「重すぎる現実が妄想を生み出した」シャッター アイランド 根岸 圭一さんの映画レビュー(感想・評価)
重すぎる現実が妄想を生み出した
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統合失調症などによる妄想は、周囲の人から見れば常軌を逸していても、本人にとっては切実な現実。治療のためには周囲の人間がそのことを認識し、向き合わないといけないと思わされる映画。アンドリュー(テディ)は妻子を失った重すぎる現実を受け入れられなかった。彼の中でそれを解消するために、妄想上の登場人物を作り出したように思える。
ストーリーは、アンドリューが捜査で得た断片的な情報や、彼が見る悪夢によって過去にトラウマがあったことを匂わせる演出から、この不気味な島で一体何が起きているのか徐々に明らかになってくる構成が面白い。結末に関しては以前に聞いたことがあり知っていたので驚きは無かったが、精神障害を患った犯人を追う当人が精神病なのは意外性があって良かった。
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