ブレードランナー ファイナル・カットのレビュー・感想・評価
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赦し
雨に反射するネオンの圧倒的な光量、梟の目や折り紙の暗示など演出力が際立っている。
しかし冴えた画作りに対し、役者の演技にはまるで興味が無い監督の姿勢が、デッカード怒りのハラスメントを誕生させたのだが、このシーンのせいで2人の愛に疑問符が付く。
ロイの例の行動は人間性からでは無く、レプリカントの条件反射と解釈しており、その悲しみをもって自由意志と生殖機能のある人間に十字架のバトンを繋いだと感じた。
監督のレプリカントの解釈はころころと変わるが、非常に興味深く、彼の作家性を自覚無く開花させた魔性の作品と言える。
やはり名作
劇場で『ブレードランナー2049』を観たので、その復習として久しぶりに前作を視聴。「ファイルカット版」は初めて観たが、リマスター効果は絶大で、映像はオリジナル版に比べて相当綺麗に仕上がっている。他に類を見ないディストピア的未来世界のスタンダードを提示したという意味で、やはり不朽の名作だと再確認。
it’s time to die
いつの日か死を迎えるのは人もレプリカントも同じ。レプリカントの死にざまは美しく、いずれも生への執着を示す。何故、死が与えられねばならないのか。レプリカントであることがその理由になるのだろうか。同じことは異人種であろうが異宗教であっても、どの国にあっても同じ。生けるものは等しく生に固執する。
見返せば見返すほど
2007年にファイナルカットバージョンが出たのが本作を知ったきっかけでした。それはこれまで自分が見てきたハリウッドの近未来映画の風景では見たことのない世界、けれどどこか見覚えのあるような世界でした。一度見ただけではすぐ理解できませんでしたがwどこか引き込まれ、BSでの放送、ブルーレイなどで何度も見返すくらいハマりました。
取り上げている「人間らしさ」という本当に難しいテーマに、完璧な答えを提示するわけじゃなく、あえて見る者に改めて問いかける本作のスタイルこそハマっちゃった理由だと思います。あと謎が多い。マジで多いw 「初登場時にこれ、受け入れられたのかな?」っていうレベルで独創性が全開しております。これらには答えはあるんでしょうか?
近々、新作をみる予定なのでレビューしてみようと思ったのですが、これまとめるのは難しいわw
でも個人的にはハマりました!まあ、こういうもんですよ、カルト映画ってのは。
85点!
アンドロイドは人の夢を追い求め続け…
いよいよ公開迫った『ブレードランナー2049』。
35年振りの続編を前に、前作を予習。見るのは一体いつ以来か。
初見時はそのビジュアルが強烈に印象残ったが、話の方はなかなかに難しく…。
以来ちょっと敬遠するようになり、同じSF映画の名作でも『スター・ウォーズ』や『エイリアン』ほど慣れ親しんでないのが本音。
オリジナル劇場版、インターナショナル版、ディレクターズ・カット版、ファイナル・カット版…数あるバージョンの違いすら分からず。
なので余計な事を一切考えずに、初見のつもりで鑑賞。
ストーリーとビジュアル、どちらを先に語るか悩むところだが、やはり今も尚鮮烈なビジュアルから。
空は暗雲が覆い、スモークが立ち込め、酸性雨が絶えず降り注ぐ。
一見高層ビル群が立ち並ぶが、その陰に潜れば、人ゴミでごった返し、退廃的。
近未来と言えば藤子・F・不二雄の世界で描かれるような明るい近未来を思い描いていた初見時まだガキんちょの自分にとっては衝撃的でもあった。
今思えば、これも敬遠してた理由の一つかもしれない。
未来は何も明るい未来とは限らない…。
それを強烈なまでに知らしめた。
一度世界が荒廃したら、国も人種も無い。
様々な国や人種が入り乱れる中、一際印象残るのが、日本人だからかもしれないが、日本要素。
日本語の看板やポスター、チラシ、芸者の映像や音楽、街中のガヤも時々日本語が聞こえ、屋台のオヤジはやたらと“2つ”を薦めてくる。あの芸者の広告の薬は昔よく食べてたっけ。(懐かし~!)
監督が来日して影響受けたというギラギラ妖しいネオン街。
日本要素が『ブレードランナー』のビジュアルや世界観に一役買ってるのは、日本人としては嬉しい限り。
『~2049』でも是非、日本要素が継承されていて欲しい。今ハリウッドが贔屓してる某国色じゃなくて。
シド・ミードが手掛けたデザイン、幻想的な世界観を醸し出したヴァンゲリスの音楽。
映像センス、SFセンス、美的センス…いずれもリドリー・スコットの作品の中でも随一。
ストーリーは改めて見ても、確かに万人受けするような代物ではない。
宇宙での奴隷労働を強いられる“レプリカント”と呼ばれるアンドロイドが地球へ脱走、“ブレードランナー”と呼ばれる捜査官が追う。
SFアクションもしくはSFサスペンスのような一応のあらすじではあるが、娯楽性を期待するとKO。公開時のキャッチコピー“2020年、レプリカント軍団、地球に宣戦布告!”なんて、一体誰がどう見て、どう付けたんだ?
主人公はハリソン・フォード演じるブレードランナーのデッカードだが、やはりどうしてもレプリカントたちの彷徨を追ってしまう。
人間が創造したアンドロイド。が、彼らも怯え、哀しみ、苦しみ、血も流す。
“我思う 故に我あり”
レプリカントとは? 人間とは? 自分は何者か?
レプリカントが抱く葛藤や感情を通じて、人間とレプリカントの一筋縄ではいかない存在意義を投げかける。
それらを体現したレプリカントのロイの狂気の中に滲む悲哀。ルドガー・ハウアー一世一代の名演。
色褪せないビジュアル、テーマ性…。
改めて見て、“伝説”と評される所以が分かった気がした。
人の夢を追い求め続けるレプリカントたちは…?
あの後、デッカードは…?
『~2049』公開まで後少し!
唖然
最初見た時は、大学時代。
当時は、雨が降り続ける汚い街の近未来像にインパクトがあったけど、時代設定が2019年とは。あと2年
当時は感じなかったが、“記憶”の刷り込みに気付いたアイデンティティ喪失の恐怖。
同様のマトリックスでも感じた、今の現実の喪失の怖さ。作品本来の意図とは異なるかもしれませんが
ブレードランナー ファイナル・カット
植民惑星から4体の人造人間=レプリカントが脱走した。
彼らの捕獲を依頼された“ブレードランナー”デッカードは、
地球に潜入したレプリカントたちを追うが……。
「ブレードランナー」の5つのバージョンの最終版。
当時新しかった退廃的で混沌とした世界観は、
今見ても斬新に感じます。
大都会で孤立しているレプリカンが、
自分の存在意義を問いかけるというシンプルな話。
ルドガー・ハウアー演じる反乱者のリーダーのロイが、
敵役なのに魅力的なキャラクターでした。
それにくらべ、
主人公のデッカードは終始情けなさを漂わせています。
レプリカントたちにボコボコにされた上に、
最後にはロイに命を救われる始末です。
奴隷としてこき使っていたはずのレプリカントですが、
反逆されると人間は成す術もない姿が描かれてます。
なんせ謎が多い映画なんで、
観てる側があれこれ想像して楽しめる。
いまだに古びない
封切り時からあらゆる形態で数限りなく観てきても、モノローグがないのを劇場で観るのは初めて。
そして大画面で観ると未だに新しい発見がある。
レイチェルの写真、動いた?音も出た?
そしてチネチッタのLive Zoundとやらのお陰か、劇判がこんなに細々した要素に彩られたものだったと初めて気付いた…
映画そのものが未だに全く古びていないことに改めて驚かされる。
でも、エンディングテーマは変わったよね、コレ?
あとやっぱユニコーンは要らないし、「アイ ウォント モア ライフ ファッカー!」じゃないとね!
爆音祭
新しく公開されるブレードランナー2049のための予習として、丸の内ピカデリーで鑑賞。
自分が生まれた時代に描かれた近未来。時空が曲がったような世界観と、まだ先の未来に考えさせるような倫理のテーマ、映像も古く新しくオリエンタルな妖しさがあって、設定にとてもワクワクした。
人間型のアンドロイドやクローン系のストーリーは鑑賞後の余韻が切ない。
爆音祭ということだったが、耳に優しい爆音で臨場感があって良かった。
2019 酸性雨に煙るロスが主役
85年–86年の空前のビデオブームの頃、何度となく借りて、その度に途中で寝てしまった因縁の映画、その名はブレードランナー。
82年の公開当時のことももちろん覚えています。当時、バン・ソロで一躍有名になったハリソン・フォード主演のSF大作。高校生だったころ、部活に明け暮れて映画館で観ることは出来なかったのですが、しっかりコケたこと、覚えています。ハリソン君はスターウォーズの後、ハノーバーストリートと言う大戦恋愛映画のあと、レイダースの前後にこの映画に出たのではなかったでしょうか?
そういえばレイダースもなぜか日本ではヒットしなかった覚えがありますが。
またブレードランナーと言えば、ヴァンゲィリスのエンドタイトル。知る人はほとんどいないとは思いますが、84年–85年にマツダサバンナRX–7のCM曲として使われてました。当時はブレードランナーのサントラは発売されてませんでしたが。この30年間、私の愛聴ソングです。
さてそんな曰く付きの映画、遂に映画館で生まれて初めて通して鑑賞することが出来ました。
それも爆音上映です。幸せでないはずはありません。
あくまで主役は2019年のロスです。核戦争も無く、荒廃して行く世界を描いています。今年観たライアン・ゴズリング主演のベストガイズでは72年のロスが舞台でしたが、街を俯瞰で撮った冒頭のシーンは私にとっては対比できるようなシーンでした。最近の映画では40年前の街を描こうとして、35年前は40年後の街を描こうとして。
そして描かれる2019年の街にはなんと多くの日本語が聞こえることか。改めて観て思うとともに、80年代のジャパンパワーを感じました。
言い古された言葉ですが、訳もなく死にゆく街は魅力的です。
さてハリソン君。改めて見直して、なんと間抜けで弱っちょろいのか!
無防備な相手(女性)を背後から撃つくらいで、後の3人に関してはラッキーな展開。2049の予告編で『昔は腕が良かった』的な発言がありますが、多分そんなことはない。
但し、この映画のメッセージは明快。原作通りにアンドロイドも電気羊の夢を見ることは出来る。それをルドガー・ハルアーの顔芸で魅せてくれている。その演技に満点。
そしてハリソン君のピアノ脇の写真にも◎。でも続編が出来たことでレプリカント疑惑はあえなく払拭。
折り紙◎。これあってのブレードランナー。
ヴァンゲィリスのエンドタイトルまで楽しめました。
ファイナルカット爆音2300円その価値は、、ある! 公開当時田舎の...
ファイナルカット爆音2300円その価値は、、ある!
公開当時田舎の中2の為、またファイナルカット公開時はTV放映、ビデオ、DVD等で鑑賞済みでしたのでスクリーンで見るのは初。何度も観た既知のストーリー、なのに頬をつたう涙。大スクリーンのお陰か、歳の所為なのか?まだまだ上映予定あるようなので是非劇場へ。
ユニコーンについて少し。公開当初カットされていたデッカードがみるユニコーンの夢。そのため折り紙の意味が曖昧になり、かなりの不満を抱えたリドリースコットは次作のレジェンド(1986 トム クルーズ主演、我らがフランケン フルターことティム カリー怪演)にユニコーンを登場させたり、作品の編集権獲得、又、伝説化に一役買っているものと思われます。答えは新作の中で明らかになる筈でしょう。
伝説的な映画?
巷では伝説的な映画と言われている本作、初めて見ました。デジタルリマスターされているためか、あんまり古くささは感じなかったものの…。
人間の傲慢さに対する警告か?
解釈が難しい。
舞台となっている時代は、再来年(2019年)だけど、なかなか未来のテクノロジーを予測するのは難しいことがよくわかって、面白かった。
素晴らしい
今、この作品をビデオレンタルや配信で見てもそこまで感動は出来ないかも知れません。ですが、音響の良い劇場で見ると「やっぱり映画は劇場で見てこそ」だと実感できます。そぼ降る雨、スチームと炎にまみれた夜の情景、間接光に照らさせる屋内、レプリカントの悲哀、多様な受け取り方の出来るラストカットを含めて、全く色褪せないサイバーパンクSFの祖にして決定版たる堂々たる作風を堪能しました。
続編公開に併せてのプレミア上映である事は明白ですが、ここまで本作が素晴らしいと、続編には不安しかないのが正直な所ですね。杞憂に終わればいいのですが。
爆音映画祭
今まで何度か観てはいたがその度にイマイチ、ピンと来ない感想で。
個人的にイメージしてしまっていたアクションやテンポ良く進む訳では無い展開と基本的に暗い印象。
圧倒的な映像のLOOKに独特な雰囲気と圧巻なヴィジュアルにハードボイルド漂う渋い感じと今更ながらに傑作と唸りました!?
主役のデッカードの存在感は薄くなりレプリカントの悲しい生き様に感情移入し世界観に魅了される。
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