劇場公開日 2009年5月29日

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スター・トレック : インタビュー

2009年5月26日更新

宇宙船USSエンタープライズのクルーたちが活躍する姿を描き、1966年のTVシリーズ放映開始以来、TV、映画、ゲームなどあらゆるメディアで人気を博してきた同名SFシリーズを、「M:i:III」「クローバーフィールド/HAKAISHA」のJ・J・エイブラムスが現代の観客に向けた作品として新たに再構築した「スター・トレック」。eiga.comでは、本作の公開を前に来日したJ・J・エイブラムス監督、主人公ジェームズ・T・カーク役のクリス・パインとウフーラ役のゾーイ・サルダナにインタビューを行った。

J・J・エイブラムス監督インタビュー
「既存のファンと新しいファンの両方が面白いと感じられるものを目指した」

壮大なスペース・アドベンチャーが、「LOST」のクリエイターによって蘇る
壮大なスペース・アドベンチャーが、「LOST」のクリエイターによって蘇る

──新たに「スター・トレック」シリーズを再スタートするにあたって、何かルールのようなものを決めたのでしょうか?

「まず、オリジナルの『スター・トレック』の“精神”を受け継ぎながらも、現代的な視点から描くことを主なルールとして、既存のファンと、一度も『スター・トレック』を見たことがない人々の両方が面白いと感じられるものを目指したんだ。現代的にするにあたっては、縛りを設けず自由に作ったけど、同時に「スター・トレック」であることも忘れなかった。エンタープライズは登場させるし、同様にキャラクターやユニフォームも一目でそれと分かるようにして、そういったオリジナルの要素を保ちながら、現代的なストーリーにして「スター・トレック」をまったく新しいものにしたんだよ」

東京が世界一好きな都市だという J・J・エイブラムス監督
東京が世界一好きな都市だという J・J・エイブラムス監督

──今回はキャストを一新する必要がありましたが、どんな資質を持ったキャストを求めていましたか?

「やはりオリジナルの“精神”が重要なので、カーク役に黒人をキャスティングするというようなことは考えなかった。とにかく外見が似ているとか、真似がうまいということ以上に、その“精神”を持った誰かが必要だったんだ。

ただ、今回の映画にはオリジナルシリーズでスポックを演じたレナード・ニモイも登場することもあり、新たにスポックを演じる俳優は彼の面影を感じさせる必要があった。このスポック探しは難しいと思っていたんだけど、ザッカリー・クイント(『HEROES/ヒーローズ』)が見つかって、見事にスポックを演じてくれた。これはラッキーだったね。

カークを演じたクリス・パインはウィットに富んでいて、俳優としての技量も十分だった。劇中での彼は色々な問題に直面していて、タフで、ロマンチックで、面白くて、混乱していて、生傷も絶えないカークを見事に体現してくれたね。彼は、ウィリアム・シャトナーの雰囲気も醸し出しているけど、モノマネではない独自のカーク像を作り上げてくれたよ」

──キャラクターに感情移入させるために、どんな工夫をしましたか?

「まずキャラクターに欠点を与えて、それから彼らを様々なトラブルの中に放り込んだんだ。カークに関して言えば、彼は生意気で、自信過剰で、心がとても空虚で、自分の生き方を見つけられていない酷い状態なので、できるだけ楽しく好感が持てるようにした。それから、スポックに関しては、僕はほとんど忘れていたんだけど、彼は地球人とバルカン人のハーフなんだ。ハーフということで、それぞれの立場で選択を迫られたりと悩みを抱えていて、それがキャラクターの魅力にもなっている。劇中では、この2人も含めて悩みを抱えている人たちが出会って、ギクシャクしながらも徐々に友情を築いてゆく姿を描かれるわけだ。もっと話はあるけれど、語りつくせないほど色々な工夫をしているんだ(笑)。

カークとスポック(左)がぶつかり合いながら ストーリーは進んでいく
カークとスポック(左)がぶつかり合いながら ストーリーは進んでいく

──「クローバーフィールド/HAKAISHA」「M:i:III」では映画の冒頭にパーティーシーンが登場しています。今回もパーティーシーンが登場しますが、これは意識して入れているのでしょうか?

「『スター・トレック』での、パーティーシーンは映画が始まって23分辺りで冒頭ではないのだけれど、確かにその指摘は正しい。パーティーは誰でも行ったことがあるだろうし、みんな慣れ親しんだものだと思う。とにかく、これは「昔々遙か彼方の銀河系で……」と始まる『スター・ウォーズ』にはしたくなくて、『スター・トレック』を身近な“地球”のものにしたかったんだ。この映画が僕らの世界の未来の姿だってことを感じて欲しいからね。

インタビュー2 ~クリス・パイン&ゾーイ・サルダナ インタビュー
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