ブレードランナー ファイナル・カットのレビュー・感想・評価
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私の英語の教科書
1985年に友人に勧められてテアトル吉祥寺で見て以来、私のライフムービーになった。その後ビデオを擦り切れるほど見たので、セリフも覚えてしまった。
デッカードがレイチェルに怒って本気を気持ちを伝える場面、ロイが最後にデッカードを救った後、雨の中で最後の気持ちを振り絞る場面。何度見ても泣けます。男として最高にかっこいい。
セリフの一つ一つが短く、味のあるハードボイルド。情景と共にセリフを覚えられる、最高の英語の教科書だ。
映画全体を通じて、人間の尊厳とは何かを感じさせる、作り手のハートがあるから何度見ても飽きないんだと思う。この映画をさりげなく勧めてくれた友人に感謝している。
序盤の映像は映画遺産
序盤のわくわく感がハンパではない。
ほんとに捨てカットがない。圧倒的イマジネーションが創り出した世界観は、何年たっても未だにかっこよい。
ハリソンフォードの地味な感じはある意味ミスマッチのようではあるが普通に演技してくれるので世界観を壊さなくてよかったんでしょう。
これがブルースウィルスかスタローンだってみ……。
後半はちょっと失速。
SF映画の金字塔
もう、初代ブレードランナーが公開され、
32年の時間が過ぎた。
続編作成の噂が流れる中、テレビで
たまたま、放送されていた、
ファイナルカット版なる物をみた訳だが
まあ、30年ぶりに見てみたら、
当然の如く、初代の記憶はほぼなし。
非常にフレッシュな感覚で見ることができた。
当時みた中で、かなりインパクトがあった
アジアテイストの近未来の風景は相変わらず
素晴らしい。まだ朧気に覚えていた
ビルに投影された芸者の強力わかもと
のCMも健在でした。
みた後で当サイトのファイナルカット版の
違いなるものを読んだのだが、まあ、
ストーリーが思い切り変わるわけでもなく、
細かいプロットや新しいシーンが追加された
ようです。
また、バリバリのハリソン・フォードの
唇の端を歪める癖も相変わらずでした。
続編にもでるようですが、生きてる内に
早く撮って公開してほしいなあ。
光と影の混ざった退廃的近未来都市
総合:85点
ストーリー: 70
キャスト: 80
演出: 90
ビジュアル: 80
音楽: 75
ファイナル・カット版というのを初めて見た。通常版を見たのがいつだったかも思い出せないし、その内容をよく覚えていないので違いもよくわからない。独特の堕落した未来世界で、頭のいかれたルドカー・ハウアーがわざわざ頭突きで壁に穴を開けて登場して科白を喋ったりして、当時はわけがわからない物語だと思ったように記憶している。
さて舞台は2019年のロサンジェルス。その堕落した未来世界がやはり独特で面白い。よく聞いていると街中で時々日本語すら飛び交いや日本語の看板なんかも見られて、いろんな人種や文化が雑多に融合している。もっとも現代のロサンジェルスもいろんな国の言語が飛び交い英語以外の看板が普通にあちこちにあるので、その意味では似たりよったりかもしれない。
しかし順調には進化しきれず環境汚染され、通りはごみやがらくたが散乱し、その中を貧民がネズミのごとく生きていて、警察は空を飛ぶ車の中から降りてこようともしない。そんな陰鬱な負の雰囲気が町中を覆っている。何もかもが洗練され高度に進化した未来都市ではなく、技術は進歩しつつも貧富の差が激しくスラムが拡大し無秩序に形成された街になっている。その世界観がこの映画最大の見せ場であろう。
この雰囲気はその後のリドリー・スコット監督の映画「ブラック・レイン」の舞台の大阪にも生かされる。彼の描く大阪は2019年のロサンジェルスに進化する前の黎明期の未来都市である。彼にとって日本とはそのような退廃的都市に写っていたのだろうか。
登場人物も何かと風変わり。レプリカントはともかくとして、他は同じ人間であるはずなのに何か理性がぶっとんだ風変わりで刹那的な雰囲気の人で世界が構成されている。普通に喋り行動する人がいなくて、いつも何かしらの緊張感が漂い、また音楽もそれを助長する。その世界観と映像美が今見直してみると新鮮で衝撃的で楽しめる。これはちょっと前衛的な芸術作品のようにすら思える。
下調べなしに観た
SF映画はあまり観ないんですが、これは香港のような街並みがあり日本語もちらほら出てきてそういう面では楽しめました。
続きがありそうなラストだったけど、正直続きがあっても見ないかな、という印象。
ノワールな世界観が特異な名作
映像の魔術師リドリー・スコットによる緻密な画作り、退廃的でノワールな世界観が特異な名作。
近未来、レプリカントと人間という対立関係がはっきり在りながらも戦うこと(アクション)に重きを置かず。
また、現代にも通用するクオリティにある背景もただの画として使う作風は、今現在の映画に於いても一線を画す。
征服や復讐では無く、ただ生きるために戦うレプリカントの姿は人間以上に人間的であり、意外な結末にも考えさせられるものがある。
間違いなくSFの名作であり、映画史に於いて重要な意味を持つ一作だ。
完璧というほかない総合芸術
内容は92年の「最終版」とほとんど変わらないが、細かい映像処理や数カットの挿入を施して完璧な形になった。特に注目してもらいたいのは、ロイ・バッティ(ルトガー・ハウアー)が果てた後に、鳩が空に飛び立つワンカット。あそこは「最終版」でも空が晴れていたために違和感があったが、ファイナルカットで完全に払拭された。
監督のリドリー・スコットが目指した「21世紀のフィルム・ノワール」に古典ホラーの「フランケンシュタイン」を絡ませて、「人はどこから来て、どこに行くのか」「魂とはどこに宿るのか」という哲学的な疑問を浮かび上がらせる脚本は見事。一流の美術、音楽、撮影、演技が無駄なく作品のなかに溶け込んでおり、「映画は総合芸術」ということを思い起こさせてくれる。それにしてもハリソン・フォードは「逃げる」姿がよく似合う。
意外と重く考えさせられるSF
SFでこんなにどっしりしてるのは珍しい!ちょっとスター・ウォーズ的なのを期待しちゃってましたら痛い目を見ます(苦笑)。
植民地を逃げ出したレプリカントたちは、男女合わせて6人。そのうちデッカードが追うのは4人。
しかし優れた肉体を持つ彼らの寿命は短く… 逃げ出した理由はその辺りにもあります。必死に彼らを追うデッカードを応援したくなるも、時折悲しそうなレプリカントたちを見ると、ちょっと可愛そうに思ってしまったり…
彼らのボスは恐ろしく強く、デッカードを追い詰めていきますが、実は悪い奴じゃないんだろうなぁ…とか。
最後はなんだか切ないですね。その余韻が作品を引き立てていています。
マニアじゃなきゃ違いがわかりません
掛け値なしに近未来SFの名作な本作は、「ファイナルカット」とあります。オリジナル版は小学生のころに兄と一緒に見て、ディレクターズカット版は高校のテスト休みの時に一人で劇場に観にいったのですが、その後、さらなるヴァージョンがあったなんて知りませんでした。
これはディレクターズカット版から、さらに編集を進め、現代のCG技術を加えられているのも分かりますが、それ以外に何が変わったのかさっぱりわかりません。ネットで調べると、カットのつなぎ方やバックグラウンドの音声を加えているとありましたが、そんなことわたくしにはさっぱり気づけませんでした。
まぁ、そういった新版を出しても見たがるマニアがいる程に、本作が名作なのは分かりますがね。
お話は2019年。地球環境の悪化によって宇宙に移住しようと開発を進める人間が、レプリカントと呼ばれる複製人間をつくって、宇宙で作業奴隷員として働かせる時代設定です。ストーリーは、脱走したレプリカント4人と、その4人を抹殺せよと以来された専門の警察官(ブレードランナー)の対決となっています。
今回、改めて観ておもしろいと思ったのが、高度な知能をもつレプリカントのボスの言う言葉が、実に詩的だったということです。知性が発達すると、人は世界の事象を描くうえにおいて、詩的言語を使うという高度な解釈にも、本作がアートの領域に入ってしまっている理由が伺えます。
主演のハリソン・フォードは文句なしの好演。善悪を簡単に線引きしない、本作の彼の演技、とてもいいです。この人の演技(というか存在感)には現実感があるのです。だから心情にも入っていけるし、説得力があります。そして、映画そのものをどこか突き放してるスタイルも感じられます。この人と比べると、日本映画の多くに欠けているものが何なのかよく分かります。
映画をあまり観たことない人に絶対勧める一本に、わたくしは本作を必ず入れるでしょうね。
闘いの最後に、レプリカントが言う言葉は初めて観た頃から今まで、ずっと心の深い所に残っています。
27年前の映像とは思えない!!
27年前の映画とは思えないほどCGがリアルで驚きました。
内容は人間が作り出した人造人間レプリカントが殺人を犯し逃亡するんですが彼らはただ長く生きたいために逃亡していてどちら側が正しいのか考えさせらる映画でした。
ハラハラするSF映画ではなく内容の重たい映画なのでアクション好きの人が見ても楽しめないかもしれないですね。
サイバーパンクの金字塔がやっと完成!
本作オリジナルやディレクターズ・カットを観た人やSF映画が好きなら必ず観て欲しい作品。これを観ないと監督の全ての映像イメージが伝達されない。それほど鮮明に映像が公開当時以上に復刻されている。
新宿バルト9で観て来ました
噂が立ってから約、2年。待ちに待ってようやくスクリーンで拝めました。先行上映ではシアター9、上映から3日目でシアター5。音質は最高。都市景観などは見え過ぎる位、いかにもCGスタッフが楽しんでレストア作業をしたのが伝わってきます。ディレクターズカットとは「別物」として十分楽しめますので上映期間は短いですが是非、劇場で。ビミョウにカットが増えていたり、長かったり、新しく日本語が増えていたり、いままでボンヤリとしか感じれなかったその奥のレイヤーまで情報量はパンパン。これはDVDでは見えないと思いました。
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