ペッピーノの百歩

劇場公開日:

解説

1970年代にシチリアの小さな街で、マフィアの一員である父に逆らい、反マフィア運動を繰り広げて殺された実在の若者ペッピーノの短く苛烈な生涯を映画化。監督は、イタリア映画界を代表する社会派監督マルコ・トゥリオ・ジョルダーナ。2000年のヴェネチア映画祭で脚本賞を受賞した。2004年のイタリア映画際で上映され、好評を博した1本。

2000年製作/104分/イタリア
原題または英題:I Cento passi,
配給:樂舎
劇場公開日:2004年6月19日

ストーリー

ペッピーノ(ルイジ・ロ・カーショ)は、マフィアが支配するシチリアのチニシという街に生まれた。マフィアのボスであるターノ(トニー・スペランデオ)の家は、彼らの家から百歩しか離れていないところにあった。ペッピーノの父親(ルイジ・マリア・ブッルアーノ)は頭のいい息子を誇りに思っており、いつかはターノのようになってほしいと願っていたが、ペッピーノが青年となった1960年代、各地で同世代の若者たちが伝統的価値観を拒絶して騒動を起こした。ペッピーノは仲間たちとマフィアを糾弾する新聞を発行し、ラジオ局を開設する。父親は息子を力ずくで黙らせようとしたが、ペッピーノはそんな父に反発し、家を出る。しかし母親(ルチア・サルド)と弟(パオロ・ブルグリア)は、ひそかにペッピーノを支えた。マフィアとの緊張は日に日に高まり、ある日、父親は何者かによって殺される。それを機に、ペッピーノは議員に立候補することを決心するが……。

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スタッフ・キャスト

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受賞歴

第58回 ゴールデングローブ賞(2001年)

ノミネート

最優秀外国語映画賞  
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映画レビュー

4.0まるで『ゴッドファーザー』に対抗したかのような裏ゴッドファーザーのような映画だ。

2018年11月28日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

 シチリア・マフィア・ファミリーのパーティで、少年ペッピーノは詩を朗読する。父ルイジにとっては頭のいい息子は自慢であり、将来はマフィアの首領のようになってほしいと願っていた。しかしペッピーノは政治運動に走り、空港滑走路建設反対闘争でも反マフィアを主張する。 父ルイジのいとこがマフィアのドンであることから、父と母が必死の想いで息子の行動を阻止しようとするが、ついには政治的メッセージを発信するラジオ局も作ってしまう。

 最後には父と息子の確執を取り払って親子愛を説く映画になるのではと想像していたのだが、予想ははずれ、さらに彼はエスカレートして徹底的にマフィアを糾弾する行動をとったのだ。こうした反マフィアの運動をすること自体がマフィアに狙われる要因だらけなのだが、父にも言われたことがあるように、首領トーノから「お前はマフィアに守られてる」と諭され、ペッピーノは戸惑ってしまう。しかし、ここから出る彼の行動は、反マフィアの信念を貫きとおす燃える男となったのだ。

 説明的な時間の経過をかなり省いてあるような編集で、ちょっとだけ不満が残りましたが、監督の政治的に右だとか左だとかを感じさせたくないという意図もあったのだと想像できます。途中、記録映像の映写会を取り入れ、表面的な記録と隠された真実についてを語るシーンがありましたが、この主張がそのまま映画全体のテーマと被さってペッピーノの真実を観客に読み取らせようとしたのだと思います。ラストでの棺を担いだデモのシーンがあるのですが、途中何度も出てきた意外な人物も参加しているのが面白かったです。

 音楽もよかったです。アニマルズ、ジャニス・ジョプリン、プロコル・ハルムと懐かしさいっぱいでした。そして、ヌーディストたちにドキリ・・・

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kossy

3.5イタリアならでは

2011年6月26日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

難しい

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akinoriohara