劇場公開日 2008年2月1日

  • 予告編を見る

アメリカン・ギャングスターのレビュー・感想・評価

全43件中、41~43件目を表示

4.0これぞ古き、良き?、アメリカ。

2008年2月3日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

1960年代末期から1970年代前半に掛けて、ニューヨークの麻薬ビジネスを仕切った一人の黒人マフィアに関する話。実話である。

デンゼル・ワシントンの”悪役”姿が珍しいです。”悪役”と言っても、大物ギャングなので、”やり手の実業家”と言う見た目ですが、人殺しも躊躇せず実行すると言う冷酷な一面も見せています。逆に、ああ言うことを実行できるから、裏世界でのし上がれるのだと思います。対する刑事役は、ラッセル・クロウ。こう言う物語の刑事にありがちな、家庭生活は崩壊している刑事です。賄賂や脅しにも怯まない、骨のある刑事を演じています。

この映画の背景には、ベトナム戦争と中国国共内戦が影を下ろしています。ベトナム戦争では、米軍兵士への麻薬汚染が問題になっているのですが、それが無ければ、デンゼル・ワシントン演じるフランク・ルーカスは、麻薬を入手できなかったでしょう。また麻薬は、中国国民党の残党がタイ・ビルマ・ラオスの奥地で経営している麻薬工場から入手して、米軍輸送機により米国内に持ち込むと言う大胆不敵な手口。これにはビックリです。ちなみに、この麻薬工場で、中国国民党は活動資金を賄っていました。

あと、もう一つ映画の背景にあるのが、警察の腐敗。ラッセル・クロウ演じるリッチー・ロバーツは、ニュージャージー州の刑事なのですが、対岸のニューヨークの麻薬捜査局の刑事たちは腐敗しきっていて、賄賂を取ったり、麻薬を横流ししたりと、悪行三昧。まぁ、ネタバレをしてしまうと、リッチーに逮捕された後、フランクはリッチーによる悪徳刑事逮捕に協力しています。もっと言うと、この事件の後、リッチーは刑事をやめ、弁護士に転進しているんですが、その第一号依頼者はフランクと言うオマケ付き。

157分と言う結構長い映画ですが、物語に飽きません。見応えのある映画です。良くも悪くも、麻薬ビジネスが世界規模で動かされていることが良く分かりました。

コメントする (0件)
共感した! 0件)
勝手な評論家

2.5想像以上に単純

2008年2月2日

単純

マフィアものとくればゴッド・ファーザー的なものを想像するだろうが、この映画はちょっと違う。想像以上に単純で、暴力シーンも当然あることはあるが、それほどしつこくない。
その上、アメリカのハーレム事情を知らない日本人には、ちょっと付いて行けない。つまり感情移入が今ひとつ。
おまけに実話なもんだからありえないようなどんでん返しでスカッとすることも無く、なんかこんなもんかな、って言うレベルで終わってしまう。長いし。
ただ、これまでのシチリアマフィアではなく、黒人が、しかも米軍の輸送機をどうどうと使って麻薬を密輸、売買していたという事実事態が驚愕であり、また、汚職にまみれた警察の内部というのも事実であったとすれば度を越す酷さだ。
このノンフィクションシチュエーションが全てを牽引していく。
ひとつの時代を描いた作品としては完成度も高いし、二人の名優の演技も安心して見れる。
しかし、前述したとおり長い割には単純で、結構拍子抜けな終わりを迎える。
もっとカットしていいシーンあったと思うけどなぁ・・・ちょっと残念。

コメントする (0件)
共感した! 1件)
ニワトリ

4.0テレビショッピング?

2008年2月1日

泣ける

興奮

知的

 1968年のニューヨークから始まる麻薬に体を張った男たちの物語。ひとことで言うと非常に熱い男たちだ。

 デンゼル・ワシントンがディスカウントショップで売られてる「ソニー」やら「トウシバー」なんかのテレビを見て、「そうじゃん!中間業者抜いて現地から直にヘロイン輸入すれば安く上がるじゃん!」というトーカ堂の北社長と同じことを思いつく。その途端、次のシーンではいきなりタイの栽培農家へ行ってしまう。ワンシーンで何千キロも移動するこの行動力はビジネスマンたちに見習ってほしいくらいだ。で、森進一そっくりの農場経営者と契約を結び、ベトナム戦争で駐留していたアメリカ軍の知り合いとも輸送契約を結んでしまう。なんと、2倍の品質のヘロインを通常の2分の1の値段でご提供!はい、今回の商品はヘロイン「ブルー・マジック」です!
やっぱりどう見てもテレビショッピングにしか見えない。(しかも彼が一番重要視してたのは「ブルー・マジック」というブランドの信頼性。後々純度の低いヘロインをブランドを偽って販売していた男に激怒するシーンまである。)

 まあそのデンゼル・ワシントンをラッセル・クロウが追いかけるって話ですが、全体が長い。人によっては疲れてしまうと思います。だってラッセル・クロウが「そうか!ブルー・マジック売ってたのってデンゼルなのね!」ってところまで1時間半くらいかかります。もうね、早く気付けと。つかキューバ・グッティング・Jr.って出てこなくてもよくね?もっと短くしようよ、リドリー。

 つらつらと面白みポイント書いてきたんですけど、実際は全体通して飽きることはなく興奮し続けてしまう。おそらく主人公はデンゼルね。でも悪徳警官は「これでもか!」ってなくらいにデンゼルをいじめるし、ラッセル・クロウもじわじわと追い詰めていく。デンゼルかわいそう。

 テレビショッピング方式で2億ドル以上の富を得たデンゼル・ワシントンとジョン・マクレーン並に人生上手くいかないラッセル・クロウは最終的にどうなるのか!デンゼルはつかまってしまうのか!そして二人はいつ競演するのか!(二人はなかなか同じシーンに出てきません。)そこらへんをお楽しみください。

あ、最後にこの映画について。万が一寝てしまっても大丈夫ですよ。銃撃があるたび大音量の銃声が響き渡りますのでそのたび起こされます。隣にいた友達がそうでした(笑)

コメントする (0件)
共感した! 1件)
johnny5814