キューティ・ブロンド ハッピーMAX : 映画評論・批評
2003年11月18日更新
2003年11月15日よりみゆき座ほか全国東宝洋画系にてロードショー
根拠のない自信に満ち溢れたポジティブ思考は嬉しいほどに健在
三日月を見ると思い出す、全米一のシャクレ顎アイドル、エルことリース・ウィザースプーン女史がパワー全開にてご帰還。前作では“ブロンド娘=おバカさん”の法則を覆しハーバード・ロースクールに入学→トップで卒業→初法廷に勝利した彼女。本作でも根拠のない自信に満ち溢れたポジティブ思考は嬉しいほどに健在で、完璧なブロンド、完璧な仲間、完璧なファッション(ピンク面積多し)に身を固め、その行動力たるや植木等の“無責任男”シリーズ的な豪快さと押しの強さで周囲を唖然とさせつつ快進撃。とはいえエルの場合、すべての原動力が“正義+責任感” に突き動かされて行動しているので無責任男とは逆ポジ。
さて今回のエルは最愛の友犬ブルーザーの、母犬を動物実験から救う法案を作るべく政治の中心ワシントンD.C.へ乗り込むが、エルの行動の中心はワシントンD.C.とはいえ美容室なのが面目躍如。有り得ないことのすべてを有り得るに転化させてしまう、有り余るエネルギーに感服。そして同時にアメリカ中の政治家全員がエルのようであれば戦争なんて無縁になる。有り得ないけど。かくしてブロンド娘の学園物は法案設立にまで発展。これこそ現代のファンタジーか!?
(大林千茱萸)