劇場公開日 2008年12月20日

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ワールド・オブ・ライズ : 映画評論・批評

2008年12月9日更新

2008年12月20日より丸の内ピカデリー1ほかにてロードショー

テーマは目新しくないが、情報戦の設定はすこぶる面白い

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無人偵察機プレデターを使って、1万2000メートルの上空から群集の中の1人を探し出せる米軍の最新テクノロジーが驚異的。その探査映像を再現するリドリー・スコットの映像テクもスリリングだ。だがもっと面白いのは、デジタル機器を使わないテロリストたちが、その最新テクの網からこぼれてしまうという事実。人から人へ直接連絡する原始的なネットワークが、世界一の探査システムに打ち勝つ唯一の方法だというのがなんとも皮肉だ。テロリストの所在を突き止めるために、CIAとヨルダン情報局のハニ・サラームが取る手段も対照的。ホフマン(ラッセル)とフェリス(レオ)のCIA組は騙し作戦でデジタル世界に彼らをおびき寄せ、ハニはアラブ流の仁義で情に訴える。中東を舞台にした対テロ戦というテーマはもはや目新しくないが、この情報戦の設定はすこぶる面白い。

子供の世話をし、スーパーで買出しをしながら、冷酷な指令を電話で命ずるホフマンの描写がユニーク。アメリカの傲慢さを象徴するようなイヤなキャラを軽くコミカルに演じるラッセルのうまさにも改めて感心した。ラッセルもレオも適役だが、一番の儲け役はハニを演じたマーク・ストロングだ。嘘は嫌いだとフェリスにプレッシャーをかけつつ一番大きな嘘を仕掛けるハニの深謀遠慮がカッコいい。

森山京子

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