ワールド・オブ・ライズのレビュー・感想・評価
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どの嘘が世界を救う??
アメリカ本国での評価があまり高くなかった理由が分かるような気がします。
この物語の結末では「最後に勝利する強いアメリカ」が描かれていないから。
世界を救うためについた嘘?
ぶくぶくと醜く太ったホフマンはアメリカ本土で家族と暮らし、
自らが危険に晒されることなく、
電話一本の伝言と命令で多くの人間の運命を左右します。
その傲慢さと肥え太った外見は「大国アメリカ」の負の部分の象徴に見えました。
一方冷徹な中に何所か心の優しさが垣間見えるフェリスも、
世界を救うためにでっちあげのテロ組織すら作り上げて、
罪の無い人間を犠牲にしてしまいます。
この後に展開される目を覆いたくなるシーン・・・。
それは生々しいほど現実感がありました。
ホフマンの「嘘」。
フェリスの「嘘」。
そして彼らを上回る「嘘」で二人を欺き最後に目的を果したハニ。
ハニはあわやのところでフェリスを救出しますが、
捉えられたフェリスが多少(かなり)「痛い」思いをさせられてしまったのは、
フェリスが2度もハニを裏切ったことへの「懲罰」の意味も込められていたのかもしれません。
私たちとはかけ離れた世界で繰り広げられている騙し合い。
今もきっと誰かが「世界を救うために」壮大な嘘をついているのでしょう・・・。
これは現実の物語です。
そして同じ事を繰り返しながら
人はちっとも学習することなく、
世界も混沌としたまま一向に進歩しない・・・。
鑑賞後にそんな重苦しい倦怠感も感じてしまいました。
レオいいなぁ
リースコット監督の男くさい世界が好き。
アルカイダとか、この手の話しは、見てる途中は、頭の中がグチャグチャになるし、中東系の顔は皆同じに見えるし、国と人の名前は覚えられないから、更にパニックになるんだけど、そんなことは気にしないで見るのが一番。最後まで見ると、繋がって、面白いから。
嘘つきは、泥棒のはじまり…。
レオナルド・ディカプリオ、ラッセル・クロウ2大スター競演!そして監督は、リドリー・スコット!この豪華な顔合わせ、期待するなって方が無理ですよね。でも事前宣伝何か地味じゃないですか?思ったほど、盛り上がってないっちゅうか~。
これは実話ではないんですが、いかにもアメリカそれもCIAがやってそうやな~って感じの話です。しかも監督はリドリー・スコットなわけですから、もおリアリティありあり!そこへ持ってきてレオ様に、ラッセルという“超演技派2枚看板”が絡んでますので、更に拍車が掛かり、超迫真の“リアリティ・フィクション”に仕上がっています。そう、ストーリーの中で実行される作戦で、レオ演じるフェリス達は“嘘”をつくのですが、この映画は、観ている我々にまるでこれが実話であるかのように感じさせる…正に映画が“嘘”をついておる訳ですね。うん、こりゃ凄いですよ。ただ、後から少し冷静になって考えてみますと、この映画で展開されているストーリーってのは、相当トンでもないんですよ。いくら『世界を救うため』と信じて行なった事とはいえ『テロリストをでっち上げる』なんぞ、言語道断!でも、世界のどこかでホントにこんなことが行なわれているのかも…。あ、吾輩またその気になってる。ああ、すっかりこの映画の“嘘”に騙されてる~!!
ところで、ここ最近のレオ様はこういう“硬派”な役が続いてますね~。 前々作「ディパーテッド、前作「ブラッド・ダイヤモンド」そして本作と、一昔前の“繊細な美少年”とは決別した“タフでワイルドな男”を熱演しています。髭もなかなかお似合いで。大人の俳優として、もお充分な貫禄を持ち合わせていますね。この演技で、またオスカーにノミネートされるのでしょうか(吾輩的には「ブラッド・ダイヤモンド」の時の方が、インパクトは感じたのですが…)?コレに対抗するラッセル・クロウも、貫禄の“受け”の演技を堂々と見せてくれます。特に今回は“メタボ気味の上司”という役柄に、体重増加で臨み見事に成りきっています。そう、“イヤな上司”に。レオ様の“熱血直球演技”を受けるのは、ラッセルくらいの名役者でないと務まらなかったでしょう。そういう意味で、このキャスティングは大成功だったと思います。
ただ、扱っているテーマがテーマ(中東での対テロ組織戦)ですので、如何に大作と言えども派手さは感じられません。リドリー・スコットが入念に撮りあげた映画ですから、非常に質は高く、決して間違いはないのですが、興行的にはしんどいでしょうね。全米でも苦戦したようですしね。でも、観て損は無い1本ですよ。
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