ブレードランナー ファイナル・カットのレビュー・感想・評価
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ノワールな世界観が特異な名作
映像の魔術師リドリー・スコットによる緻密な画作り、退廃的でノワールな世界観が特異な名作。
近未来、レプリカントと人間という対立関係がはっきり在りながらも戦うこと(アクション)に重きを置かず。
また、現代にも通用するクオリティにある背景もただの画として使う作風は、今現在の映画に於いても一線を画す。
征服や復讐では無く、ただ生きるために戦うレプリカントの姿は人間以上に人間的であり、意外な結末にも考えさせられるものがある。
間違いなくSFの名作であり、映画史に於いて重要な意味を持つ一作だ。
完璧というほかない総合芸術
内容は92年の「最終版」とほとんど変わらないが、細かい映像処理や数カットの挿入を施して完璧な形になった。特に注目してもらいたいのは、ロイ・バッティ(ルトガー・ハウアー)が果てた後に、鳩が空に飛び立つワンカット。あそこは「最終版」でも空が晴れていたために違和感があったが、ファイナルカットで完全に払拭された。
監督のリドリー・スコットが目指した「21世紀のフィルム・ノワール」に古典ホラーの「フランケンシュタイン」を絡ませて、「人はどこから来て、どこに行くのか」「魂とはどこに宿るのか」という哲学的な疑問を浮かび上がらせる脚本は見事。一流の美術、音楽、撮影、演技が無駄なく作品のなかに溶け込んでおり、「映画は総合芸術」ということを思い起こさせてくれる。それにしてもハリソン・フォードは「逃げる」姿がよく似合う。
意外と重く考えさせられるSF
マニアじゃなきゃ違いがわかりません
掛け値なしに近未来SFの名作な本作は、「ファイナルカット」とあります。オリジナル版は小学生のころに兄と一緒に見て、ディレクターズカット版は高校のテスト休みの時に一人で劇場に観にいったのですが、その後、さらなるヴァージョンがあったなんて知りませんでした。
これはディレクターズカット版から、さらに編集を進め、現代のCG技術を加えられているのも分かりますが、それ以外に何が変わったのかさっぱりわかりません。ネットで調べると、カットのつなぎ方やバックグラウンドの音声を加えているとありましたが、そんなことわたくしにはさっぱり気づけませんでした。
まぁ、そういった新版を出しても見たがるマニアがいる程に、本作が名作なのは分かりますがね。
お話は2019年。地球環境の悪化によって宇宙に移住しようと開発を進める人間が、レプリカントと呼ばれる複製人間をつくって、宇宙で作業奴隷員として働かせる時代設定です。ストーリーは、脱走したレプリカント4人と、その4人を抹殺せよと以来された専門の警察官(ブレードランナー)の対決となっています。
今回、改めて観ておもしろいと思ったのが、高度な知能をもつレプリカントのボスの言う言葉が、実に詩的だったということです。知性が発達すると、人は世界の事象を描くうえにおいて、詩的言語を使うという高度な解釈にも、本作がアートの領域に入ってしまっている理由が伺えます。
主演のハリソン・フォードは文句なしの好演。善悪を簡単に線引きしない、本作の彼の演技、とてもいいです。この人の演技(というか存在感)には現実感があるのです。だから心情にも入っていけるし、説得力があります。そして、映画そのものをどこか突き放してるスタイルも感じられます。この人と比べると、日本映画の多くに欠けているものが何なのかよく分かります。
映画をあまり観たことない人に絶対勧める一本に、わたくしは本作を必ず入れるでしょうね。
闘いの最後に、レプリカントが言う言葉は初めて観た頃から今まで、ずっと心の深い所に残っています。
27年前の映像とは思えない!!
サイバーパンクの金字塔がやっと完成!
本作オリジナルやディレクターズ・カットを観た人やSF映画が好きなら必ず観て欲しい作品。これを観ないと監督の全ての映像イメージが伝達されない。それほど鮮明に映像が公開当時以上に復刻されている。
新宿バルト9で観て来ました
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