キッチン・ストーリー

劇場公開日:

解説

50年代にスウェーデンで実際に行われたという“独身男性の台所での行動パターン調査”をヒントに、調査員と調査対象者となった2人の中年男性の交流をユーモラスに綴ったコメディ。監督は、「卵の番人」のベント・ハーメル。

2002年製作/95分/ノルウェー・スウェーデン合作
原題:Salmer fra kjokkenet
配給:エスピーオー
劇場公開日:2004年5月22日

ストーリー

ノルウェーの田舎で一人暮らしをしている、年老いたイザックの元へ、フォルケという男がやって来た。主婦の台所仕事が世界的に重要視され始めた1950年代初頭。キッチン棚の大きさや調理台の高さなど、台所の国際的な規格が出来上がっていた。そこでは製品開発など多くの面で「行動心理学」が大きな役割を果たしており、1944年にスウェーデンで発足した「家庭研究所」では、「ノルウェーとフィンランドにおける独身男性の台所での行動パターン」についての調査が開始されようとしていた。フォルケはその「家庭研究所」の調査員であり、トレーラーで国境を越えてスウェーデンからノルウェーにやってきたのだった。イザックは「馬」がもらえるという理由からこの調査に応募していたが、彼が手にしたものはスウェーデン特産の赤い「馬の人形」だった。応募したことを後悔したイザックは、フォルケを家に入れることを拒否。しかし、数日後、ようやくあきらめたイザックの家の台所には、彼を見下ろす奇妙な監視台が設置された。調査される側と調査員との間には、「お互い会話してはいけない」「いかなる交流ももってはならない」などのルールが厳しく決められていた。一日中、黙って自分を見下ろすフォルケに気を許せないイザックは、キッチンを使わず寝室でこっそり調理をする。弱った体を心配して、時々友人のグラントがお茶を飲みに尋ねてくる以外は、イザックの家に人が出入りすることは無かった。お互い気まずい観察生活が続いたある日、ついにフォルケとイザックは口をきいた。ゆっくりと確実に深まっていく二人の距離。いつしか、お互いにコミュニケーションをとることが楽しみになっていた。イザックの誕生日。フォルケは自分のトレーラーにイザックを招待し、いっぱいのロウソクを立てたケーキでお祝いする。トレーラーの外には、楽しそうな二人を窓から見て、持ってきたケーキを手に帰ろうとするグラントの姿があった。楽しい日々を過ごす二人だったが、フォルケは調査員としてのルールを破っていた。ついに頭のかたい上司に知られてしまい、フォルケはクビを言い渡されてしまう。そんなフォルケにイザックは、自分と一緒にクリスマスを過ごさないかと提案する。しかし、イザックの提案を受け入れたフォルケの元へ上司マームバーグが現れ、「スウェーデンとの国境までトレーラーを運べ」と命じるのだった

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映画レビュー

4.0北欧らしいストーリー

2023年5月8日
PCから投稿

最初は会話も少なく、ただ「調査対象をみてるだけ」の関係だったけど。
ふとしたことで、徐々に心通わす展開。
話をすることで初めて、お互いを知り合える。

誕生日お祝い会の、正装したふたりの笑顔が、素敵だった。

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ゆき@おうちの中の人

3.01年間に主婦が歩く距離は前はコンゴまでだったのに今はイタリアまで・・・って。

2019年8月9日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

 しかし、イザックは馬をもらえるからと調査対象となったのかぁ・・・最初に馬の人形が映ってましたけど、かなりずるいです(笑)

 北欧でもノルウェーとスウェーデンじゃ仲が悪いのかなぁ。戦争では傍観してただけのスウェーデンと非難してましたがな。

 被験者と喋っちゃいけないと言われていたのに、徐々に奇妙な友情のようなものを感じ取ったのだろうか。しかし、逆に調査されていたフォルケなんてのは笑えるなぁ・・・

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kossy

3.0ルールを破った時、見えなかったものが見えてくる

2016年4月26日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

楽しい

幸せ

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shimo

2.5独特のテンポと空気感

2012年2月7日
フィーチャーフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

泣ける

幸せ

ハリウッドには無い独特の空気感がよかった。
熱を出してトレーラーで寝込んでいるフォルケの代わりにイザックが自分で書き込むシーンなど全体を通して監督の優しい眼差しと映画への愛が溢れていて、内容もだがそれ以前にその映画としての質感に心が温かくなる。
独特のテンポによって見終わればいつの間にか穏やかな気持ちに包まれる。

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keita
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