ヒトラー 最期の12日間のレビュー・感想・評価
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悲惨です…
ヒトラーの呆気ない自殺。
史実の理解に
ヒトラー 〜最期の12日間〜
プルーノ・ガンツ名演
総合80点 ( ストーリー:70点|キャスト:85点|演出:80点|ビジュアル:80点|音楽:65点 )
迫力の演技・演出・映像だった。特にヒトラーを演じたブルーノ・ガンツは名演だった。独裁者ゆえに恐れられて正確な情報の報告をしてもらえず、現実と自分の夢想との違いに激怒して、自分が原因を作っているのに他人をひたすら批判する。現実を知らないまま、知っていても認め難く、夢想のほうを現実と思いたがる。破滅の極限に追い込まれた独裁者の典型的な姿だが、これほどの有名人の最後の様を見事に演じていた。ヒトラーというこの役を引き受けるにはかなりの葛藤があったと本人が会見で言っていたが、結果としては見事にはまり役だった。
周囲の登場人物の演技も良かったし、本部内の描写や戦闘場面も美術が良く出来ていた。全体として質感の高い作品に仕上がっていた。
物語は破滅に向かう限定的な時間・空間のことなので、その様子の描写に緊迫感があったものの話に大きな動きはない。また当時の情勢とヒトラーの側近について基本的知識が無いと理解が浅くなるので、人によっては入り込めないし難しいと思うかもしれない。でも物語よりも当時の様子を再現した演技と緊迫感に見応えがある。
一人間としての独裁者
映画的には決して良くはないが
これまで悪魔的な方向へ誇大表現されてきた感のあるヒトラーや周辺の人々の姿をリアリティをもって描いているところにこの映画のオリジナリティがある。
だがヒトラーを中心とする人間描写が優れている一方で、ヒトラー・ユーゲントや酒盛りに耽る将校の姿はかなり表面的な印象を受けた。物語的にも起伏が少なく、ヒトラーの自殺後の数十分の尺は蛇足のように感じた。
かくも悲惨な戦争敗者。 逃亡する者、未だ勝利を盲信する者、現実を受...
見えぬ、独裁者の素顔
●ドイツから見た終戦。
包囲されたベルリン
ヒトラーの側近達の詳細を知らなかったので、調べながら二度鑑賞しました。登場人物の外見は勿論、ヒトラーへの心酔度、人間関係など、かなり力を入れて再現しているように思いました。
「帰ってきたヒトラー」でも触れていましたが、「(我々を選んだ)国民の自業自得だ」という台詞は、今の日本にとっても耳が痛い言葉です。でも民衆あっての国家です。国民に思いを馳せられない政治家には、指導者の資格がないのだとつくづく感じました。
ヒトラーの人物像は、総統としては冷酷で聞く耳を持たず、手の付けられない恐喝屋ですが、男性としてはドイツ人女性や子供に対して、また忠実な/お気に入りの部下に対しては、穏やかで優しい一面も描かれています。彼の与える権力や栄誉に惹かれた者がいる一方で、彼(の行ってきた力強いパフォーマンス)に純粋な信頼を寄せていた人達もいたのだと思います。最期は自害することで、無責任にも真っ先に自分の保身に走った情けない奴なのに、死してもなお総統や帝国に忠義を尽くそうとする人々、同調しない民間人を処罰していた人々を見ると、当時の日本に共鳴するものが確かにあったのだと思います。
「ひ弱な」国民を捨てて空っぽの国家の土地と国境を広げ、そこに理想郷を建てたかったヒトラー。
人は何を信じるかで、人生も世の中も大きく変わる、だからしかと眼を見開いていなければならない、という教訓を訴えている作品だと思いました。
ナチスとの最期
題名がヒトラーだが、原題は、没落。ヒトラーと、その周囲の人々の落ちっぷりを描いた。
合理的な動機であれば、戦争をもっと以前に終わらせられたのかもしれないが、
思想的、感情的な動機による戦争は、全てが滅ぶまで延々と辞めないものなのだということを痛感。どこまで追い詰められても、降伏をしないとする、頑固さが見ていて痛々しい。
日本の戦争もまさに同じであった。日本とドイツはかなりにもの同士だと思える。だから、他人事ではない気がしてならない。
ヒトラーという精神的主柱を失いつつありながらも、それでもヒトラーにすがって生きる人々。
ヒトラーの言ってることが机上の空論、無茶無理無謀なことでも、それに反抗しない、できない。ヒトラーの弱さとともに、周囲の人々の弱さや脆さを描いた一級の作品。
落ちっぷりを描きつつも、その中でも懸命に生き、人としての正しさを貫こうとする人々も同時に描かれているのもまた面白いところ。
帰ってきたヒトラーを見る前に ヒトラーのことをなんとなく知らないか...
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