大いなる陰謀 劇場公開日:2008年4月18日
解説 トム・クルーズが自らエグゼクティブを務める新生ユナイテッド・アーティスツの第1回作品。ロバート・レッドフォード、メリル・ストリープ、クルーズの3人を主演に、対テロ戦争を推し進める若き政治家(クルーズ)と彼の考え方に疑問を抱く女性ジャーナリスト(ストリープ)、そして教え子を戦地へと送り出してしまった大学教授(レッドフォード)のそれぞれの立場や思惑を描きながら、現在のアメリカの対外戦略の問題点をあぶり出す。監督は本作で長編7作目となるレッドフォード。
2007年製作/92分/アメリカ 原題:Lions for Lambs 配給:20世紀フォックス映画
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2021年5月27日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル
評価があまり高くないのが不思議なくらい私には良かったです 頭ごなしのお説教にはなってない考えさせられる作品でした 常にエリートだから戦地で危険な目に遭うことのない元軍人の政治家のトム・クルーズのいろんなセリフがリアル、実際の政治家もこんなふうに机上の戦争をしているような プロバイダになりたくないジャーナリスト 学費のために従軍する未来に希望を持った元生徒 今を楽しもうとする無気力に思える生徒 虚しさを抱える教授 現実の世界もこうなのかも
2021年5月7日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館
メッセージ色が強すぎることや、ほとんどが会話を読むことに集中させられるという、ちょっと変わった映画だった。ドラマチックな展開もごくわずか。それでも「今、言わなきゃいけない」というロバート・レッドフォードがメガホンをとった心意気を感じるのです。折しも4月17日に名古屋高裁での違法判決が初めて下されたという新聞記事を読んだばかりで、イラクからの軍を撤退させたいとする映画の内容と妙に被ってしまいます。 新聞といっても、産経や読売などは不当判決と受けてめているようなので、意見の違いはそのままトム・クルーズ演ずるアーヴィング上院議員とメリル・ストリープ演ずるジャーナリストの議論にも通ずるのかもしれない。映画ではこの議論(とは言っても、独占インタビューなのだが)の他に、戦地へと赴いた学生(マイケル・ペーニャ、デレク・ルーク)のエピソードと、その2人の学生を心配する教授(ロバート・レッドフォード)と教え子(アンドリュー・ガーフィールド)とのやり取りという3本柱で構成されています。 トム・クルーズは大統領に一番近いと言われるほどの共和党議員。自分を信頼してくれているメリル・ストリープにプロパガンダともとれるイラク戦争における新作戦を提示。過去を反省しつつも戦争を終結するためには“勝つこと”だと力説する。Whatever it takes・・・。この2人のやりとりはそのまま共和党と民主党との議論にも思えるし、イラク戦争を肯定的に受け止めるアメリカ人への啓蒙メッセージにもなるのだろう。局に帰ったストリープがこのまま放送すべきかどうか苦悩するところも、マスコミが政府の宣伝基地になっていることを訴えてきているのでいい感じだ。 戦争に徴兵されたのではなく志願(volunteer)した学生2人。教授のクラスでは徴兵制について皮肉をこめて発表しているところも興味深いし、2人がヒスパニックとアフリカンアメリカンであることや最悪な地域で育った境遇についても考えさせられる。そしてベトナムの轍を踏むこともそれぞれの会話で語られている・・・そんなことわかりきってる!と思うけれど、ここまでハッキリと映画で語ることに意味があるのかもしれません。 何のための戦争なのか?!徴兵制、人種問題、マスコミ、政治・・・考えさせられるテーマがてんこ盛り。ようやくアメリカ内部から反戦の動きが出てきたのかと感じる良心的な映画ではあるけど、ドラマ性がないことと、最後には「想像してください」と言わんばかりの丸投げになっているところに評価が分かれるところ。名の売れた俳優ばかりだし演技についても文句はないし、特にトム・クルーズの嫌味な政治家ぶりが良かった。 それにしても、翻訳がやばい・・・誤訳もあったようだし、何しろ後半になってからの会話のキャッチボールが不自然すぎる。こんな字幕で理解しろというわけで???この“で?”によって翻訳者がわかってしまった・・・このおかげで減点せざるを得ない、あぁ・・・ 【2008年4月映画館にて】
2020年11月25日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD
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現状のアメリカの若者の政治的無関心にマイケル・ムーア流とは違った知的なアプローチで一石を投じたかったのでしょう、レッドフォードが製作・監督・出演と大変な思い入れです。 ただ、邦題の「大いなる陰謀」や豪華出演陣から壮大なポリティカル・サスペンスを想像しましたが混迷の現代社会に対する問題提起を行う会話劇、答えは皆さんで考えてくださいという結末ですので映画化の意義は別として、楽しめる部類の映画ではありません。 9.11を契機としホワイトハウスとメディアが起こしたイラク戦争を背景として、形骸化したジャーナリズム、相も変わらず国威高揚を唱える共和党の若き上院議員、若者の政治離れに悩む政治学の教授の熱意が仇になる様などがシニカルに描かれる。 原題のLions for Lambsは「臆病な子羊に操られるライオンは恐れるに足らない」と言ったアレキサンダー大王の格言から派生しているのだろう、上院議員の部屋にはセオドア・ルーズベルトの「平和と正義を選ぶなら私は迷わず正義をとる」といった書が飾られていた、歴史は勝者によって書き換えられるものでもある、今更ながら難問を突きつけられてしまった映画でした。
2017年7月19日
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