媚薬
劇場公開日:1959年4月3日
解説
「黄金のキャデラック」のリチャード・クワイン監督作。ジョン・ヴァン・ドルーテンの舞台劇「ベルと本とローソク」を「ピクニック」のダニエル・タラダッシュが脚色している。現代のニューヨークに住む魔女と、ある出版業をいとなむ男の奇妙な恋物語。撮影は「老人と海」のジェームズ・ウォン・ホウ。音楽はジョージ・ダニング。出演しているのは「めまい」で共演したキム・ノヴァク、ジェームズ・スチュアートの2人に、「カウボーイ」のジャック・レモン、「情婦」のエルザ・ランチェスター、アーニー・コバックス、フィリップ・クレイ、ジャニス・ルール、ハーミオン・ジンゴールド、ハワード・マクニーア等。製作ジュリアン・ブロースタイン。テクニカラー・スタンダードサイズ。1958年作品。
1958年製作/106分/アメリカ
原題または英題:Bell, Book and Candle
配給:コロムビア
劇場公開日:1959年4月3日
ストーリー
ニューヨーク。1階はアフリカの美術工芸品を売る店で、2階がアパートだった。店の主人は美しいギリアン(キム・ノヴァク)だった。2階には、出版社を経営するシェパード(ジェームズ・スチュアート)が住む。Xマス・イヴに彼が帰ってきたとき、部屋にギリアンの叔母・クイーニーが入りこんでいた。どなりつけた。電話を使おうとすると、妙な雑音がする。下へ借りに行った。2人は初めて話をした。雑音は叔母のしわざだった。--ギリアンは魔女だ。不思議な魔術をあやつれる。叔母よりもベテランだ。ナイト・クラブ“ソディアック”がニューヨークの魔女・魔男(?)の巣なのだ。キリアンの弟・ニッキー(ジャック・レモン)もZZの楽団でドラムを叩いている。ギリアンたちはここでイヴを過ごす。恋人のいないイヴは淋しかった。シェパードが許婚のマールを連れてやってきた。マールはギリアンと女学校の同窓生だった。いやな女だった。ギリアンはシェパードを好きになっていたが、魔術で愛情を得たくなかった。彼女の部屋で、Xマス・プレゼントを交換したとき、弟は“会いたい人を呼び寄せる液体”をとりだした。メキシコの、魔術の本の著者シドニーを呼びだそう。液を写真にかけて燃え上らせた。シェパードが火事と思って飛びこんできた。ギリアンは愛猫パイケットをつかって彼に恋の魔術をかけてしまう。恋のイヴが過ぎた。彼はとりこになり、マールとの結婚をとりやめた。事務所に、メキシコからシドニーが着いた。彼の新しい著作を出版することにした。ニッキーが助手になった。ギリアンは結婚を申しこまれた。魔女であることを知られたくない。ニッキーに助手をやめなけば魔術をかけるといった。魔力で、出版は駄目になった。ギリアンは自分から魔女であることを彼に告白した。シェパードは信じなかった。が、クイーニーの話をきくと迷ってきた。魔女の遊びか、ほんとうの恋なのか?怒って去りかけたとき、ギリアンが魔術でとめた。本性をやっと悟ったシェパードは彼女の呪文よけの魔術をかけてもらう。その故か、ギリアンがマールに呪文をかけようとしたときパイケットが逃げだした。事実は、彼女が真実の恋をし、魔女でなくなったからだ。が、シェパードはマールからはねつけられた。クイーニーがパイケットをつかって、シェパードをギリアンの部屋へ導いた。ギリアンは泣いた。魔女なら涙が出ないはず。ギリアンは顔を赤めた。魔女なら恥かしがらぬはず。シェパードはギリアンの愛をやっと信じた。
スタッフ・キャスト
- 監督
- リチャード・クワイン
- 脚本
- ダニエル・タラダッシュ
- 原作戯曲
- ジョン・バン・ドルーテン
- 製作
- ジュリアン・ブロースタイン
- 撮影
- ジェームズ・ウォン・ホウ
- 美術
- Louis Diage
- 音楽
- ジョージ・ダニング
- 編集
- チャールズ・ネルソン
- スペシャル・カラー・コンサルタント
- Eliot Elisofon
-
Sheperd_Hendersonジェームズ・スチュワート
-
Gillian_Holroydキム・ノバク
-
Nicky_Holroydジャック・レモン
-
Sidney_Redlitchアーニー・コバックス
-
Mrs._De_Passハーミオン・ジンゴールド
-
Queenieエルザ・ランチェスター
-
Merle_Kitridgeジャニス・ルール
-
French_Singerフィリップ・クレイ
-
SecretaryBek Nelson
-
Andy_Whiteハワード・マクネア
-
MusiciansThe Brothers Candoli
-
ProprietorWolfe Barzell
-
Exterminatorジョー・バリー
-
Merle s_MaidGail Bonney
-
Herb_Store_OwnerMonty Ash
受賞歴
第31回 アカデミー賞(1959年)
ノミネート
衣装デザイン賞 | ジャン・ルイ |
---|---|
美術賞 |
第16回 ゴールデングローブ賞(1959年)
ノミネート
作品賞(コメディ) |
---|