モナリザ・スマイル

劇場公開日:

解説

50年代のアメリカ。保守的な名門女子大学にやってきた進歩的な女性教師が、伝統を重んじる生徒や教師と摩擦を繰り返しながらも、少しずつ学園に変化をもたらしていく姿を描いたヒューマン・ドラマ。監督は「フェイク」のマイク・ニューウェル。主演は「エリン・ブロコビッチ」のジュリア・ロバーツ。共演の生徒役にキルステン・ダンスト、ジュリア・スタイルズ、マギー・ギレンホールと豪華な顔ぶれが並ぶ。

2003年製作/120分/アメリカ
原題または英題:Mona Lisa Smile
配給:UIP
劇場公開日:2004年8月7日

ストーリー

1953年の秋。カリフォルニアに住む若く美しい女性教師、キャサリン・ワトソン(ジュリア・ロバーツ)は、新しいキャンパスへと向かう列車の中で夢の実現に胸を高鳴らせていた。今度の学校はニューイングランドにある名門ウェルズリー大学。イギリスのオックスフォード大学に負けないほどの名門である。その一方で、「米国一保守的」という評判も持つ女性だけの大学に、キャサリンは自分なりの変化をもたらせたいと考えていた。その夢のために、たとえ恋人のポール(ジョン・スラッテリー)と離れて暮らすことになっても・・・。ウェルズリー大学に美術史の助教授として就任したキャサリンは、到着してまもなく、この名門校の予想以上に厳しい伝統にとらわれた環境を知る。先輩の教師で女生徒にスピーチと正しい言葉遣いを教えている威厳に満ちた教師ナンシー・アビー(マーシャ・ゲイ・ハーデン)によれば、この大学の学生にとってもっとも価値があるのは、充実した教育ではなく、エリートのボーイフレンドからプレゼントされる婚約指輪だというのだ。一方キャサリンは、初日の授業から生徒たちの手強さを思い知らされることになる。学生のリーダー的な存在でプライドの高い優等生ベティ(キルスティン・ダンスト)を中心に、女生徒たちは授業内容を完璧に予習して、新米教師に教える隙を与えない。キャサリンの呆然とした表情を見ながら、生徒の一人は勝ち誇ったように言った。「先生のお話がこれ以上ないようでしたら、自習をしたいのですが」。反抗的な生徒たちの態度に傷つくキャサリン。そんな彼女に、校医の同僚アマンダ・アームストロング(ジュリエット・スティーヴンソン)は「教師は学生たちに足元を見透かされたら最後よ」と、アドバイスをくれる。そんなアマンダ自身も30年つきあった女性の同僚教師を亡くし、深く傷ついている女性だった。キャサリンの敵は、生徒たちばかりではなかった。保守的な教師たちや卒業生、そして学生の親たちもそうだ。周囲の冷ややかな反発を感じながらも、彼女は毅然として学生たちに「自分の頭で考えることの大切さ」を教える。古典的な絵画ではなく、ポロックをはじめとする現代美術作品をとりあげ、とまどう学生たちに「芸術とは何? 誰が芸術の良し悪しを決めるの?」と、問いかけるキャサリン。そんなキャサリンの生き方を、認める生徒たちも現れる。ジョーン・ブランドウィン(ジュリア・スタイルズ)は、ベティと並ぶ優秀な生徒でイェール大学へ進み法律家になりたいという夢を持つ一方で、恋人からのプロポーズを待つ身でもある。そんなジョーンにとってキャサリンは、今まで出会ったことのない「師」だった。そして、奔放な恋愛を繰り返し、挑発的だが聡明なジゼル・レヴィ(マギー・ギレンホール)は、進歩的なキャサリンの考え方に、自分の理想の女性像を見ていた。また、内気なコニー・ベイカー(ジニファー・グッドウィン)にとっても、キャサリンは不安な自分に勇気をくれる憧れの女性であった。生徒たちに新しい時代の女性の生き方を指導する一方で、キャサリン自身も人生の岐路にたたされる。よき同僚だった校医のアマンダが、生徒たちに避妊用のピルを渡していたことが発覚し、大学を追われた。激しく落ち込むキャサリンの前に、恋人のポールが結婚指輪を持ってカリフォルニアからやってくるが、自分中心の彼の態度に傷つき、ポールとの別れを決意する。教育への一途な熱意とは裏腹に、キャサリンの内面の葛藤は激しさを増していった。彼女の講義がウェルズリーの伝統にそぐわないと、学長以下から厳しく叱責を受けたのだ。傷ついたキャサリンは、プレイボーイと評判だが、いつも自分を見守ってくれたイタリア語教師、ビル・ダンバー(ドミンク・ウェスト)との間に育ち始めている“愛”に気付かされる。生徒たちにもまた、選択の時が迫っていた。上流階級出身で厳格な母のすすめで学生結婚したベティは、ハーバード大生の夫の愛が、自分にないことに気付く。プライドや世間体と、本当の幸福感の間で揺れるベティ。ジョーンは、願書を出したイェール大学にみごと合格するが、一方で心から愛する恋人との結婚話が煮詰まってくる。妻子ある男性とのうたかたの恋を楽しむジゼルも、人生の進路を決めなくてはならない時期が近づいてきた。自分への自信を失くしているコニーは、勇気を振り絞って恋する心をボーイフレンドに告白する。そしてキャサリンに最後通告が言い渡される。大学に残りたいなら自由な講義をいっさい放棄し、カリキュラム通りの授業をせよ、と命令される。そしてビルもまた、キャサリンに告げる「君は<生徒の道>と<自分の道>どちらを選ぶの?」と……。

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スタッフ・キャスト

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受賞歴

第61回 ゴールデングローブ賞(2004年)

ノミネート

最優秀主題歌賞
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映画レビュー

0.5ブリューゲルの絵は隠された物語を探すのが楽しいのよ

2024年1月10日
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鑑賞方法:VOD
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マサシ

3.5誰が描いたかではなく、自分がどう感じたか それを大事にし、その上で...

2022年12月8日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

知的

幸せ

萌える

誰が描いたかではなく、自分がどう感じたか
それを大事にし、その上でどう行動していくかに繋げたい

ワトソン、ベティ、ジゼルの三人の関係が面白かった
ジュリアロバーツとキルスティンダンストがバチバチに対立してて最高だった

いまを生きるを思いだした。
もうちょい話しを深くしてもよい場面もあった気がするが、作品のテーマは伝わった

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UPtwHmNNLjBjFuAF

4.5RBGと同じ世代

2021年1月30日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

1953年の設定の映画。ここが大事で、時代背景を考えないと、この映画の重さや深い意味がなくなってしまう。最近他界したルース・ベイダー・ギンズバーグ(RBG)連邦最高裁判事と同じ時代の映画である。彼女は1954年にコーネル大学を卒業して、すぐ結婚して子供が生まれている。そのごハーバードの法律科に入学しているから、この映画での大学生たちと同じ時代だ。ただ違うのはウェルズリー大学は女子大だということで、この映画から察すると、当時モダンだという(洗濯機、家具)なども揃えられる、将来有望の男性と結婚して子供を産んで、、、、、の才女才媛を育てるための花嫁修行の大学であったようだ。社会では女性の鏡は夫に使える主婦であり、女性であることを理由に受け入れられない社会生活環境が山ほどあったわけだ。ルース・ベイダー・ギンズバーグはその後、性差別は違憲だという判決を最高裁で勝ち取ったわけで、社会を変えたルース・ベイダー・ギンズバーグのような弁護士の存在は大きい。

日本の1950年代、第二時大戦の後、日本での女性解放、特に、性差別は違憲だなんていう思想はまるっきり育っていなかったと思う。(私感)現代の人々も、これに対する問題意識を持って変えて行こうと考えている人はどのくらいいるだろう。

キャサリン・ワトソン(ジュリア・ロバーツ)は特にベティー(Kirsten Dunst)の人生を変えたわけだ。離婚によって、人生が変わったのが直接の原因だが、先生の影響が一番強く残ったのだと思うからこのような話がかけたのである。ベティーが最後の方で、離婚にイニシャチブをとって、ニューヨークでもう一人の学生と暮らすと言った時、明るい将来が見えた。そして、キャサリン・ワトソンや芸術に対する捉え方が、ベティーの原動力になっていくのを感じた。例えば、キャサリン・ワトソンは絵を一枚鑑賞することにたいしても、いつ描いたとか誰が描いたとかいう事実を暗記したものより、自分がどう感じたかを、それに、期末は他の絵との比較対照分析である。これが芸術に対するリベラルなアプローチかどうかは私は知らないが、明らかに、リベラルな背景を持っている貴重な人だといくことはわかる。

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Socialjustice

3.050年代のアメリカ

2021年1月16日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 まさしく女性の自立を謳った女性のための映画だ。“女性の理想はよき妻になること”という花嫁修業の場であるような大学において、恋愛・結婚・仕事において自由な考えを授業において教えようと意気込むキャサリン・ワトソン。現代の視点からすると、彼女が来るまでの大学が異常な風に映るわけだが、何しろ50年代の設定である。大学在籍中に半数が結婚し、残りも皆プロポーズを待つばかりといった状況なのだ。男の目からすれば、学歴も良い良家のお嬢様を嫁にもらうといったところであろう。

 学生の中ではジゼル(マギー・ギレンホール)の性に対して自由奔放な性格が面白く、彼女を配置することによって現代と過去の学生気質の違いをわかりやすく描いたのであろう。ジョーン(スタイルズ)は早くからワトソンに馴染み、教師の視点で思い通りの道を選ぶと思われたが、意外な方向へとストーリーが進む。しかし、ジョーン側からすると彼女は自由な選択をしたこととなり、ワトソンが教えた自立とは違うものの自らの意志を持っていたのだと思う(ここにはワトソンは矛盾を感じなかったのか?)。全体的にも、自由・自立を教えようとする割に、結局はワトソンの思想を押し付けて生徒を自分の思い通りにしようとしていただけのような気もして、納得がいかなかった。

 基本の筋は、ワトソンの恋愛、ベティ(ダンスト)との対立の構図となるのだが、この本線がつまらないのだ。全体の設定や脇の人物の性格の変化は面白いのだから、事件が起きるとか、もっとメリハリをつけるといい映画になったのでしょう。50年代の女性の価値観を学べたというだけだったかな・・・

【2004年8月映画館にて】

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kossy