シャッター アイランドのレビュー・感想・評価
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人は世界を在るがままに観ている
重すぎる現実が妄想を生み出した
統合失調症などによる妄想は、周囲の人から見れば常軌を逸していても、本人にとっては切実な現実。治療のためには周囲の人間がそのことを認識し、向き合わないといけないと思わされる映画。アンドリュー(テディ)は妻子を失った重すぎる現実を受け入れられなかった。彼の中でそれを解消するために、妄想上の登場人物を作り出したように思える。
ストーリーは、アンドリューが捜査で得た断片的な情報や、彼が見る悪夢によって過去にトラウマがあったことを匂わせる演出から、この不気味な島で一体何が起きているのか徐々に明らかになってくる構成が面白い。結末に関しては以前に聞いたことがあり知っていたので驚きは無かったが、精神障害を患った犯人を追う当人が精神病なのは意外性があって良かった。
幻覚と記憶を整理した末の決断は闇の中
劇中及び公式ガイドで主人公は”患者”という設定のように描かれているが、何か腑に落ちない。
”RUN"を手帳に書いた女性が水を飲むシーンはコップが消えてるし、幻覚の中の妻の様子がちぐはぐ。
二時間以上の尺を使ってまで単なる患者の妄想や回想ばかり描写するだろうか。
精神を操る実験体にされているという主人公の推測は正しいというバイアスをかけてみる。
過去に彼のまわりで起きた不幸は、彼を陥れるため仕組まれていたと考える。
主人公は権力側にとって邪魔な存在だったのだろう。
ラスト、主人公は抗うことを諦めたように終わる。
だが手術の場面はない。
”逃げるのは卑怯”という伏線があったことから、彼はこの後反撃に出るような氣がしてならない。
設定や公式すら疑えば楽しめる、という作品。
最後までチョコたっぷり
終始暗くてジメジメした雰囲気だけど、ディカプリオの華やかさだけで画面がもつ。
どんでん返しものは最後観客が置いてけぼりになりがちなところ、この映画は「実はこうでした」の説明もしっかりしてくれるのが良い。
さらに無事解決と思いきややっぱりダメだった、かと思いきや...!?最後の最後で意味深なセリフ。
大満足です。
島の収容所から消えた女性を探しにきた保安官。なんだか少しずつ、おかしい気がする…………?
閉鎖的な島だから、まあこんな態度なのかもな、と思ったら、そういうわけでもなく。だんだん『あれ?色んな人がおかしいな?』と思ったところに、入る謎の夢。
テンポよく謎をちりばめられ、テンポよく回収してくれるミステリー。色んなところに伏線があり、何気ない発言すらも伏線なので、最後まで見ると本当に気持ちいい。話は気持ちよくないけど。ミステリ好きにおすすめ。
先が読めても楽しめる作品、ではない。
スリリングに感じたのは最初の30分くらい。途中(灯台で放火犯と会う辺りで)でオチが分かってからはあっち側から観ている視線になって考えて納得がいったのと同時に面白くなくなった。ダッハウの経験から主人公が精神的に病むのはある程度理解出来るにせよ、奥さんの方の病はリアリティーが感じられなかった。
このあと味の悪さ、たまりません。
"映画"としての救いと希望
精神疾患を描いた本作
「これは現実なのか?妄想なのか?」途中から分からなくなり、テディの正体は中盤から予想できつつ、ラストはどんでん返しとまではいかないまでも現実を突きつけられる場面は秀逸で唸った。
言わずもがな悲しい話だが、私はラストに救いを感じた。現実を受け入れているのかどうかは様々な専門家の知識や経験を持って測ることを試みても、結局最後は本人次第。
考え語る点は多くあるがそれをモヤモヤさせずに後味として受け入れられる映画になっているところは素晴らしく、流石といったところ。
「結局良い人たちだったってこと?でも治療法は…」
でも、それすらテディにとっては救いであり希望だったのかも。
スコセッシがホラーと虚構世界を描くとこんなに現実を恐ろしく描くことができるのか。
芸術的で何回も見返したくなる面白さ
"Killers of the flower moon" で、マーティンスコセッシ監督とレオナルドディカプリオの黄金コンビのタッグが6作目とあり、
過去にどんな作品を出していたのかと調べてみたら、内容が実に面白そうなものがあったじゃないですか。
古いだけあって合成感や死体の人形感や、池で死体を演じた少女の演技が下手でまだ微妙に動いたりしてるのが気にはなったがそこは置いといて、
結論、めちゃくちゃ面白かった。二度見がまた違った視点からの面白さでよく作り込まれている。
まさか、4の法則だけでなく、
タイトルの“Shutter Island"(=Truths and Lies またはTruths Denials)までもがアナグラムだったとは!
初見では、何だかんだいって病院側の洗脳によりレオ様は口封じの為にはめられてしまったのかなぁと思っていた。
なんかいかにも怪しい病院だし。
人間の脳は壊れてしまったら現実か妄想かだなんて区別もつかない。それが事実だ。
実際に五感を司るのは脳であり、目でなく脳で見ている、耳でなく脳で聞いている…
一度精神崩壊してしまったレオ様は何が何だか分からず迷路に迷うネズミそのものだった。
人を洗脳するのも脳をいじれば容易い。
しかしネットで考察を見たら辻褄が合う部分が多く、なるほどそうだったのかと謎が解けた。
“炎“(=妄想)と“水“(=現実)の描写など、細かい作りには映画の芸術性までも感じられる。
二度見してみたら、面白いこと面白いこと。
最初はレオ様の視点で見ていたから気づけなかった部分もいろいろと見えてきて、映画がミスリードするように作られてるとはいえなぜ気づかなかった?人の先入観はすごいな。
この世の中でも精神異常犯罪者が数多くいるわけだが、どのように対処し治療していくのか、治療とは何か、モンスターとして生かしてこれ以上被害を増やす前に、“善人として(彼らの精神を)殺す“選択はやむを得ないのか。
興味深くていろいろと考えさせられる傑作だった。
感想メモ
おもしろかった
真実が歪んでいく感じ、信頼できない語り手のディカプリオに見事騙される
C棟のホラー感好き
名前アナグラムになってるの好き
ロボトミー手術ってほんとにあったのね…
善人として死ぬか、モンスターとして生きるか、最後灯台の引きで想像をかき立てる
もう一回見たら違和感みつかるかもだ
モンスターとして生きるか、善人として死ぬか
序盤から引き込まれ、見ていくうちに混乱する。
とても巧妙な構成だなと思いました。
正気に戻った翌日の主人公の「モンスターとして生きるか、善人として死ぬか」というセリフがとても印象的で、個人的には善人として死んでいきたかった故の嘘だったのではと思います。
ロボトミー手術へ向かうであろうテディの背中が何とも切ないラストでした。
終盤まで謎は明かされない
非常に難解で伏線が散りばめられてるが初見で解ける人は数少ないでしょう。
嵐のシーンで小屋に逃げ込むシーンで何か妄想のようなモヤモヤっとした雰囲気でアレ?と思った。
灯台でついに悲しい謎が明かされていきます。
受け止めきれない現実には人は狂ってしまう他ない。受け止めてまえに進む強い人は凄いですね。
受け止め、ロボトミー受け入れオチは素晴らしかったです。
全ての“謎”が解けるまで、この島を出ることはできない
「絶対なにか隠してる。良い人ぶってるけど怪しすぎ。」と思っていた院長、本当に良い人だった。
途中からあれ?もしかして?と思いつつ観ていたので、ラストはそんなに驚かず、なるほどな〜という感じだった。ただそれで終わらずに、最後結局治らなかったと見せかけて「モンスターとしと生きるか、善人として死ぬか。」というセリフは、また想像が膨らみ秀逸な終わり方だった。
おそらく彼は治ったのだろうけど、その事実は余りに重く、とても受け止めて生きることは出来ないということで、ロボトミー手術を受けることを自ら決めたのだと思う。
島の自然や施設の怪しい雰囲気も楽しめた。
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