シャッター アイランドのレビュー・感想・評価
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全ての謎が解けるまで、この島を出ることはできない
犯罪を犯した精神病患者が収容されるシャッターアイランド。
そこで失踪した1人の女性を捜査すべく、保安官のテディと相棒のチャックが島へと踏み入る。
誰一人として真実を話さない島の人間たち、どこかが軽んじるような様。
情報を得ていくにつれて少しずつ綻びが生まれてくる。
過去のトラウマから過去や現在を捏造し、形成された人格。
それを治療するため、あえて妄想を実現させ精神病の新たな治療法を提言する。
モンスターのまま生きるか、善人として死ぬか。
現実を受け止められない男の演出か、全てを受け入れた上での現実逃避か。
最後の一言とその後の表情は、とても精神異常者のそれには映らない。
ん~、難しい😅
かなり前に1度だけ見た記憶があり、主人公が実は、、、というオチは知っていたが、それ以外はさっぱり覚えていない状態での観賞。
ラストのセリフで、結局主人公は妄想から抜け出せず、それを受けて医師も「治らなかった」と判断してロボトミー手術を受けることになったのかなと思いましたが、自ら「モンスターとして生きるか、善人として死ぬか」と言うということは、最後の最後で主人公は正気を取り戻した(自分の置かれてる状況を全て理解した)ってことですよね?
自分の判断でロボトミー手術を受ける覚悟を決めたと🤔
至るところに伏線が張り巡らされててサスペンス映画として十分に面白いが、1個だけ、女性患者を尋問するシーンで患者が"RUN"とバレないように教えてくれたのはなんだったんだろう?
妄想と真実
2010年(アメリカ)監督:マーティン・スコセッシ&ディカプリオの4度目のタッグ。
原作はデニス・ルヘイン(ミスティック・リバーの作者)
精神医学・精神分析学に迫ろうか・・・と言う作品でした。
心の仕組み&代償そして妄想・・・信じたい心」など・・人間の心は、「代替え案」を真実と思いたいし、信じるのですね。(この辺り無実を真実だと思い込む死刑囚にも似ています)
この映画は時代設定が1954年。
主人公は連邦保安官のテディ・ダニエルズ(レオナルド・ディカプリオ)
彼はボストン港にある孤島(シャッター・アイランド)に忽然と姿を消した患者の捜索に訪れます。
シャッター・アイルランドにあるアッシュクリフ精神病院は、殺人を犯した重罪犯などが送られる要塞のような精神病院でした。
その夜モンスーンが来て大嵐。
フェリーはもちろん欠航になり、テディは相棒と島に閉じ込められてしまう。
(実際にはたった2泊3日の物語です。)
テディはこの島の精神病院には、陰謀があり患者は生体実験され、ロボトミー手術が横行している・・・
テディは熱くなり勝手に島の灯台をロボトミー手術の現場だと踏み込みます。
病院長のジョン・コーリー医師(ベン・キングスレー)が居ました。
悪役が多いキングスレーなので、私も疑心暗鬼になります。
この映画はとても仕掛けの多い映画です。
シャッター・アイルランドの精神病院の巨大な陰謀を暴くのだ・・・とテディは言います。
しかしこの前提をどこまで信じていいのか?
テディが兵隊として第二次世界大戦の終結時に行ったナチス将校への処刑。
テディの妻ドロレス(ミシェル・ウィリアムズ)の焼死。
この2つの事件はテディにとっては消すことの出来ない「心の痛み・・・トラウマ」になっています。
妻の亡霊が何度も現れ、その度にテディの心は乱れ、放火犯人のアンドリュー・デイビスはこのシャッター・アイランドにいる!!
彼を殺してやる!!
と息巻きます。
重厚なタッチと映像。
シャッター・アイルランドのC棟はまるで巨大な刑務所のようです。
《孤島に閉じ込められた精神を病む重罪犯への虐待行為》
そんな前提を匂わせせながら、実は全く違う「テディの正体そして心の闇」
心理サスペンスなのに謎解きとしても興味深い作品でした。
見事な映画化。さすがマーティン・スコセッシ。
(原作既読)①あのトリッキーな小説をどう映画化するのか興味津々だったが、さすがスコセッシ。映画作りの巧さは相変わらずです。②。如何にも不可能万歳のようなミステリーらしい導入部、捜査を進むにつれ深まる謎。本当の事を話しているのかわからない登場人物達。捜査な進展に連れて悪夢や幻想を見て錯乱していくエディ(ここにもトリックあり)。そして最後度肝を抜く真相が観客の前に提示されます。最後まで途切れない緊迫感。スコセッシの演技力は衰えず。③原作にはまんまと騙されてしまったけれど、映画では原作をなぞるだけでなく、ところどころエディの悪夢や幻覚を映像化しなたシーンやカットが挿入されるので、映画を先に観た人は原作を読んだ人よりも果たして早く真実にたどり着けるでしょうか。④ディカプリオを難役を好演。最初は颯爽とした連邦保安官として登場したが(船酔いで吐いてたけど)、事件を捜査しているうちに悪夢や幻覚、頭痛に悩まされてボロボロになりながら真実に近づこうとstruggleし、ラストでは大芝居を見せる。すべて自然で且つよく考えられた演技であった。⑤脇を固める俳優も演技派ばかり。マックス・フォン・シドーもゲスト出演みたいなものだが作品に重みと説得力を加えている。御贔屓ミッシェル・ウィリアムズも終盤の演技に狂気を滲ませて印象的(“My school is in.”の台詞を言うときの目の演技)。⑥悲惨な現実に向き合えずに現実逃避して自分の空想の世界に逃げ込むというのはあり得る話。しかし、治療のためにここまで大芝居をうつことは現実的にはあり得ないだろう。そういうフィクションの世界をどれだけ映画的リアリティを持たせた作品にして観客を楽しませる(騙す)のかが監督の腕。そういう点で久々に上手い演出を堪能した次第。日本の監督にも勉強して貰いたい。
ドグラマグラっぽい。85点
というか絶対ドグラマグラに影響されたっしょ!?
と思ったら原作があるのね。
閉塞感のあるロケーションや湿った空気感がとても良い。
オチは割と早めに予想できちゃうんだけど、それまでの流れとか演出がいいよね。
マルホランドドライブとか、こういう演出に弱いなぁ俺。
裏切られたのは、レオ?観客?
閉ざされた世界
過去の出来事に対して、自己防衛のための解釈を行うことは私たちも日常的に行なっていることではないだろうか?その出来事の心に与える傷の大きさに応じて妄想の度合いも大きくなる。今回の場合、その解釈の中で自身を英雄化したところ(そうしなければ保てない)がその罪の深さを表してるように感じた。ロボトミー手術自体は反復的な思考パターンを起こす神経回路の遮断が目的。主人公はそれを異なる解決法として選択した。やるせないがどうしようもない結末だったと思う。
ラストの演技
切ない気持ちが残ってしまう物語
触れ込み通りの面白さ
最初から医師たちの狂気が凄い、と思っていたらなんと
映画の展開と筋書きがしっかりしているけれど分かりやすいのでミステリーをあまり見慣れていない私でも楽しく鑑賞することができました
主演のディカプリオの最後の30分の演技にはとても迫るものがありました。プレッシャーのかかる役で主に恐怖を伝えるのではなくその向こうにあるもっと細かい部分を伝えるのはとても難しそうですが、ディカプリオが出ている他の映画ももっと見てみたいです
どのシーンでも音楽がとても効果的で一昔前のホラー映画を彷彿とさせるものがあり、それだけで怖めな雰囲気が漂うので夜に見る方は注意されてください
妄想オチが先に見たビューティフルマインドと少しかぶったのですが、精神的な疾患を映画で表現する手法として効果的な描き方なのかなと思いました
全てを疑え 本作の結末すら疑え これこそが本作の本当のテーマだったのだと思う
スコセッシ監督の初ミステリー作品
原作の時代設定が1954年だから、ヒッチコックの黄金時代の真っ最中の時代だ
「ダイヤルMを廻せ!」、「裏窓」はその年の作品だ
ヒッチコック作品へのオマージュやリスペクトが散りばめられているのはすぐに気が付くところ
フェリーの船上シーンや、ジープに乗って会話するシーンは、ヒッチコック作品の古典的な合成シーンをわざとチープに再現している
監督がノリノリなのが伝わってくる
さて、ヒッチコックなら粗方観ているというようなミステリー映画好きならば、中盤でオチはだいたい予想できたと思う
ヒントも伏線も沢山フェアに提示されている
全ては逆であり、テディの妄想であった
そういう物語だ
そういうことであらゆるシーンが説明がつくようになっている
何気ないセリフも仕草も視線も、すべてそれで整合するようになっている
だが、果たしてそうなのか?
それもまた病院側がそうテディに思わせているのでは無いのか?
そのような疑念を観客が持つようにスコセッシ監督は解釈の余地を残すように撮っているのだ
種明かしをしたなら、全てを明確にして構わない
むしろ、そうすることによって観客はどんでん返しの決着が確実になり安心できる
そこにカタルシスも与えられるだろう
きっとヒッチコックならそうしたはずだ
しかし、本作はそうではない
テディの妄想だったことで決着したようで、まだ疑念がモヤモヤと残ったまま観客はエンドロールを迎えてしまうのだ
きっとそれはわざとだ
全てを疑え
本作の結末すら疑え
それこそが監督が、本作で撮りたかったことなのだと思う
今日は2021年12月8日
日本のコロナワクチン接種人数は1億人を超えたとのニュースを目にした
自分も2回の接種をとっくに終えている
しかし世の中には反ワクチンの人がいるらしい
何か良くわからない陰謀論を主張していると言う
まるでテディのようだ
反ワクチンの彼らは、テディのように妄想の中にいるのだろうか?
彼らは大真面目に陰謀を暴こうとしているのかも知れない
シャッター アイランドは現在進行形だったのだ
いや、それで斬って捨ててよいのだろうか?
反ワクチンだけでなく、他の事ならどうだろう?
メディアで報道されることは、全部本当にそうなのだろうか?
テレビや新聞で報道されたことは全て正しいことなのだろうか?
そうではないことを私達は知っている
メディアの政治的な志向により、彼らが恣意的に事実に角度をつけた記事にして、全く違う印象にしたり、実際は逆であったり、そもそも無かったことを記事にしていたりしていたではないか
そのことを私達は知っている
かって、それを指摘し反論しようものなら、テディのように狂人扱いされたりしたことも知っている
ならば世の中全てがシャッター アイランドではないか
最後のセリフ
「どっちがましかな。
モンスターのまま生きるか、善人として死ぬか」
意味が全く違うように聞こえて来はしないか?
世間が正しいと思うことが、本当に正しいのかどうか、
怪しいと思うこと、おかしいと思うことを、おかしいと言える「モンスター」で生きるのか
それとも大人しく波風たてずにメディアの言うことを疑いもせず、鵜呑みにして信じる「善人」として、自分の頭で考えることを止めた存在になるのか
全てを疑え
本作の結末すら疑え
これこそが本作の本当のテーマだったのだと思う
全290件中、61~80件目を表示