16歳の合衆国

劇場公開日:

解説

恋人の弟を殺してしまった16歳の少年の繊細な心模様を描く青春映画。監督・脚本はこれがデビューとなるマシュー・ライアン・ホーグ。製作・出演は「ライフ・オブ・デビッド・ゲイル」(出演のみ)のケヴィン・スペイシー。撮影は「アバウト・シュミット」のジェームズ・グレノン。音楽は人気ミュージシャンのジェレミー・エニック。美術は「ゴーストワールド」のエドワード・T・マカヴォイ。編集は「グッド・ガール」のジェフ・ベタンコート。出演は「完全犯罪クラブ」のライアン・ゴズリング、「オーシャンズ11」のドン・チードル、「ワンス・アンド・フォーエバー」のクリス・クライン、「コールドマウンテン」のジェナ・マローン、「ハリウッド的殺人事件」のレナ・オリン、「ミー・ウィズアウト・ユー」のミシェル・ウィリアムズ、「インソムニア」のマーティン・ドノヴァン、「パニック・ルーム」のアン・マグナスン、「白いカラス」のケリー・ワシントン、「スリー・オブ・ハーツ」のシェリリン・フェンほか。

2003年製作/104分/アメリカ
原題:The United States of Leland
配給:アスミック・エース

ストーリー

理知的な16歳の少年リーランド(ライアン・ゴズリング)は、ある日突然、恋人ベッキー(ジェナ・マローン)の弟ライアン(マイケル・ウェルチ)を刺し殺してしまう。逮捕されたリーランドは矯正施設に入れられるが、殺人の理由について何も語ろうとしない。作家志望でもある教官パール(ドン・チードル)は、彼の心を解き明かすことが本の題材になるのではと考え、リーランドのカウンセリングを始める。パールは、リーランドが愛憎を抱いている有名作家の父アルバート(ケヴィン・スペイシー)に話を聞こうと会いに行く。しかしリーランドと長く疎遠にしていたアルバートは、息子を全く理解していなかった。一方、哀しみに明け暮れるベッキーのポラード一家は、それぞれが心のバランスを崩しつつあった。一度は麻薬を断ち切ったはずのベッキーも、再びドラッグに溺れていく。家族を失った自分を救ってくれたポラード一家が崩壊していくのを目の当たりにした姉の婚約者アレン(クリス・クライン)は、その原因を作ったリーランドに激しい憎悪を燃やす。リーランドは、徐々にパールに心を開き、本音を語り始める。しかし、わざと強盗を働き施設に入ってきたアレンが、リーランドを刺し殺してしまうのだっ。

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スタッフ・キャスト

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映画レビュー

5.0心理学の事例?

2021年2月28日
スマートフォンから投稿

簡単にあらすじを読んで興味を持った。すごい映画だった。心理描写が巧みで難解で私には深く考えられない。見る前は、若者の更生や更生施設やカウンセリングにも興味があると思ったがこういう類ではなく、リーランド(ライアン ゴスリング)の心の中は更生施設のなかで二人でバスケット(ドリブル。シュート)をしているシーンに似ている。つまり、リーランドは攻撃的に出ず、戦い方を知らないし、心の中を磨かせてもらえず、燻ったままでいたと思える。バスケットでもう一人の囚人の青年がシュートのブロックの仕方を知らないリーランドにブロックしろと教えるが、人生の中で、このブロックするとかいうステージを逃すと社会適応が難しい成長の仕方をするのかなと勝手に思った。

16歳のリーランドがなぜガールフレンドの弟を殺したのか?殺さなくてはならなかったのか?理由はなにか?父親との親子関係にあるのか?父子家庭であるが、父親の存在感のない生活が問題だったのか?ガールフレンドとの関係がうまくいかないから?自分の心の置き場がなく厭世観が漂っていたのか?などと高校生が殺人を犯す理由がどこかにあると考えてみた。はっきり言って何も理由がないのかもしれないとも思った。

はっきり理由付けがあって、この行為だけではなく、16年間積もり積もったものが何かの形で現れたのかもしれない。未成年の犯罪の場合、犯罪心理学で家庭環境は一番注目されると思う。前記のように、人生で学んでいく過程の何かを失ってしまっているんだと思う。人生において、彼のように純粋な心を保って生きるのは、彼が苦労すると言おうか、人に理解されにくいと思う。攻撃したり、破壊的なことをしたり、困らせたりするわけではなく、倫理的で感が鋭く生きている。この彼には、相手の気持ちをを察することができるから、相手に感情移入してしまう。ニューヨークのおばさんの目からは輝きが消え、伴侶の不倫で離婚したため、悲しさに溢れていると。自分をその哀しさを紛らせるために使ってもらっているようだ。でも、結局は何もしてやれないと思っている。

ベッキーが『大丈夫だ全て上手く行く』と言ってくれというがリーランドは言えない。現実はそうじゃないから。現実を見られないベッキーに対して一時的に相手を喜ばす、『うまくいく』というまやかしは言えない。
そして、ライアンは自転車が障害物の中から出せなくなっている。障害がある故に障害物を乗り越えるのは難しい。そこで、初めて、『大丈夫だ。心配はいらない』とリーランドはライアンを抱きかかえて言えるが、現実的ではない。大丈夫じゃないから。このライアンにもなにもしてあげられないと感じた。でも何かをしてあげた。

これらについて、この映画を自分勝手に理解したつもりでレビューを書いてみる。心理的な映画は大変理解しにくい。

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Socialjustice

2.5テーマが曖昧

2018年5月5日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

悲しい

何を描こうとしているのか?R・ゴズリングが犯した事件を中心とした地味に豪華キャストな群像劇!?

被害者家族と加害者家族、加害者に携わる人物と加害者本人それぞれの心情に葛藤などを描いて行く方向性でも無く人物描写の掘り下げ方が中途半端な気も。

主要人物、全員の感情の起伏の乏しさが目立ちそれぞれに抱えている問題や悩みも寧ろ本作の邪魔になっているようにも感じてしまう。

大風呂敷を広げて畳むのが面倒臭くなったが如くラストはメチャクチャな終わり方。

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万年 東一

3.0悪は

2015年1月12日
iPhoneアプリから投稿

悲しい

善を確認するためにあるのかも。そうかも。予感はしてた展開だが、、あ、、そうなるのか、という結末。淡々としてる彼だが次に何を言うのか観てるこっちまで興味深々。脚本が良いのだろうが、凄いわゴズリング氏の演技。見入ってしまう。

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がい

3.5鬱映画と評価されるが

2014年8月5日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

泣ける

悲しい

それだけでない気がする。主演のライアン・ゴズリングの顔芝居が好きだった。見たことあると思ったら、ラースとその彼女のラースなのね。ちょっと世間から取り残された役を演じると素敵です。
最後の刑務所内のオチは無理があると思った。

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ツクモ
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