劇場公開日 2008年12月20日

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「嘘つきは、泥棒のはじまり…。」ワールド・オブ・ライズ mori2さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5嘘つきは、泥棒のはじまり…。

2008年11月27日

怖い

興奮

難しい

レオナルド・ディカプリオ、ラッセル・クロウ2大スター競演!そして監督は、リドリー・スコット!この豪華な顔合わせ、期待するなって方が無理ですよね。でも事前宣伝何か地味じゃないですか?思ったほど、盛り上がってないっちゅうか~。

 これは実話ではないんですが、いかにもアメリカそれもCIAがやってそうやな~って感じの話です。しかも監督はリドリー・スコットなわけですから、もおリアリティありあり!そこへ持ってきてレオ様に、ラッセルという“超演技派2枚看板”が絡んでますので、更に拍車が掛かり、超迫真の“リアリティ・フィクション”に仕上がっています。そう、ストーリーの中で実行される作戦で、レオ演じるフェリス達は“嘘”をつくのですが、この映画は、観ている我々にまるでこれが実話であるかのように感じさせる…正に映画が“嘘”をついておる訳ですね。うん、こりゃ凄いですよ。ただ、後から少し冷静になって考えてみますと、この映画で展開されているストーリーってのは、相当トンでもないんですよ。いくら『世界を救うため』と信じて行なった事とはいえ『テロリストをでっち上げる』なんぞ、言語道断!でも、世界のどこかでホントにこんなことが行なわれているのかも…。あ、吾輩またその気になってる。ああ、すっかりこの映画の“嘘”に騙されてる~!!

 ところで、ここ最近のレオ様はこういう“硬派”な役が続いてますね~。 前々作「ディパーテッド、前作「ブラッド・ダイヤモンド」そして本作と、一昔前の“繊細な美少年”とは決別した“タフでワイルドな男”を熱演しています。髭もなかなかお似合いで。大人の俳優として、もお充分な貫禄を持ち合わせていますね。この演技で、またオスカーにノミネートされるのでしょうか(吾輩的には「ブラッド・ダイヤモンド」の時の方が、インパクトは感じたのですが…)?コレに対抗するラッセル・クロウも、貫禄の“受け”の演技を堂々と見せてくれます。特に今回は“メタボ気味の上司”という役柄に、体重増加で臨み見事に成りきっています。そう、“イヤな上司”に。レオ様の“熱血直球演技”を受けるのは、ラッセルくらいの名役者でないと務まらなかったでしょう。そういう意味で、このキャスティングは大成功だったと思います。

 ただ、扱っているテーマがテーマ(中東での対テロ組織戦)ですので、如何に大作と言えども派手さは感じられません。リドリー・スコットが入念に撮りあげた映画ですから、非常に質は高く、決して間違いはないのですが、興行的にはしんどいでしょうね。全米でも苦戦したようですしね。でも、観て損は無い1本ですよ。

mori2