「ほとんどすべての人に過酷な国」ノーカントリー redirさんの映画レビュー(感想・評価)
ほとんどすべての人に過酷な国
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アメリカは、ひろい。ほんとに、何もかも大きくて、このあたりの風景は荒涼としてこの距離感スケールにめまいがする。おかしなボンベ付きの武器を手に全く自分の思考回路外のことは意に介さないシガー、なぜこのような男が雇われ仕事をしていたのかも不思議。
一人一人のキャラがよく設定されていて面白いし、何はなくとも古き良きアメリカみたいなものがある世代までは共有されててベトナム戦争ぐらいまでは繋がりがあったといえるのか。ベトナム戦争の経験を共有できる人らは、その後の人生の明暗などを人心として感じることができそこに関わりが生まれる(国境を突破できたり)しベトナム戦争以降の戦争体験は負の遺産として兵士たちの人生にのしかかる。
最後の、シガーが怪我をして少年からシャツを買い口止め料を渡し何事もなかったように立ち去るシーン、少年はシャツはタダで良いと真っ当にするも100ドル?対価としては大きな
紙幣をうけとり買収成立。年老いた老人に厳しくようしゃない国、丁寧な言葉を話さなくなった今の国で10歳そこそこの子どもも人心も善意もなく育っていき、シガーは野放しだ。年寄り、現役ではないもの、ただ単に歳を取ったものや、傷を負い犯罪や戦争や悪意の犠牲になり役に立たないものにとってばかりではなく、No country for everyoneだなと思い、そして今2020年代、もはや、no world for everyone じゃない?
スクリーンで見たかったけど配信で拝見しました。音楽での抒情なし、効果音がとても神経に触る、ドキドキ感や絶望感を与えてくれた。
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