チェンジリングのレビュー・感想・評価
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悲惨
実際にあった話だけあって、夫人への感情移入が半端ないです。
こんな事実際にあっていいの?という程悲惨な話でした。
まず警察が権力行使で事実を捻じ曲げ、一般市民を自分の役職の為に犠牲にあるところ。
これは問答無用で許せません。
さらには精神病院へねじ込むなんて頭おかしい。
でも実際には今でもこんな事が起きてるんだろうなと思うと
役職にかまけてのうのうと生きてる権力者が許せません。
この映画の唯一救いは夫人の勇敢な態度により
真実を明るみに出せたことだと思う。
同じ同性ながら必死に子供を思う姿はさすが母親と痛感しました。
子供の死体が見つからなくても生涯探し続けたのが印象的でした。
胸が痛い。とても。
アンジェリーナ・ジョリーが母親役なんてイメージになかったが、とても素晴らしい母親だった。
愛するものを失った悲しみ、恐怖、怒り、覚悟、希望。
すべてがすんなりとアンジェリーナ・ジョリー演じるクリスティンから伝わり、感情移入してしまう。
この監督って悪い出来事は突然だけど、良い出来事、結果はいつも積み重ねって感じの見せ方な気がする。だから感動するんだけども。
あの警察との裁判の終わりは国が動いた!と思った。この時歴史は変わった!だと。
いい映画だった。とても。語り尽くせぬ深く考える映画。
ジョリー名演
10/4/10
これが実話なんて、何てひどい話か。
ジョリーの見出した希望、逆に痛々しい。
悲嘆に暮れるジョリー、戦うジョリー、どれもキレイ。
短い映画ほど好きな私には、ちょっと長さが気になりました。
重い
全体を通して重くずっしりした印象。この重さは決して悪い評価ではなく、むしろいい意味の重さです。
ゆっくりゆっくりと時が進んでいくように感じます。
ひとつひとつの場面が丁寧で、役者さんたちの演技も最高!
アンジーの真っ赤な口紅がまたいい味出してます。
腐敗した警察の姿は今とそんなに変わらないところが悲しいですね。
最高の演技!
アンジェリーナ・ジョリーの演技に感動した!!子どもに対する親の気持ちが心から伝わってくるし、あの迫真の演技は一度見てみるべきだと思った!演技ではないんじゃないかと思ってしまうほどすごかった!!脱帽です!!
また、ストーリー的には少し怖かったです…警察の腐敗とか…狂った殺人者…巻き込まれていく子どもたち…そして、殺人者にこき使われていた子どもの演技…どれも、あまりにもつらい内容であったが、演技がすごかった…
ストーリーだけでなく、俳優さんたちの演技にも注目の作品です。
時には、使うべき言葉を使わなくては・・
映画「チェンジリング」(クリント・イーストウッド監督)から。
誘拐された息子の生還を祈る母親と警察との闘いを描くのだから、
母親役・アンジェリーナ・ジョリーに注目が集まってしまう。
勿論、彼女の演技は素晴らしいものだったが、
今回、私がメモしたのは、脇役の人たちのちょっとした台詞。
彼女同様、警察に反抗して精神病院送りにされた女性の1人が、
彼女を助けようとして、医師を殴ってしまう。
その制裁として、電気ショックを受けたにもかかわらず、
「殴りたかったの・・気持ちよかったわ」と微笑み、
「くそくらえ、くたばれ」みたいに汚い言葉を吐いた。
「女らしくないわよ」と接する彼女に、ズハッと一言。
「時には、使うべき言葉を使わなくては・・」と言い、
「失うものがない時にね」と続ける。
このフレーズ、私の胸に響いた。
こんなに悔しい時、怒っている時には、こんな言葉しか浮かばない。
女らしい言葉では、感情が表現できない・・と言いたげだった。
「その場にあった言葉を使う」って、迫力が違うよなぁ。
特に「失うものがない時は」・・は、もう誰にも止められない。
母は強い!
誘拐された息子のために生涯をかけて戦い抜く、そんな母像に胸うたれ、本当にこんなことがあったなんてなんて怖い時代だと思った。
当時のロサンゼルスは腐敗腐敗腐敗・・・誘拐され行方不明の息子がみつかったと警察から引き合わされたのは、どこをどう見てもまったくの別人の男の子。五ヶ月ぶりとはいえ、身長は7cmもちぢみ、歯科医師も教師もこの子は違うという中で、警察とその手に染まる医師たちは口をそろえてそんなことはないという。母親の勘違いであり、育児放棄だ、気がふれたのだと。母親が息子を見間違えるはずはない。それを丸め込み、事件を解決したものとする腐敗しきった警察に立ち向かい、失うものは何もないもの、と戦い抜く強い母親。子を持つ親としてとても共感できる作品。
イーストウッドの優しさ
珍しく前情報を一切封じて観賞したけど、あまりに壮絶な事件に驚愕してしまった。なんという非道、なんという無慈悲、なんという理不尽。現実通りであれば絶望に落ちるしかないヒロインの行く先に希望を附した監督イーストウッドの心根の優しさに胸を打たれる。精神病院の描写といい、彼はやはり女性の味方ですな。
チェンジリング
クリントエーストウッド独特のカメラワーク、色彩感覚がアンジェリーの抑えた演技を引き立てている。しかしアメリカの一部の人々の狂気は恐ろしい。
あの荒涼とした荒野がその一因か。
母は強し!
実話を元にした作品。本当にこんなことがあったのかと思うと悲しく切なくなりました。
予告はアンジーが精神的におかしいのか?って思わされるような内容でしたが、本編では、どういう風に展開していくのか、先がわからずドキドキしながら観てました。後半にポスターの場面(ガラス越しにアンジーが泣いてるトコ)が出てきて、この場面なのか!って思っちゃいましたw
最後の場面は印象的で、確かな希望を見つけたわ、というところは母親は強いなと感じさせられました。
自分の意志を貫き我が子を見つけようとするアンジーはかっこよく、自分も母親になった時にもう一度見てみたいと思いました。
ラストが良かった。
実話ものは苦手な私ですが、この作品はとても良かったです。
特に、ラストに至る展開。
あの事件から生き残った少年から伝わる、主人公の息子の勇気ある行動。
結局の所、彼の生死の程は解りませんが、「強い子供に育てたい」という、主人公の思いは実を結んでいたんだな…という、希望に溢れた結末は、見ていて清々しさを感じました。
ハッピーエンドではないので、この言葉は少々違うかもしれませんが、正に「終わり良ければ全て良し」と思った作品でした。
エンドクレジットでバックに映る風景、映画館で上映されている作品のタイトルが、これまたこの映画のラストに、良い味を加味してくれていたのも印象的です。
チェンジリング
実話をベースにしつつ、映画としての面白さを
維持しているところがとてもよかった。
主演のアンジェリーナ・ジョリーはこの映画で
アカデミーにノミネートされていましたが
素晴らしい演技でした。
そんな素晴らしい演技でも決してアップばかりじゃなく
ちょっとひいた感じのアングルによって程よい距離感が
生まれていたと思います。
あるべきでない強さ
権力が腐敗するとこういうことが起こり得る、ということを映像にした作品に思う。戦争映画なんかを観ても感じることで、そういう状況下では人間の尊厳なんてものはいとも容易く踏みにじられてしまう。そして、それを奪う側の人間は、そのことをおもちゃでも扱うように他人事にしてしまえる。人間という生き物の恐ろしい一面だ。
この映画で主人公を動かしているのは、「持たざる者の強さ」である。象徴的なのは、精神病院に入れられてしまい、悪態をつくシーン。正直な話をすると、ここにはちょっとしたカタルシスがあった。それくらい言ってもいいと感じるような、ひどい対応を病院側にとられているさなかでの罵りであるから。だけど、と同時に思う。残念な気がしたというか、悲しくなったのだ。主人公がそんな言葉を遣ったことにでなく、主人公がそんな言葉を遣わなくては「ならなかった」ことに。作中のセリフにあるように、たしかに守るもののない人間は強い。けれど、それ以上に守るもののない人間は悲しい。その強さは本来必要のないものなのだから。それを持たなくてはいけなくなった、守るものを理不尽に奪われた主人公の気持ちを思うと、とてもやりきれない気持ちになった。守るべきものは絶対、あったほうがいい。
考えさせられる内容だったが、これをTRUE STORYというのは、残念ながら無理がある気がする。事実かどうか気になるのがちょっと邪魔に思えたので。
色んな意味で凄い話だ・・・。
長いし話自体が重いので、見終わった後何だか疲労感を覚えました。
正直いって後味はあまり良くないです。
あまり細かいところまで内容を知らずに見たので、
展開がかなりショッキング。ええぇ?そういう話!?
これが実話というから、本当に怖い。
人間ってこんなことまで出来てしまうのね、って驚愕。
そしてLAの警察の腐敗とか、彼女の戦いとか…。
とはいえ、最後に正義が勝つところが、アメリカだ。
前評判どおり、アンジーの熱演が光っています。
私達がこれまで見てきた彼女とは全然違う。
アクションも色恋沙汰も無関係。
ひたすら息子を求めて戦うのみ。He's not my child!!
今回は肉体的強さではなく、精神的強さで勝負です。
親になってから観れば、この主人公の気持ちへの
入り込み方が全然違ってくるのだろうけど、
実際に子供を持っていたら、この映画は観たくないかも。
最後に彼女が“hopeを見つけた”と言って終わるけど、
私には希望が見出せなかった。残念ながら。
みんな 希望が見えたのかな?
好きか嫌いか、で言えば好きな映画ではないけど
一見の価値はある映画だ。
それにしても、髪の毛のあるマルコビッチは
なかなかレアだったな~。「危険な関係」以来?
取返しのつかない取替え。
こんな胸をえぐられるような、張り裂けてもなおズキズキと
痛むような、辛い作品を観たのも久しぶりだ。。
さすがのイーストウッド卿、まったく無駄のない構成&演出、
隠遁とした重苦しい作品を最後まで淀みなく描ききっている。
予告でも流れているアンジーが流す「涙」のシーン。。
ここだったのか!と思う間もなく、自分の目からも零れ落ちた。
母親ならなおさら、誰がこんな運命を彼女に下したのだろう。
しかし当時のシングルマザー、とはいえ見事な暮らしぶり。
実際のC・コリンズについての詳細と今作の彼女とでは、
やや違うところもあるようだが、女手一つで子供を育てている
という悲壮感は見当たらない。もしもあのままウォルターが
成長していたら、かなりの好青年になっていた可能性が高い。
そしてまだまだ平和?だった住宅街。
子供が一人で留守番も、そう珍しいことではなかったのだろう。
だが猟奇犯そのものは、当時から存在していたことになる…。
しかしなにより、子供を間違えて、そのまま母親に押し付けて、
文句が出たら今度は精神病院へ送る…って、どういうことだ!?
警察の絶対的価値を下げない姿勢が、多くの市民を犠牲にし、
正義だと唱えれば、とたんに逮捕・監禁されるなんておかしい。
当時のロス市警の腐敗ぶりはまったくどうしようもないが、
アンジー演じる母親からすれば、そんなことを叫んではいない。
「私の息子を探してください。」ただそれだけなのだ。
息子だと名乗る子供。のちに判明する犯人。彼らにも親がいる。
最もゾッとしたのは、実際の事件では、犯人の母親も
この事件に関与していたという事実だ。信じられない…。
親が子供を守ることを描こうとする作品は多いが、
結局「誰も守ってくれない」のが真実になってしまうのだろうか。
私がアンジーの立場なら、まず自分の隙を許せず居た堪れない。
でもそんな親や子供を騙し、利用する人間など、もっと許せない。
人間が持つ優しさや、思いやりの心はどこへいってしまったか。
親子の強い絆はどこへいってしまったのか。
どうにも抑えが効かない憤りの果て、今作は見事なエンディングを
用意している。たった一筋の涙に、どれだけの重さを表現させるか、
それを知るイーストウッド卿にしか描けない見事なラストだった。
(まずは親が。そして社会全体で。子供を見守る姿勢をもたねば。)
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