メリイ・ウイドウ(1934)

解説

フランツ・レハールの名を高らしめた同名のオペレットのトーキー化で、「生活の設計」「ラヴ・パレイド」のエルンスト・ルービッチュが監督に当たったもの。主演者も「ラヴ・パレイド」のチーム、モーリス・スヴァリエとジャネット・マクドナルドで、助演は「生活の設計」「コンチネンタル」のエドワード・エヴァレット・ホートン、「ロイドの大勝利」「ママはパパが好き」のジョージ・バービア、「恋の手ほどき(1933)」のミナ・ゴンベル「失恋相談欄」のスターリング・ホロウェイ、ルース・チャニング、ハーマン・ビング等である。脚色には「ウィーンの再会」のエルネスト・ヴァイダと「極楽特急」そサムソン・ラファエルソンが共同して当たり、撮影は「蛍の光」「夜間飛行」のオリヴァー・T・マーシュの担当。ダンス振り付け指揮はアルバーディナ・ラッシュ。

1934年製作/アメリカ
原題:The Merry Widow

ストーリー

虫眼鏡で探さねば判らぬようなヨーロッパの小国マーショヴィア公国のダニロ大尉は銘打っての色事師を以て自認していたが、その国の富のなかば以上を所有する募婦マダム・ソニアにだけは綺麗に肘鉄を食らった。ソニアはしかし内心ダニロに心を引かれていたのでダニロがあまりあっさりあきらめてしまったことが憂鬱だった。その憂鬱が積もって彼女は国を出てパリに去った。マーショヴィアを背負う大富豪と知ってソニアの周囲には求婚者が雲集した。万一彼女が外国人と結婚してその富を国から引き上げたらマーショヴィア国は破産である。種々協議の結果密かに特使をパリに送ってマダム・ソニアに求婚させ首尾よく彼女を本国へ連れ戻す事に決定、その特使の白羽の矢は見事ダニロ大尉に当たった。ダニロはパリに到着すると早速馴染みのカフェ・マキシムを訪れて一夜の歌を画したが、そこで彼は初対面のフィフィという女にぞっこん惚れ込んでしまった。一方マーショヴィア大使館ではダニロとソニアの対面を策する大夜会が企てられその席上で無理矢理2人の婚約を発表する段取りになっていた。国の風習で募婦は決して人前でヴェールを脱がないのでダニロは未だマダム・ソニアの顔を知らなかったが、会ってみるとこれは実は昨夜お忍びでマキシムへ来て自分が惚れたフィフィである事を発見して驚いた。しかし時既に遅くダニロがマキシムで身の重任を女どもに打ち明けてしまった事がパリ中は勿論、本国にまでつまりソニアの耳にも入ったので彼女は怒ってダニロの求婚を拒んだ。ダニロは反逆罪で即刻召還され軍法会議にかけられ、自ら有罪を主張して牢獄につながれた。憎さ余って可愛さ百倍のマダム・ソニアは彼を慰めようと密かに牢舎を見舞ったが、驚いた事には彼と同じ監房に自分も監禁されてしまった。それはしかし嬉しい監禁だった。なぜなら、2人の上に下った処刑命令は終身結婚刑だったから。

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スタッフ・キャスト

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受賞歴

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映画レビュー

5.0恋と音楽とダンス

2021年2月25日
Androidアプリから投稿

レハールのオペレッタをエルンスト・ルビッチが映画化(1934)

ジャネット・マクドナルドの美声がヒバリのさえずりのよう

モーリス・シュヴァリエは美声とかではないのだが 魅了される
オンナノコの名前を連呼しても(歌っている)
皆に共感される(?)希有なタイプか
彼等の唱法の違いみたいなものも面白かった
(映画が一本調子にならない)

マキシムでのカンカンも何となくエレガント
そしてワルツの華麗さと迫力
淀川長治氏が〈映画が流れている〉と語っていたが
まさにそんな感じ

エイドリアンの衣裳も豪華で乙女チック

ルビッチ監督の工夫が随所に見られ楽しかった
この雰囲気がとてもアメリカ映画とは思えない処もすごいです

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jarinkochie
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