタルシスも与えられるだろう
きっとヒッチコックならそうしたはずだ
しかし、本作はそうではない
テディの妄想だったことで決着したようで、まだ疑念がモヤモヤと残ったまま観客はエンドロールを迎えてしまうのだ
きっとそれはわざとだ
全てを疑え
本作の結末すら疑え
それこそが監督が、本作で撮りたかったことなのだと思う
今日は2021年12月8日
日本のコロナワクチン接種人数は1億人を超えたとのニュースを目にした
自分も2回の接種をとっくに終えている
しかし世の中には反ワクチンの人がいるらしい
何か良くわからない陰謀論を主張していると言う
まるでテディのようだ
反ワクチンの彼らは、テディのように妄想の中にいるのだろうか?
彼らは大真面目に陰謀を暴こうとしているのかも知れない
シャッター アイランドは現在進行形だったのだ
いや、それで斬って捨ててよいのだろうか?
反ワクチンだけでなく、他の事ならどうだろう?
メディアで報道されることは、全部本当にそうなのだろうか?
テレビや新聞で報道されたことは全て正しいことなのだろうか?
そうではないことを私達は知っている
メディアの政治的な志向により、彼らが恣意的に事実に角度をつけた記事にして、全く違う印象にしたり、実際は逆であったり、そもそも無かったことを記事にしていたりしていたではないか
そのことを私達は知っている
かって、それを指摘し反論しようものなら、テディのように狂人扱いされたりしたことも知っている
ならば世の中全てがシャッター アイランドではないか
最後のセリフ
「どっちがましかな。
モンスターのまま生きるか、善人として死ぬか」
意味が全く違うように聞こえて来はしないか?
世間が正しいと思うことが、本当に正しいのかどうか、
怪しいと思うこと、おかしいと思うことを、おかしいと言える「モンスター」で生きるのか
それとも大人しく波風たてずにメディアの言うことを疑いもせず、鵜呑みにして信じる「善人」として、自分の頭で考えることを止めた存在になるのか
全てを疑え
本作の結末すら疑え
これこそが本作の本当のテーマだったのだと思う
大好き!な設定〜!!!
ミステリーものでもスコセッシの作品は面白い!
現実は残酷で切なく辛いから、虚構の世界に逃げるのも間違っているとは言えないのではないか。
スコセッシが挑んだミステリーという新境地、先が読めるようで読めない展開と、不安や恐怖を煽らせる演出、更には現実と妄想での二面性を帯びたキャラクターの描かれ方が、最後まで観客に飽きさせることなく作られていて、流石だった。
現実は実際に救いようがなく、虚構に逃げ込んでしまう主人公をよく理解できた。その上で本編に多々散りばめられている不自然な点は、全て最後の伏線だったのかと思うと素晴らしい。
本作は俳優が、現実と妄想の2つのキャラクターを演じなくてはならないので、かなり大変だと思うのだが、しっかり演じ分けられていたと思う。ディカプリオは流石としか言いようがないが、個人的にマーク・ラファロの安定感ある演技も素晴らしかった。
本作は、ただのミステリーに収まらず、人間が抱える罪悪感を独創的に、どのように向き合っていくのかということが描かれていて、スコセッシっぽい作風だった。彼は"最後の誘惑"から付きまとう"人はどのように罪と向き合わなくてはならないのか"という答えのない問を、映画で表現し続けているのだろう。
ただ唯一残念だったのが、本作がロボトミーを肯定しているということだ。最後のシーンでディカプリオは、現実に戻ってきたが、その罪を背負って生きていくのが辛すぎるため、現実を放棄する選択をする。辛いことから逃げること自体は、罪に対するひとつの解であるから、問題ないのだが、その手段がロボトミーであり、更に自ら進んで廃人となり、自ら思考することを放棄して一生を凄すという選択をしたということだ。このラストはあまりにも残酷で悲しいが、ちゃんと罪に対する解も描けていて素晴らしくもあった。脚本を読んだ時、このラストを見て、本作の監督を引き受けたスコセッシも納得できる。
二回観たくなる
ネタバレの解説見ると面白さが増します
Netflixで鑑賞しました。
なんとなく、テディが精神に異常をきたしていて、子供と妻を殺害したのだろうというのは想像がつきましたがなるほど、そういうことなのね。
最初の船に乗ってるシーンがあるがあれも幻覚なのかな。
ネタバレの解説など見ると、様々な伏線が隠されていてさらに面白さが増します。これ解説できる人凄いな!!
どんでん返しレベル1
精神病の犯罪者を収監しているシャッターアイランドから1人の患者が消え、その調査にやってくる男の話。
.
最初にネタバレすると、捜査員と思っていた主人公は実はこの島に収容されてる患者でしたってオチ。でも日頃から映画をよく見る人、特に私みたいに邦画のご都合主義警察してるようなめんどくさい人なら割と予想はできる。
.
主人公の妄想を見せられているので、終盤の灯台へ入るところだいぶおかしいし、恐らくなんだけどタバコを吸うシーンでタバコの煙が戻っていってる気がした。
.
私的にはもう1つのどんでん返し、主人公は自ら狂っている演技をすることでロボトミー手術行きの死を選ぶっていうラストの方がおぉってなった。
.
このロボトミー手術、当時は頭を開いて脳に直接刺激を送るなんて狂っていると思われていたものの、現代の精神医学では有効な治療法らしい。なので、主人公この後実は妄想癖治るんじゃないのか?と思っている。精神病の犯罪者を収監しているシャッターアイランドから1人の患者が消え、その調査にやってくる男の話。
.
こんなのありですか?
なんとも後味の悪い映画だった。
なにが一番考えさせられるかって、精神病患者の妄想を延々と
2時間も見せられ、挙句に正気に戻ったかと思えば
狂っているふりをして施術を受けるというなんとも言えない気持ちになるよね。
全編に漂う雰囲気や謎のメモも大して意味もないし、
崖で会ったレイチェルは妄想だったし、見ていて事が
全て意味がないとか、なんかズルイと思う。
もしエドワードの病状を知りつつ見たら、2回め見たら
痛々しい精神障害者のひとり芝居で周りが付き合って上げてるんだなあ。
って思いながら見ることになるよね。
面白いといえば面白いのだけど、やっぱ納得行かないな。
レビュー読まずに見れてよかった。
いつも通りの癖で視聴前にレビューを読みにここに来たところ
「ネタバレ厳禁タイプ」をまず目にし、
これは読まずに見よう!と先に視聴できました。
レビューの皆様ありがとうございます。
ただ、ネタバレ厳禁ということは
なにかあるんだな・・という目線で見てしまいました。
それでも騙された感がとてつもなく!
ウマいな~面白い。とハラハラ引き込まれました。
伏線をあまり回収できていないと思うので、
暫く経ったらもう一度みたいなと思います。
ラストシーンに関しては、
ダメだったのに、わかってる・・・?
と、ハテナが浮かんだままでしたが
ほかの方のレビューに
“最後に少し残っていた理性”というコメントですっきりしました。
面白かった!!!
ネタバレ厳禁タイプの映画
いろんな幻影、
いやー見破れなかった、衝撃のラスト
まんまと騙された。
ネタバレ厳禁系ですね
疑心暗鬼
ディカプリオが国家的陰謀に立ち向かうサスペンスものと思わせて幻想だったとは、後味の悪い、観客を欺いてなんぼという映画でした。
これほど観客を混乱に陥れる映画は観たことが無い、というよりもっともらしいシーンを並べておいてから否定するのではストーリーテラーとして行き過ぎ、邪道と矜持ある監督は使わなかったのだろう。別にスコセッシ監督を責めるつもりはない、疑似餌に食らいついた魚が馬鹿という釣り師の論理なのでしょう。見事ひっかかってしまいました。
シチュエーションも絶海の孤島、誰も信じられない孤独と閉塞感、映像もBGMも怖がらせ方を熟知している手練れが作っているからホラー映画としても半端ない。
ただ、子供の死体をおぞましい演出の道具に使うのは卑劣極まる、動揺させるためには手段を選ばずといった冷徹さは映画のテーマである人間の狡猾さと暴力性を語る資格すら無いように思える。
全273件中、61~80件目を表示