シルク(2007)のレビュー・感想・評価
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意外とおもしろかった
二流映画にありがちな、稚拙で強引な科学的な設定が邪魔しているが、 それさえ我慢する事ができれば、結構おもしろい。 どうせ、完璧なホラー映画などないのだから 不毛でありながら、どこか救われるこのラストは「アリ」
女性達がキレイでした
フランスから蚕の卵を求めてはるばる日本へ。当時の旅の大変さがよく伝わりました。 三度目、日本まで行かなくても中国に良い卵がある、というのに何がなんでも日本に行くと言い張る主人公。もう、この時点で奥さんは何か感じるものですよね。 三度目の帰国後、日本から届いた手紙を(この時点で手紙が届くことが不思議だし)通訳出来る夫人に読んでもらうのだが、実は奥さんが知り得るはずのない旦那が想いを寄せる女性になりかわり書いたもの。奥さんは全てお見通し。なのに一言も夫を責めず、支える。女は強し。手紙の最後の「さよなら」は日本の女性になったつもりでのさよならなのか、妻として、ダンナに心の中で告げたさよならなのか、どちらだろうか。 妻役のキーラ・ナイトレイもとても美しかったし、今は亡き芦名星の怪しげな美しさ。中谷美紀もとても綺麗でした。
恋文
日本の豪華出演陣に釣られて鑑賞。幕末の時代から絹、蚕を巡るフランス、リヨンと山形の酒田との交易があったことは驚きでした。
初めて訪れた日本、自然や村の映像はリアルなのだが恋慕に持ち込む話としては腑に落ちない。
惹かれるのは領主の内義、和服姿に魅了されたのか温泉での裸身だったのかは定かではないが異人さんの目からしてみれば有りなのだろうか、時代を考えれば内儀の色目を使うような演出は疑問。
一夜を共にした貢物のような村娘は身代わりなのか、そもそも内儀は尻軽で浮気性だったのか、罪もない使いの子供が殺されると言う理不尽な成り行きには言葉もない・・。
母国の妻も夫の心が日本に向いているのを察したのだろう、探偵まがいに後を付けたのか、仔細を中谷美紀に訊いたのだろう、手の込んだ恋文を残したものだ、妻の心、夫しらずというテーマなのだろう。
只管、ムーディーに映され語られるのだが作者の勝手な思い込みがベースだから外国人には共感を得ても日本の文化を知る者としては違和感が拭えない。
例えば内儀の色目や容姿に魅せられるのではなく旅先で死にかけ献身的な看病で救ってくれた村娘が忘れられないとか心のつながりに振ってみるのはどうだろうとか勝手に妄想が膨らみます。
坂本龍一の音楽もムードを盛り上げるのだが、作り物の臭いが増したようで酔えません、これだけ豪華な日本のメンバーが参加していても監督と腹を割って話せる人がいなかったことは残念・・。
2007年で、これですか
「レッドバイオリン」などの作品で知られるフランソワ・ジラール監督が、マイケル・ピット、キーラ・ナイトレイを主演に迎えて描く、ラブストーリー。 江國香織著「冷静と情熱のあいだ」に、次のような記述がある。「イタリア人なんて、嫌い。中国人も、韓国人も、日本人も、みんなアジア人で一つにしてしまう」。そんな一文が、妙に心に刻まれている。イタリア・・合作映画である本作の製作国に、その名前はあった。 冒頭から、観客は完全に置いてきぼりを食わされることになる。「彼女と、出会うところから物語は始まる・・」当たり前やないかい!という突っ込みを抑えつつ、気を静めて物語に付き合ってみる。 登場人物の性格、心の葛藤、時間と共に移ろい行く男女の想い。ラブストーリーという世界を成立させるために必須となるこれらの要素が、見事に抜け落ちている。日本に行きます、帰ります、また日本に行きます、帰ります。その道中を徹底して排除し、流れるような季節の移ろいも、人の老いていく輝きも全く感じられない。 では、日本という国を正しく、偏見を取り払って描けているかというとこれもまた、悲しくなる程に「ゲイシャ・フジヤマ・ハラキリ」のレトロタイプを踏襲している。本作が作られたのは2007年、近年といっても良いのだが、まだ浅草で着物に感動する外国人の視点で日本が描かれている。 結局のところ、日本が合作国にクレジットされているのは、日本人俳優を出すから内容には文句言わないでね?という暗黙の了解が働いているだけにすら見えてくる。 雰囲気で純愛を描こうとしても、名の売れた主演キャストだけ呼んでも、観客は誰にも感情移入できないままに、最後まで違和感と不快感に支配されてしまう。シルクという名前を冠した割には、その意味も美しさも作り手はあまり興味なし。ただ、「二ホーン、ジャポーン」美を多く、多くのようで。 「愛は運命に紡がれ、永遠になる」というキャッチフレーズが無益に響く。どこに、紡ぐ要素があるというのか。ぶちぶちと切れて、糸にもならない。
Give me a child (子どもを授けて)
映画「シルク」(原題・SILK)(フランソワ・ジラール監督)から。
最近、映画を観ながら、英語が耳につくようになった。
もちろん「字幕なし」では、無理だけど・・。
今回は、ちょっと、艶っぽいフレーズである。
女性からエッチを求める時に、使って欲しい。(笑)
(『R15指定』の一言も、初めてかもしれないな)
そんな時の台詞なんて、どうせ2人なんだから、
ダイレクトでいいんじゃない?という意見に
真っ向から反対はしないけれど・・。(汗)
今回は、へぇ、こんな表現の仕方もあるんだ、と
けっこう楽しくメモをした気がする。
男って意外と「ロマンチスト」が多いから効果があるかも。
でも、やっぱり日本人らしく、小さな声で言葉短く
「ねぇ・・・欲しいの」も捨てがたい。
「だっ、誰に宛てた『気になる一言』?」と言われそうだから、
本日は、このへんで、おあとがよろしいようで。
ではまた。(手は股)(汗)
全てにおいて…
一体作り手は何を伝えたかったのか。何で「絹」なのか?日本の女への主人公の想いは?妻への愛は?あのオチは?……「どうでも良い」。そんな投げやりな言葉がスクリーンから返ってきそうだ。そんな演出・脚本・演技(主役の)そのすべてに意気込みが無い「取り敢えず作った」という感じの作品。ディテールも凄くいい加減(ツヤツヤ顔でシベリア越え日本渡航はないだろ)で呆れてしまう。
アルフレッド・モリーナとキーラ・ナイトレイは頑張った。中谷美紀はTVドラマ的演技だった。あそこで泣く役どころじゃないでしょう。
絹肌作品。
題名の「シルク(絹)」そのままに滑らかな流れの作品でした。
カナダ/フランス/イタリア/イギリス/日本 …^^;と、
これだけの国々が製作に絡んでいるというのに、出来上がりは
とってもこじんまりとした趣の夫婦愛に彩られた情愛の物語。
冒頭からどっぷりとその映像美に酔い、苦悩する主人公と共に、
絹糸を手繰り寄せるような物語の運びに、とろ~んとする感じ。。
あ、決して眠くなるという意味ではないですよ^^;
というのは、もっとスケール感を出した超大作。っぽいものを
自分が連想していたからなんでしょうね。
大作には違いないものの、テーマはコレ!というものに重点を
置いているので、あっちこっちよそ見をしないで済むというか。。
ま、よそ見をしているのは主人公なんですけどね(^^ゞ
蚕卵の買い付けのため、遠く離れた日本へ単身で渡った主人公。
そこで養蚕業者が連れていた娘(少女、とあるがそうは見えない)
に一目惚れ。来る日も来る日も彼女のことが頭から離れなくなる。
最愛の妻は、何度も渡航を繰り返す夫に、何も問いただせない。
すべては町を救うため。誰もがそう信じて待っていた矢先に…。
どこかのサイトの感想で、チラリと読んでいたのですが、
こういう展開の物語だとは知らなかったので…結構意外でした。
主人公はもちろんM・ピット。そして妻はK・ナイトレイ。
二人の出逢いから結婚、離れ離れの生活、妻の為の庭園造り、
いろんな出来事が二人の間に流れていくのですが、
観終えていちばんに感じたのは、この妻の情愛の素晴らしさ。
終始控え目で目立たなかった役どころの彼女こそが、
この物語のキーを握っていたのです。あ~そうだったのか…!
日本人俳優たちも、役所広司・ 中谷美紀・國村隼など
錚々たるメンバーで、観応えは十分です。
だけどやっぱり、最後にはK・ナイトレイなのですよ~^m^
シルクは、肌を包みこむしなやかさと丈夫さがウリですね。
汗をかいたら吸湿、すぐに発散、身体に不快感を残さない。
だから絹糸で作られた肌着は、高価でも皆に好まれる…。
もしもこれが人間だったなら…と私は思いました。
つかず離れず、鬱陶しくならず、なによりも心地よい存在。
よく「赤い糸で結ばれている」なんていうけれど、
永遠という意味でなら、本当は絹糸なんじゃないのかな^^;
幻想と実体の把握を、最後まで美しい庭園の中で締めくくる
ラストの余韻は、ほんとうに素晴らしかったです。
いやしかし~。苦悩するM・ピットは久々にいいですねぇ。
「ヘドウィグ~」をまた観たくなったぞ♪
(芦名星と本郷奏多には名前が無かったんですねぇ(汗)あらま^^;)
謎は湯煙とともに
まさしく絹のような手触りの、フワリとした不思議な映画。
突っ込みをいれようとすればいくらでも出来そうなものですが、そういう映画じゃないだろうなと思いました。これは、ある種のファンタジーでもあり、愛するという抽象的なことを映像化してみた……というような雰囲気を感じました。それでも、もう少し謎の日本人少女(芦名星)について具体的な描写があるとよかった気も。あれではミステリアスすぎて……(笑)。最後はお湯に沈んで終わり…? 謎は湯煙とともに消えゆく……。
その後が少し知りたっかなぁ…という気はしますが、まあ、これはこれでよしということで。
たゆたう世界観
もともとアクション専科の私が何故、映画館に足を運んでしまったのか…。 原因はあのTVCM。坂本龍一の音楽に乗せて、マイケル・ピット(あのラストデイズゥ!?)、キーラ・ナイトレイちゃん、芦名星ちゃんの神秘的な表情…そしてあのナレーター、「あなたは何故、何度も日本へ行ってしまうの…」。 頭の中で物語が勝手に膨らむばかり…。観たい……。 あの全編を通してのゆったりとした感じ、愛妻との他愛ない語らい、静かなテンポの割りにテンポ良く進む旅行、別世界の様な日本…。 全ての要素が心地よく、邪魔をせず、流れに乗って、すんなり映画の世界観に浸れました。 うん、全然退屈しなかったなあ。 でも不満も無いわけじゃない。芦名星ちゃんとピットの惹かれあう時間の掛け方がどうも短い気がしてならない。あの短期間でそこまでのめり込んじゃう?みたいな…。まあ、個人的にもうちょっと星ちゃんが観たかっただけなんスが…。 あ、それで総評は、『エレーヌの様な出来た奥さんが欲しいなあ』です(何言ってんだ…俺)。 それと、中谷美紀ティーの流暢な英語に感心しました。
切ない女の心の内。
静かで滑らかで。シルクというタイトルに相応しい音と映像に目を見張る。 日本に入っての家屋の雰囲気や衣装は質素でいいけれど、どことなくやはり日本という「世界」は描かれていなくて、そこがこの映画の弱点。時代感も微妙。しかしながら、それを超えるような心の物語がユラリと観客を誘っていく。 マイケル・ピットは期待以上に良かった。後半の味のある演技は深い。そして、キーラの良妻ぶりも素晴らしい。キーラはすごい女優になるかもしれない。 ラストシーン。深いよ。
スベり落ちる余韻
描かれる日本は, 「SAYURI」のような外国が抱く幻想の世界。 神秘的にするのは良いとしても, いい加減,スケベなイメージは払拭してほしい。 見た目は美しい芦名星の描き方に違和感。 不可解な行動にハテナ? 彼女だけじゃなく全ての登場人物の描き込みが浅く, 結果,中身が薄いドラマが退屈。 ラブストーリーを際立たせようと, 終盤,意外な展開を見せるものの, それまでの蓄積が何も残っていないから感動せず。 日本に行くのは一回にして, その分,滞在の密度を濃くした方が, 帰国して後ろ髪引かれる理由が分かるし, 手紙の真相に気付いたエルヴェの後悔も響くと思った・・・.
最後は涙
確かに日本というよりは異国という描写でした。
日本までの道も淡々と描かれてましたし。
とにかくマイケル・ピットとキーラ・ナイトレイがよかったです。最後のシーンは羨ましかったです。
予告の「彼はなぜ何度も日本にいくのだろう」を思い出すとこみあげてくるものがあります。。。
世界の果ての風景
世界の果ての美しい風景と、坂本龍一の音楽が印象に残る映画だ。
触れるか、触れないかの、シルク一枚分ほどの、男と女の距離間・気配がかもしだす色気には、おっちゃん大興奮! 想像力をかき立てる、これぞエロス!
十兵衛の妻と思われる少女の、ん?と思わせるシーンでは、後にオランダ人商人の「彼女は外国人らしい---」というセリフが用意されている為、それもアリかと思わせる。
ラストのほうでは、涙腺の緩みだしたおっちゃんの頬に、涙はつたうとはいえ、古くささを感じるテーマだ。
何処か遠くに何かがあるのでは?と世界の果てへ旅する男と、目の前の、心の果ての愛を見つめ、花を育てる、男と女の平行線---みたいな。
失なわなければ、大事な物が分からないとは、男よ愚かなり。
純文学の世界
純文学の世界なんでしょうか、、、 美しいフランスの田舎の風景、幻想的な日本の山村の風景。 美しいフランス人の妻、まるでシルクのように美しく妖し気な日本女性。 西洋と東洋の対比を素晴しい映像で表現しています。 この映画にリアルさを求めては、いけません!! ツッコミ所だらけですから、、、w( ̄▽ ̄;)w フランス人なのになんで英語なの? 山奥に住むハラジュウベエ(役所広司)が英語ペラペラなのは、、、? 危険な旅なのに、あっさりと3往復も出来てる、、、? なんであんな山奥まで行かなくてはいけないの、、、? あんな少量の蚕卵でいきなり大金持ちになれちゃうの、、、? え〜っと、それから、、、あれもこれも、、、いやいや、だから、そういった不自然な点は、気にせずに観なくてはいけないのです、、、、(≧◯≦)ゞ 純文学の世界にリアルさは不要なのです。(たぶん、、、いや、きっと、、、) そんな訳で純文学小説を一切読まない私には、つまらない映画でした。 それでも寝不足なのに、寝てしまう事無く観れたのは、芦名星の美しいヌードとベッドシーンのお陰でしょうか、、、、そんな事はないけどね(*´Д`*) 美しい映像、驚きのラストなど、良い点はありますが、何か物足りない、、、 2時間半位にして、もっと内容を濃くすれば、面白い映画になったのかもしれない。 しかしそれでは純文学的な映画でなくなってしまうのだろう、、、
ツッコミどころもあるが、ラストでなんか納得
美しい景色とともに綴られる壮大な愛の物語で、主演のマイケル・ピット&キーラ・ナイトレイは見た目も良いし素晴らしかった。
が、どうしてもぬぐえないこの違和感は、やはり日本の描写だろうか。“ミステリアスな美しさ”を表現するはずの少女(芦名)の所作は、むしろ滑稽でちょっと笑えた。
でも、ラストですべて納得させられてしまう。
ナイトレイ演じる妻の想いに胸が熱くなった。
先述の違和感も“日本”ではなく“どこか遠くの異国”だと思うことができれば、そんなに気にならないのかも。
この手の作品(日本を扱った洋画)を日本人監督がを撮ればいいのになー、と思うのは自分だけだろうか。
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